日程 |
2004年6月5日(土) |
メンバー |
(ARIアルパインクラブ)有持真人、藤川勝人 |
記録 |
(ARIアルパインクラブ)有持真人 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
有持です。
グリズリーに行って来ました。しかし、やはり支点がボロボロでフリーのリード
で突っ込む事はで来ませんでした。第2ハング、第3ハング、洞穴ハングは藤川が
人工でリードしてくれたのでフォローで楽しむ事ができました。
梅雨入り前の快晴の中、素晴らしいアルパインフリーを楽しめました。
<日程> 2004年6月5日(土)快晴
<場所> 谷川岳/一ノ倉沢/衝立岩/グリズリー(雲稜第一のフリー)
<メンバー> ARIアルパインクラブ/有持真人、藤川勝人
<行動>
一ノ倉沢出合(04:50)〜取付(06:25)〜衝立の頭(12:00/12:25)〜
中央稜下降〜一ノ倉沢出合(14:50)
<記録>
深夜に一ノ倉沢出合に到着。ゲートオープンの最初の週末とあって駐車場は
ほとんど車で一杯だ。数時間仮眠して出発。出合の雪渓はいつもの年よりかな
り後退していて、最初は左の巻き道を通らなければならない。
少し出発が遅れたらもうテールリッジはクライマーで一杯。ほとんどが南稜と
中央稜に向かうようだ。
中央稜の基部で準備をして取付へ向かってトラバースして登攀開始。雲稜第
一は人工で数回登っているのでライン取りには問題ないが、年々残置支点の腐
食が進んでいるのでどうなっているかが一番心配だ。
下記はデシマルグレードのピッチのみで私が登って感じた記録です。
今回は荷物はフォールバックで荷揚げし、リードは11mmザイルをシングルで
使用しました。
リードにあたって、ハーケン各種、ハンマー、エイリアン、キャメロットを装備した
ため、このグレードを登るには少し重く感じた。
2p 5.11d リード
第一ハングの下部の左側にあるシュリンゲを目指して登り、ここから右へトラ
バース。途中にハンガーが1本あり第一ハングへアタックを開始する。ここまで
は浮き石はあるが快適なフリー。
ハングの下部は浸みだしで濡れている。下から見ただけでも信用できる残置
支点は皆無である。まぁ、行けるとこまで行こうと登りはじめる。早速、つかんだ
ガバが多きな浮き石で落ちそうになったが何とか踏ん張る。
第1ハングに取り付いて1/3登った所でリングの飛んだボルトにタイオフした
年代物の3mmシュリンゲに遭遇。左上には以前に登った時にはハンガーがあ
ったが取れてしまっていて使用できない。3mmシュリンゲの上はこれまた変色
した長いシュリンゲが垂れ下がっている。その上もさびたハーケンにシュリンゲ
のタイオフ。
一度チャレンジしたが、これで墜落したら支点が全部抜けるのは確実なので
途中で思い直してアブミを出す事にした。ハングの4ポイントでアブミを使い、
ハングを抜けてからフリーでビレーポイントまで登った。
3p 5.11c フォロー
藤川が人工でリード。残置支点は相変わらずの状況だ。藤川が第2ハングでア
ングルが1本抜けて危うく墜落しそうになった。
ビレーポイントから直上し、アンダークラックをトラバースしながら右上していく。
タイオフシュリンゲを微妙なバランスで片手で外すのには苦労した。
第2ハング下までは比較的快適なフリー。第2ハングはそれほど前傾していない
がホールドが小さい。タイオフシュリンゲを外していて腕力が消耗していてハング越
えで2テンション入ってしまう。
4p 5.10d リード
出だしから腐ったハーケンで小ハングでに浅打ち軟鉄ハーケンがあり、その上に
アングルが見えた。アングルまでフリーで頑張れば何とかなるだろうと思ったが、以
外とムーブが悪そうなのでアブミに切り替えたが、それが仇となってしまう。
軟鉄ハーケンからアングルにアブミに乗った所、しっかり効いているように見えた
アングルが抜けて墜落、なんてこったい!!信用していなかった超浅打ちの軟鉄ハ
ーケンのタイオフで停止。これが抜けていたらビレーポイントの遙か下で宙づりだっ
た。冷や汗タラタラ。軟鉄くんありがとう!!
その後、アングルの抜けた跡にエイリアンを入れて、3ポイントアブミを使って小ハ
ングを越えた。後はフリーになり、左にトラバースし残置支点の少ないコーナーを登
ったらビレーポイントに到着。コーナーは残置が少ないので人工ならチョット辛いだ
ろう。
5p 5.11a フォロー
第3ハングも藤川が人工でリード。残置支点は相変わらず悪い。私はフォローなの
でフリーで思い切ってチャレンジ。第3ハングは比較的ガバが多く、わりと岩がしっか
りとしているので快適で、それほど苦労する事もなくノーテンションで完登。
しかし、リードとなるとあの残置支点では墜落はできない。
7p 5.11c フォロー
洞穴ハングも藤川が人工でリード。最後の洞穴ハングは一番岩が硬くて適度にガバ
もあってグイグイと登る。最後の抜け口でホールドが細かくなる。抜け口で体の振りを
失敗して1テンション。もう少し慎重にやれば良かった。ここまで登ってくるとさすがに
前腕も疲れてくる。
その後は衝立の頭まで登り藤川と堅い握手を交わす。第2、第3、洞穴ハングを人
工でリードしてくれた藤川に感謝。
現在のグリズリーは、全体を通して残置ピトンの腐食が激しいのであの支点で5.11
クラスをリードして登るのはやはり命がけになります。タイオフシュリンゲを使う事も多く
、厳しいムーブでシュリンゲをセットしながらノーテンションでのリードは不可能でしょう。
しかし、もし、ゲレンデ並の支点に整備することができれば、素晴らしいアルパインフリ
ーのルートとなる事でしょう。自分で支点を整備してレッドポイントで完登できればなと
も思いますが、場所が場所だけに、危険も伴うし、ルート全部に適正な間隔でハンガー
をセットするのはかなりの手間と時間がかかりそうですね。
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