日程 |
2004年1月17日(土) |
メンバー |
(G登攀クラブ)鈴木、(YCC)一村 |
記録 |
(G登攀クラブ)鈴木 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
鈴木@G登攀です。
土曜日に谷川に入っておりました。長文で恐縮ですがご報告いたします。
2004年1月17日
一ノ倉沢烏帽子奥壁 正面ルンゼダイレクト
一村(YCC)&鈴木(G登攀)
実はこのルート、昨シーズン、トライしているパーティを見て初めて、その存在
を知ったようなルートなのだが、そのとき見た、ルート下部のベルグラ帯はとて
も魅力的できれいなラインだった。
一村さんと、「じゃ、行ってみようか」という話になり、正月に入山した時は、暖
かすぎたためか下部の氷の状態が悪く、このルートには取り付けず、南稜フラ
ンケダイレクトに転戦した。しかし今週はありがたいことに、高曇り低温という絶
好のコンディションに恵まれることができた。日ごろのオコナイがいいのかな?
出合に着いたのは5時前。衝立スラブからテールリッジに上がり、中央稜の基
部を経由して取付へ。取付は変チのすぐ右隣。顕著な氷が垂れている。カムで
ビレー点をつくり、8時、登攀開始。
1p目、左側から回り込むようにしてベルグラと草付を登ると、テラス状になる。
残置ビレー点があり、ランナーが取ることができた。さて、という感じで正面の薄
い氷に取り付く。岩を叩かぬよう神経を使いながら登り、少し氷の厚いところで
短いスクリューを入れてみるが、クルクルッという感じで抵抗もなく入ってしまっ
た。思ったより傾斜は急で、一部垂直に近い。しばらく登るとやや傾斜は落ち、
氷質もだいぶ良くなった。ルンゼ内の雪壁に這い上がり、右壁のビレー点でビ
レー。50m。
2p目、ルンゼ内の氷雪壁から洞穴右の氷を登り、左壁の細かいフェースを越
えて一旦ルンゼから脱出、変チに合流(チムニー上のピッチ)。浅くなったルンゼ
を右に横断し、中央カンテのビレー点でビレー。60m。
実は当初私は、「最初の氷だけ登れれば、後は中央カンテに合流でもいいや」
などと、超軟弱なことを考えていたのだが(ナサケナイ)、一村さんにそんな気は
サラサラなさそうだ。「このまま登っちゃいます?」「当然だろ〜」。
3p目、中央カンテのチムニーの左にある狭いルンゼを登る。ルンゼのノドのよ
うになった部分を、右側のカンテ状から越えるが、このピッチ、難しいのはこの部
分だけで、残りは雪壁と草付。概ねらくちんなピッチであった。45m。
4p目、草つき混じりの悪そうなフェースから、被った凹角を3ポイント程の人工
で。この部分、リスそのものはしっかりしていたものの、残置はことごとく腐ってお
り、「あそこのピトン、蹴っ飛ばしただけで折れたぞ」。凹角の抜け口はとても悪そ
うだった。その後、帯状のハング下を左上、ハングの切れ目でビレー、40m。こ
のピッチのみ、フォローはユマーリングでピトンを回収。
5P目、ビレー点から一歩左に出て、スラブの凹状部に張り付いた草付を、ダブ
ルアックスで。これが草付じゃなくて氷だったらかっこよかったのになあ。残置ビレ
ー点でランナーを取り、その真上の垂直の草付を登る。この部分、ダブルアック
スで登れる草付に、安易に逃げてしまったが、正規ラインは多分もっと左だろう。
逃げたつもりの草付だったが、傾斜もある上難しく、たいへん恐ろしかった。最後
に少しミックスを登り、ビレー点へ。ディレッティシマに合流した。40m。
6P目、垂壁下の草付交じりの凹状部から中央カンテの最終ピッチに合流。終
了点へ。35m。登攀終了17時。日没直前だった。
中央カンテを2P懸垂し、四畳半テラスの下から正面ルンゼに振り、計7Pの懸
垂で取付へ。あとは来た道をそのままたどり、下山した。
正面ルンゼダイレクトは、烏帽子奥壁をまっすぐに突き上げる、合理的でとて
も素晴らしいルートでした。ビレー点も、概ねしっかりしています。ただ、下部の氷
は気温が高い時には取り付かない方が無難だと思います。
今のところ、大氷柱の発達は今ひとつ、といったところでしょうか。下部と上部
は氷が張っていますが、変チ横の垂壁とその上は未発達でした。
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