錫杖岳/北沢大滝〜本峰フェース「見張り塔からずっと(All along The Watchtower)」
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日程 |
2002年10月12日(土)〜13日(日) |
メンバー |
(岐阜ケルン山岳会)石際淳、(信州大学山岳会)横山勝丘 |
記録 |
(岐阜ケルン山岳会)石際淳 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
石際@岐阜ケルンです
10月の連休に信州大学山岳会の横山勝丘さん(体臭のカーニバルの
開拓者)と錫杖岳に頂上へ抜けるライトなオールフリーのルート開拓を
しました
北沢大滝から本峰フェースに抜けるこのラインは以前から目をつけてい
たのですが,本峰フェース部が難しそうでメンバー等条件がそろうのを
待って今回まで登らなかったものです
結果的にはそれほど難しくなく快適なルートになってしまいました
以下概要を報告します(長文ですみません)
ルート図
★ http://www.gifu-u.ac.jp/~ishigiwa/kiroku61m.jpg
写真等詳細
★ http://www.gifu-u.ac.jp/~ishigiwa/kiroku61.html
錫杖岳北沢大滝〜本峰フェース「見張り塔からずっと
(All along The Watchtower)」5.8or9
2002.10.12〜13
錫杖岳北沢大滝から本峰フェースに繋げ,直接錫杖岳頂上に突き上げる
11ピッチ,オールフリーのルートを開拓した。
北沢大滝は快適なスラブを駆け上がり(5.4〜5.7)中央稜上部に出て,
本峰フェース右の大洞穴左壁に走る左上クラック(5.8)から特徴あるタ
ワー状のハング下を回り込み(5.8 poor pro.)大テラス。
草付ルンゼを本峰(遠目にもクラックがきれいに入っているのが見える)
に向かって詰め,最後15mほどの快適なクラック(5.7)を抜けると頂上
の岩峰上に出た。
下部岩壁から頂上に無理のないラインで駆け上がるすっきりしたルートで,
烏帽子岩を含め大変見晴らしのよいルートである。
本峰フェースはビレーアンカーを除き完全ナチュラルプロテクションで登り,
また,大滝のハンガーボルト以外のすべてのプロテクションを回収した。
再登される方はビレーアンカー以外の残置は避けていただきたい。
なお,大滝自体の落石の危険はそれほどないと思われるが,北沢フラン
ケ,中央稜上部,烏帽子岩方面にクライマーがいる場合は人為落石に
注意を要する。また,7,8ピッチは時期により濡れている場合があり,
その場合難度が上がると思われる。
下降は南尾根を経て牧南沢を下降するか,北尾根を経て2100mコルから
クリヤ谷へ下降する。前者は本峰フェースなどの眺めが素晴らしい。後者は
薮漕ぎに終止するが危険個所がないので夜間,荒天時にはよいと思われる。
参考ギア
キャメロット3番まで1セット,エイリアン緑,黄,赤各1個,ロックス1セット,
ナイフブレード4枚,ロストアロー2〜3本,アングル1本
ルート概要
@北沢を詰め大滝直下で登攀開始。手の切れそうなフレークをカムを噛まし
ながら快適に登りテラスへ。 5.6
Aテラスからハンガーボルトのあるスラブを登り,残置のある凹角(オリジナ
ルライン)右のカンテ状 を直上。ポケットからさらに直上し,階段状スラブを
少しのランナウトで既成ラインへ。5.7
B本流脇のスラブをクラックにカムを噛ませその右よりから登りガレ場から
階段状スラブを登る。 5.9(1手)
時間がない人はスラブ左の階段状からガレ場へ。5・4
Cチョックストーン滝手前左壁のクラックから凹角を登り,大滝を抜け,上部
スラブにロープを伸ばす。5.6
D中央稜に向け傾斜のないスラブを自由に登る。5.4
Eさらに傾斜のないスラブを1ピッチで中央稜上部へ。2級
コンテで中央稜を乗越し右俣沢上部をトラバースするか,または中央稜を最
上部まで登り笹の薮漕ぎで大洞穴下へ。
F大洞穴左の黒い前傾壁をカムを噛ましながら登り,松ノ木から上部のクラ
ックを快適に登る。取付きは濡れていることが多いのでスリップに注意。クラ
ックはスタンスが多く易しい。5.8
G大テラスからクラックの豊富な凹角を登り,外傾スタンスから高度感のある
トラバースでフェースに出て左上しハング上の見晴台へ。5.8
フェース部はプロテクションを取れる場所が限られるので注意。
なお,横山はハング下のクラックをフィンガーレイバックで抜けるラインを最初
試みたが,核心を抜けたところで濡れた苔にスリップして大フォールし諦めた。
クリーニングすれば5.10後半の素晴らしいピッチになるとの感想を持った。
Hスラブを歩いて上部壁基部へ。2級
I基部を右にトラバースし,草付ルンゼを本峰に向かって詰める。5.4
ルンゼ上部には左にすっきりとしたジェードルを持つ岩峰と右にクランク状の
美しいクラックを持つ岩峰が現れるが,右が頂上岩峰である。
Jルンゼを岩峰基部まで詰め,15mほどのすっきりしたクラックを楽しみ,
頂上に到着。5.7
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