＜山　行　記　録＞

花谷＠信州大学山岳会OBです。

黒部横断に行ってきましたので、簡単に報告します。

日時　　　　4月12日〜19日
ルート　　　五竜岳〜S字峡〜ガンドウ尾根支稜〜剱岳〜馬場島
メンバー　 花谷泰広　大木信介（ともに信州大学山岳会OB)

なお、複数のMLに同文で投稿していますので、重複して受け取られる方、申し訳あり 
ません。

長文だと読むのも書くのも大変ですから、ここでは概略だけまとめます。
詳しくは、僕のホームページをご覧ください。
写真つきでアップしています。

また、黒部や剣周辺の写真をたくさんアップしておいたので、G.Wにこの方面に行かれ 
る方は参考にしてください。

4月11日
夕方松本に集まって準備。今回のパートナーは大木だ。彼がほとんどの準備をしてく 
れたので、あっという間に終わってしまった。夜は「西蔵」で盛り上がる。最近この 
パターンが多くなった。

4月12日
06:30　松本　出発
10:00　ごろまでスキー場にて天候待ち
10:45　ゴンドラ山頂駅　出発
14:40　西遠見山付近　T.S

白馬村では朝、下界でも雪がまっていた。すぐに雨に変わったため、天候待ちをして 
から入山。軟弱にもゴンドラを使ってしまった。
遠見尾根は風が強かったが、天気はよかった。しかし、山は厚い雲の中だった。

前日鹿島槍北壁中央ルンゼを初滑降した新井さんのものと思われる、スキーの跡があ 
った。

4月13日
05:30　出発
08:20　五竜岳
14:30　1771m三角点付近T.S

五竜の東面、鹿島の北面を観察する。まだ登れそうな感じだったが、1週間でずいぶん 
状況が変わったみたいですね。
五竜の頂上から雪が降り始める。東谷尾根はたまに微妙なところがあり、緊張する。 
視界が利かなかったので、現在地の把握に苦労した。

4月14日
05:00　出発
10:30　S字峡
14:35　ガンドウ尾根上1400m付近T.S

1500mくらいから下はほとんど雪がなかった。藪こぎだ。熊の糞もあって怖い。尾根の 
末端の鉄塔から南側に下降。途中、懸垂を2回。
橋を渡ってガンドウ尾根支稜へ。ここも最初は急斜面の藪こぎでやらしい。100mくら 
い登ったらだいぶん傾斜も落ちて楽になった。1100mくらいから尾根が痩せてくるが、 
尾根上の雪はどれも崩落寸前。緊張する。
1400mくらいでテントを張る。

4月15日
05:00　出発
12:00　ガンドウ尾根支稜終了
15:15　仙人池T.S

1日中ロープを出していた。特にガンドウ尾根支稜の上部が悪く、苦労した。上部はク 
レバスが縦横無尽に入ってるため、雪にルートが取れないこともあった。ブッシュで 
ランナーを取りながら進む。本稜とぶつかってからは、あまりにも暑かったので苦労 
した。この日は30℃を超えたところがあったそうな…
気が抜けない1日で疲れた。ここにも熊の足跡があり、怖かった。
汗でインナーはぐっしょり濡れてしまった。

4月16日
沈殿。温暖前線に伴う雨。ブロックをたてたが、1日で解けてしまう。寝る前に新しい 
テン場を作り、移動。

4月17日
沈殿。6時まで寝る。
朝食後7時半くらいから大雨。とにかくすごい雨だ。これは寒冷全線による雨。テント 
が壊れそうだった。

4月18日
05:20　出発
07:35　池の平山
09:00　小窓
天気もよく、早月小屋あたりまで行けたらと思い出発。池の平山の斜面の雪はよく締 
まっておりアイゼンが気持ちいいくらいにきく。懸垂4ピッチで小窓に下りる。しかし 
小窓でホワイトアウトにつかまってしまう。ぜんぜんルートが分からなくなってしま 
ったので、行動打ちきり。初心者同士だと判断が難しい。自信がないときは動かない 
ようにした。

4月19日
04:55　出発
07:40　三の窓
09:20　剱岳山頂
14:20　馬場島

一気に下山。
この標高だと雪が少ないと言う感じはない。去年と変わらないか、それ以上の雪だと 
思う。
早月小屋からは約1時間で馬場島に下りることができた。雪だとやっぱり早い。
馬場島の道はこの日に全線開通した。

2人とも黒部の横断は初めてだった。
横断の入門ルートであろうルートを選択していったが、とても充実していた。
今となっては八つ峰に行ったほうがよかったんじゃないかとか思うが、これは今後の 
自分の目標にしよう。

積雪の状況ですが、
県警の人の話だと、2000m以下での雪解けは例年より早く、それ以上のところはあんま 
り変わらないのことです。
僕の印象だと、1500m以下からぱったりとなくなってしまったという感じです。
剣沢の川が、去年のG.Wよりも出ているような気がします。
剣尾根のR4は今年は怪しいかもしれません。（去年はそう言われながら登れたので、 
なんとも言えません。）
小窓雪渓にはあまりデブリが出ていませんでした。
去年は三の窓雪渓なんてデブリだらけでしたから、これから落ちるのだと思います。

以上、長くなりました。