石楠花尾根

日程
2004年3月6日(土)〜7日(日)
メンバー
(遠峰山岳会)稲葉、(宇都宮渓嶺会)北村、谷島
記録
(遠峰山岳会)稲葉
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


こんばんわ、遠峰の稲葉です。
6、7日に石楠花尾根を登ってきました。

★ノコ沢大氷柱に取り付いていたのは清野さん達のパ−ティですね。
展望台までラッセル助かりました。ありがとうございます。

以下、長文ですが、ご参考になれば幸いです。

<日程> 2004年3月6日(土)〜7日(日)
<場所> 谷川岳/幽ノ沢・石楠花尾根
<パーティ> 北村、谷島(宇都宮渓嶺会)、稲葉(遠峰山岳会)
<行動>
5日;宇都宮市富屋市民センタ−(21:30)⇒谷川ロ−プウェ−駐車場(1:00)6
Fロビ−泊
6日;登山指導センタ−(4:00)〜幽ノ沢出合(5:40)〜尾根取付き(7:50)・・・
登攀開始(9:10)・・・小コル懸垂(13:00)
   ・・・登攀終了(15:50)〜堅炭尾根(17:10)〜K峰末端1500m地点(18:00)
7日;B.P(7:30)〜芝倉沢出合(9:00)〜土合橋(11:00)⇒帰宅
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【3月6日 曇り後雪 −5℃】
 3時起床。外に出ると星が消えて高曇りになっていた。車に戻り準備してエレベ−
タ−で出発。変なスタ−トだ。
指導センタ−に寄って計画書を出す。ほとんど一ノ倉パ−ティ−しか見つからなかっ
た。
トレ−スのおかげで順調に一ノ倉出合へ。そこからも幽の沢へトレ−スが続いてい
た。
冬の幽の沢に初めて入る。いつもながら夏と冬の景観の違いに圧倒される。自然の力
はスゴイな〜。
ノコ沢でトレ−スと別れ我々は左の雪稜に渡る。あとでわかったがトレ−スの正体は
ノコ沢氷柱パ−ティ−でした。
北村さんのぺ−スが早く左足のふくらはぎが悲鳴をあげてきた。小雪が舞い始める。
とうとう来たか。
ガイドで1P目の取り付きに到着。右奥にノコ沢氷柱が見える。おぉ−凄いな!3人
パ−ティ−が登攀準備をしている。
もう少し先でロ−プを、と思い登り始めたが・・・失敗だった。胸を突くブッシュ登り
は結構ヤバかった。
谷島さんも足がツルらしく遅れがちになる。20mガリ−もフリ−で登り小ピ−ク手
前の雪壁が出てきた。
ウオッ!おっかないな−。左はすっぱり切れて高度感万点だ。しかし、ここでもザッ
クを下ろせない感じなので
さらに登り、雪壁にバケツを掘ってハ−ネスを装着、ホッとする。さらに、やや太い
潅木でセルフをとる。

●1P目(※ガイドでは4P目)
ココからは北村さん全リ−ド。いきなり嫌らしい草付きで痩せてるうえに潅木が指ほ
ども無い。プロテクションが泣ける。
見えなくなってからコ−ルが懸かり、セカンドで私が続く。微妙なム−ブの個所は
凍った泥を手がかりに登る。
ビレイ点はうれしい腿ほどの太い潅木。左に蒼氷のV字状岸壁が見える。
●2P目
ピ−ク状を越えるとロ−プがしばらく止まる。いやですね−。
なるほどピ−クを越えるとナイフリッジが現れる。登りはまだしも下りは恐ろしくて
馬乗り。
このピッチで北村さんがバイルを落としたらしく、左の草付きに引っかかっていた。
回収は断念した・・・。
北村さんは良く見ると馬乗りでビレイしていた。とても3人は無理なので先に北村さ
んに懸垂してもらう。
8m懸垂と書いてあるが、もっと短い気がする。ノコ沢側に振られそうになる。降り
たところも不安定。
コルより北村さんがピナクル肩に先行。私が谷島さんを確保。写真を撮ったらカッコ
いいだろうが余裕が無い。
●3P目
肩の岩にハ−ケンを一本打ってスタンディングアックスビレイ。左に回りこみながら
ピナクル直上。
このピッチも潅木だよりの嫌らしいピッチだった。ピナクルからは延々ナイフエッ
ジ。北村さんは馬乗りビレイ。
ビレイ点もスノ−バ−が頼り。それにスノ−ボラ−ドを作りに馬乗りでセカンドビレ
イ。
高度感満点でV字左ル−トの氷柱?と右ル−トの左上ランペが手に届く所に見えて素
晴らしい。
上部にノコ沢パ−ティ−が堅炭尾根への雪壁をコンテで登っていた。
●4P目
スタンディングアックスビレイ。すごい緊張した。落ちないで北村さん。
本日、メインディッシュのナイフエッジである。ピッケルで崩しながら慎重に進む。
中間支点を1個所とった。下りはやっぱり馬乗りになる。勇ましい姿ではないが、こ
れ以外は無理ッス。
北村さんのところまで来て振り返ると恐ろしいものを見てしまった。雪尻上を歩いて
いるのだ。
どう見てもポッキリ倒れそうなヤツだ。出来るだけ左よりに歩くよう谷島さんに声を
かける。
リッジ自体長かったが雪が堅く締まっており2P目のリッジの方が雪が軟らかく嫌ら
しかった。
●5P目
スタンディングアックスビレイ。最終ピッチである。
V字右ル−ト終了点の岩峰を乗越し雪壁に到達した。緊張から開放された瞬間だっ
た。
堅炭尾根直下にもクレパスがあって最後に来てまでヒヤヒヤさせられた。風雪激しく
なる。

 ザイルを解いてベ−タルンゼ下降点を探すが、風雪で視界が悪く気持ちも焦って来
て分からない。
結局、降りすぎたらしくK稜末端近くまで降りてしまいビバ−ク点を探す。貧雪で雪
洞が掘れず斜面を切出す。
3人でのツェルトは、とても狭かったが完登の喜びにツライ一夜を乗り切った。
【3月7日 風雪 −8℃】
 6:00起床。20〜30cmの積雪。下降は芝倉沢をとる。出来るだけ尾根よりを
下る。
途中、神に祈りながらのトラバ−スを何度か繰り返す。泳ぐようなところもあり心ば
かり焦ってしまう。
芝倉沢出合に到着。急に腹が減ってきた。林道は分からなくなっていたので紅芝寮を
目指して歩く。
一ノ倉沢合流点辺りからスノ−シュ−軍団にたくさんすれちがった。安堵の気持ちが
湧いくる。
帰りは湯テルメによって全身解凍して帰路についた。

#明日から春の陽気らしいですね、週末の谷川が心配です。

ではでは。

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