縫道石山/南東稜/B>

日程
2004年8月14日(土)
メンバー
(同人ルーデンス)菅修三、池野明子
記録
(同人ルーデンス)菅修三
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


A縫道石山  (報告者・池野)
ルート・南東稜
メンバー・池野明子 菅修三
登攀日・’04年8月14日

以下、池野の報告。
******************************** 
    

予定していた南の島のクライミングが、台風で船が出港せず、出発当日
中止となり、いつものことながら、それならどこへと大慌てになる。
 遠すぎるのが欠点だが、一番天気の良さそうな東北にほぼ決定。

 ザックからシュノーケルと水着を放り出し、フレンズ類を詰め込んで出発。
 ミズガキも候補の内だが、こんな事でもなければ東北なんか行けないし・・・
という理由で、米原ジャンクションから北陸自動車道へ入る。

 向かった黒伏山の南壁は暑すぎて、2本登るモチベーションがわかない。
そんな時、隊長がまた“ヌイドウイシ”の話を始めた。
それは下北半島にあるという。
が、あわてて出てきたので、隊長自身、手元にはトポも資料も何もない。
仙台でインターネットカフェを探し、そこで見た樹海の中に突き出した岩山に
私が一目惚れしてしまった。

とりあえず東北自動車道を北上しながら、隊長は自宅に電話して、家人にCJ
の何号を見てくれ、なんて言っている。
八戸のコンビニで資料のファクスを受け取って準備は整ったんだが、翌日は
午後から雨だという。

起きたら今にも降り出しそうな空模様だが、日にちもないので、ルートは簡単
な西稜にして取り付くことにする。
登山道から別れてブッシュを漕いで南東稜の末端を過ぎると、西稜と海が望
める気持ちのいい場所に出る。
だけど、西稜はどこから取り付くんだろう?
更にブッシュを漕いで、ロープを付けて1ピッチうんざりな木登りをしたところで、
けっこうな雨が降り出した。
まだ稜線には出ていないので、中止にして下降する。
取り付きでロープを解いたら雨が止んだが、もう登り返す元気もなく、そのまま
目的地を温泉に変更するが、この日、3時過ぎまで天気はもったので、あのまま
頑張っていれば登れたはずだった。

翌日は晴れ。南東稜を登る。

1P:南東稜の末端の凹角っぽいところからスタート。
   一見簡単だが、コケが付いた部分がやたら滑る。
   残置もほとんどなく、グレードよりも怖い。
   フェースを越え、
2P:左のフェースはすっきりしているがピンが見えず、右のブッシュから登る。
   木でプロテクションをとってからは、残置ハーケンが次々出てくる。
   ボロボロのもあるし新しい軟鋼もあるが、クラックでもとれるから問題なし。
   コケもなく快適なピッチ。
3P:大ツルムに走るクラックを登る。
   隊長の番だが、喜んでトップを譲ってくれる。
   クラック自体は簡単なのだが、腰回りのハーケンのせいか、なんなのか、
   えらく体が重くて緊張する。
   こんなところでビビッていては、なんのために名張に行ってるのか、全然
      値打ちがないではないか・・・なんて心中ぼやきながら登る。
   脆いハング下を左に抜けて、カンテに出ると海と北海道が見える。
   フィストからハンドサイズのクラックを登って大テラスへ。
4P:左へ回り込み、チムニー状を登って大ツルムの頭の一角へ。
   ここから見る西稜は堂々として量感があって、CJに“アンギラスの背”と
   書いてある、四角く大きな岩が不安定な姿で突き出したように乗っかって
   いる。
   西稜といい、この大ツルムといい、日本の岩場というより、ヨーロッパみた
   いな感じだ。
5P:コルへ15メートルの懸垂。
6P:ブッシュを歩き、向かいの垂壁へ。
7P:A1のピッチだが、出だしからやや難しい。
   エイリアンの人工で1ピン目のハーケンを目指す。
   途中から左にボルトが見えるが、どう見ても右が易しくフリーになる。
   岩がユルユルのところもあり、カムをかます気になれず、ややランナウト。
8P:到着した隊長が、ハーケンを打って登れ!と言う。
   打ちなれないので、つい億劫になってしまうのだ。
   隊長がビレイ点を補強するが、先のラインがよくわからない。
   すぐ左に見えるボルトラダー?に合流し、数メートル上のビレイ点へ。
9P:トップを違えることより、お風呂に間に合わない心配の方が気になり、
   まだハーケンを打ってのA1がありそうなので、隊長にトップを替わる。
   少しの人工の後、フリーで凹角を左上し、稜線に飛び出す。
10P:簡単な岩登り。大きなテラスで早々にピッチを切るが、ロープが重くなるま
   でいっぱいに伸ばさんか!と注意される。
11P:頂上まで。

温泉めざして懸命に登山道を降りる。
車を飛ばしに飛ばして湯野川温泉に駆け込んだ。
ひと風呂浴びた後、夜の恐山に行こうかと言う提案をお断りして、帰阪の途に
着いた。
                    
                             以上、池野。

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