日程 |
2002年9月21日(土) |
メンバー |
(京都雪稜クラブ)中川一、(佛教大学ワンゲル)江口航平、(関西岩峰会)大森貴子 |
記録 |
(関西岩峰会)大森貴子 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
有持さま、みなさま、こんにちは。
先日「丸山東壁」の「イリューション82」というルートに
ついて質問させて頂きました大森と申します。
去る20日〜22日の日程でそのルートでアルパイン・デビュ
ーしてきました!
みなさまの様なりりしい「報告」「情報提供」とかは用語とか
も正しく使えないかもしれないので
後日リーダーにおまかせする(!?)ことにしてデビューの身で書
ける報告だけ書かせて頂きますので読み苦しい点多いかと思い
ますがお許し下さいませ。
日 時 9月21日 土曜日
メンバー リーダー 中川一@京都雪稜クラブ
江口航平@佛教大学ワンダーフォーゲル
部
大森貴子@関西岩峰会
「イリューション82」は丸東の南東壁の左の端の1ルンゼの
上の「右俣ルート」と「左俣ルート」の間の「中間壁」にある
10ピッチ310メートルの花崗岩のスラブのルートです。同
じ南東壁では「塚田・小暮ルート」とかが有名らしいです。
フリークライマーの私にとって、マルチピッチの大きい壁を
やるのは初めてで期待と不安でいっぱいの事でした。
ルート・グレードの「V級」とか「W級」とかがデシマル・グ
レードのどのくらいなのかもよく分からない。「古いルートな
んで書いてあるより易しいと思う」と教えて頂いても安心はで
きない。なぜならスラブは苦手で小川山では自分が登れるフェ
イス・ルートのずっと下のグレードでもスラブ・ルートではび
びらされたし。トポに「草付き」と書いてるとこもどんな感じ
かちょっと
想像できないし。フリーのゲレンデとは違って岩がぼろいかも
しれないし、けっこう不安。。。
で、実際は。
小川山とかのスラブとはちがって泣きそうなつるつるとかでは
なく、フリクションのいい寝たでっかい壁でした。草付きも想
像してた「きたない」ものではなく青空にむかって寝たままぐ
ぅーーーんと続くでっかい壁に、所々しょぼい土とともに張り
ついて
いるさわやかな緑をそえるものでした。
駆け登れそう〜! (実際は無理っ!)
今にも上から山羊が草を食べにきそうでした。(実際は現れず
・・)
でもプロテクションをとるにはしょぼかったですが。
ドキドキの1ピッチ目、リーダーにつづいて私が行かせて
もらう事に。
フリーではリードばかりで目の前にロープがあることはほとん
ど無いのに今日はトップロープよろしくロープに吊られてるの
でなんだか安心?
で、つい「あのラインよりこっちの方が楽しそう」と行ったラ
インが。。。
2つ程ピンもあったから同じ視点の方がいたんだと安心してと
りついたのにホールドが乏しくなりスタンスも無いので慣れぬ
フット・ジャムでレイバック状態になり・・うぅっ、きつい
っ、やばいかも〜!?
張ってもらってテンションかけようかなと思うがロープは結構
右上に伸びているので寝た壁上をズベズベスリながら振られる
だろうからやだな。。。と思い、えいやあっとジャムを
効かせている左足を10センチくらい上に効かせ直し(効いて良
かった・ほっ)
上のホールドをつかんで上がりました。ふぅっ・・・
「アルパインは一番易しそうなとこを登らんなぁ」といわれ、
そっか、フリーじゃないんだからあんなことしてたら上まで体
力もたないから「面白そうなライン」を登るのはやめることに
しました。反省。
そうすると登りはとっても簡単になりました。当たり前か。。
。
それでもビレイ点の支点のしょぼい事!! こわぁ〜
ペッツルがある訳もなく、だから「アルパインは落ちたらあか
ん」って言うんだな、と、よくわかりました。
これじゃあクライマーもビレイヤーももろとも。。。みたいや
もんなぁ。。こわぁ〜
振り返ると内蔵助の川までつづく明るく乾いた登ってきたスラ
ブ、川の向こうの樹の茂った斜面のてっぺんの向こうにはちょ
っとはげた高そうなお山。。何山だったのかな?
そして青空! 気持ちいい〜! 楽しい〜!
上部の「快適なスラブ」とトポにあるところに来たので「どう?
リードしてみる?」と言って頂けたのでさせて頂く。わくわく
。
3人なのでロープを結びかえて不安なので多めにギアをもたせ
て頂いていざ出発。
広くきょろきょろしても全然プロテクションとるとこ見当たら
ないので仕方なく根っこに一カ所取って後はビレイ点まで行っ
てしまった。
探しきれなかったのかも知れない、と、しかられるかと思った
ら、実際あんなもんらしい。
ロープ2本ひっぱってのフリーソロみたいなもんなんやなぁ、
と思う。
次もさせて頂くがまたしてもプロテクションとるとこが無くき
ょろきょろしつつ登ってると「あと15メートル〜」と。ええっ?
と思ったらそこはもうビレイ点。
あーあ、ノープロで来ちゃった。しかられるかな?と思ったら
またしてもこれで良かったみたい。
あと2ピッチだ、倒木?のひっかかったようなぐちゃくちゃな易
しそうな壁で終わりなんやなぁ。落石、落木注意って感じかな
、と
思って上を見上げてたらセカンドの江口さんに続いて登ってき
たリーダー中川さんが「良かった〜終わった〜!」「良かった
な」「よう登ったな」と、ニコニコ。。。
・・・へっ!?うそぉ・・・上はぁ?
上は汚いし懸垂下降するときいろいろ落としてあぶないからこ
こで実質終了とのこと。
うぅ〜ん〜先に聞いときたかった。「まだ登りたい〜!」「登
り足りない〜!」とだだをこねる。
なんだか拍子抜け。ま、終わった、らしい。と、納得。
リーダーは喜んでらっしゃるようだったけど私はこれから安全
に何ピッチもの懸垂をしなくちゃいけないんだと思うと緊張す
る。こんなに繰り返し懸垂するのは初めてだ。
しかもあの支点で?
1番に下りた中川さんが、続く私たちがちゃんと降りてロープ
回収できるのを確認してからはその間に全ての支点を補強して
いって下さった。岩にキリみたいなんで穴あけてリングボルト
を造るのは男性でも力がいる作業みたいだった。でもここの岩
はとても柔らかく楽ちんらしいです。
フリーではめったと残置はすること無いけどアルパインではた
くさん置いてくる
事になるんだと思った。スリングは消耗品なんだ。なんかちょ
っともったいな〜
とか思ってしまうけど、安全のためには必要みたい。
みみっちぃ事を言ってたらあかんねんやと勉強になった。
支点の整備とかがあるから登りだけでなく下降も思ってた以上
に時間のかかる作業なのがわかった。
こうして3人無事取り付きに降りて来ることができ、やっと少
しほっとした。
でもまだテントまで帰らないといけないし(今気を抜いてずっ
こけて川に落ちたらいけないし・・・)
次の日もダムのとこまで登らないといけない(今気を抜いてね
んざでもしたら大変だし・・・)ので
本当にほっとしたのはトロリーバスに乗った時でした。
ばんざーい!!!
こうしてチャンス、天候、メンバーに恵まれ、恵まれたアルパ
イン・デビューをする事ができ、感謝です。
このACMLにはいつもりりしい報告や役立つ情報が載ってる
ので、こんなんで出すのは気が引けたのですが、デビューやし
出したらとリーダーや有持さんにも言って頂いたのでお言葉に
甘えて
出させて頂きました。
失礼致しました。ありがとうございました。
またいろいろ学んで成長してみなさんと同じ楽しみを共有して
いけれたらいいなと思います。
ありがとうございました。
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