奥穂高岳/ジャンダルム/飛騨尾根

日程
2002年4月12日(金)〜13日(土)
メンバー
(沼田山岳会、北大山の会)清野啓介、(北大山の会)米山悟
記録
(沼田山岳会、北大山の会)清野啓介
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


みなさん今晩は、清野@沼田山岳会、北大山の会です.

4月12、13日でジャンダルム飛騨尾根に行って来ましたので報告します.

 
 日程   4月12〜13日 

 ルート  ジャンダルム飛騨尾根【白出大滝〜δルンゼ〜D稜〜C稜(飛騨尾根)
                           〜天狗コル〜天狗沢下降】
 メンバー 清野 啓介 沼田山岳会、北大山の会
      米山 悟  北大山の会

 
  ジャンダルム飛騨尾根を末端からトレース、下山は天狗沢をシリセードで快適に
 下山しようと計画しましたが、結果は時間切れと悪天でC稜取り付きで中退してき
 ました.13日は寒気が入り込み雷の恐れ在りとの予報でチョットばかり腰が退けて、
 小雪が舞いだしたのを理由に下山してきましたが、気温は1日中低く尾根もルンゼ
 もカリカリで突っ込んでいたら核心部、主稜線、天狗沢の下降と相当しんどいおも
 いをしたでしょうから中退で正解!リベンジを狙います.
  条件が良ければ新穂高からのOne Dayは十分可能.戦前の山崎安治の記録に「凍っ
 た滝を腰をついて下った」と言う天狗沢の氷瀑も確認できました.しかしこれが溶
 けると、下降は天狗のピークを越えて西穂沢の方が安全ではないかと思います.


  記録は米山のAACH-MLを転記します.

1984入部の米山です。沼田の清野さん (1976年入部)と、穂高連峰のジャンダルム
飛騨尾根を登りに行きましたが、天気が悪く引き返しました。以下記録です。

ジャンダルム
●2002年4月・飛騨尾根
ジャンダルムは独立峰では無いが、白出二股から延々飛騨尾根を登ってピークに至る
今回のような山行では、一つの価値ある頂として数えよう。ジャンダルムの西に延び
る階段状の岩稜は、奥穂の山頂から見て高校生の頃から知っていたが、残雪季には快
適な岩ルートであることを知ったのはずっと後だ。残雪季のビッグルート研究にかけ
てはネンキの入ってる、沼田の清野さんの立案でいよいよ挑戦の運びとなる。

一日目は仕事の都合で遅くなり、松本で落ち合い、新穂高温泉の林道を進み、暗くなっ
たころ穂高平の小屋に投宿する。古いが板張りの小ぎれいな小屋だ。山ボーダーと山
スキーヤーが二人、さらに遅れてやってきた。でこぼこの硬いデブリだらけで穴毛谷
を諦めて来たという。

朝は早くに出発、満天の星。気温は低く2度くらい。潜らないので快適に進む。白出
二股からしばらくは左岸の見事な針葉樹林を登る。今日の予報は、上空5000mにマイ
ナス24度の寒気団があるので、暖かい地表との温度差で午後不安定になり、飛騨地方
で雷雨のおそれありとあった。適当な所から沢に降りると延々硬いデブリの山。先週
の暖かい気候でジャンジャン落ちたようだ。

視界が利くのでルートがよく見える。ジャンダルムの飛騨尾根、T1,T2,T3と下る岩峰
はC稜に降りるがC稜末端は崖になっていて取り付けない。その北隣のD稜が、
白出沢左岸に一番下まで延びているのでこれを使い、C,D間の沢のゴルジュが切れた
標高2700mあたりでC尾根にトラバースして取り付くという算段。

そのD稜末端の取り付きはタンネの密な急斜面なのでさらに白出沢を詰め、白出大
滝を右岸からまいて超えた上からルンゼを使ってD稜側面に上がる。これが雪崩に
磨き抜かれたカキンカキンの急斜面で高度は稼げるが息が切れる。高度感、傾斜感も
結構なもの。尾根上の針葉樹林が抜けたあたりでやっと腰を下ろせる傾斜になるが、
前爪登りが続いたので結構くたびれている。最後のダケカンバ疎林を越え、C尾根へ
のトラバースを見込んで右の谷をのぞき込むが、エラい高度感で怖い。D稜上部の
岩稜帯が始まる間際あたりでやっとトラバース出来そうな様子になるが、とうとう不
安定そうなガスがT2あたりにかかりはじめた。涸沢岳はすでにガスの中だ。C稜へ
のトラバースをはじめ、高度感の結構あるルンゼを半分ほど行ったところで小尾根に
さしかかる。雪質が結構嫌らしくなったのを潮時に、引き返すことにする。天候がも
う少し持てばとここまで登ってきたが、次回への良い偵察になった。
下りは傾斜もきついのでバックステップ多し。D稜は尾根上を降りた。後半は小雪
が舞い始めた。引き返して良かった。今日の雪ではシリセードも怖くて出来ないので
一瞬の下山も見込めないし。針葉樹林に降る小雪の美しさに見惚れて林道にたどり着
けば、いつのまにか雨。急ぎ帰って新穂高温泉バスターミナル横の無料温泉に浸かり、
松本に戻ると青空。でも穂高連峰一帯は鼠色の雲の中だった。また宿題が増えてしまっ
た。

3月12日:新穂高温泉(17:30)→穂高平避難小屋(18:30)
3月13日:穂高平避難小屋(4:45)→白出沢出会い(5:45)→白出大滝(7:45)D尾根の針葉
樹林限界(9:30)→D尾根標高2700m・C尾根への虎バース地点引き返し(11:00)→白出
沢出会い(13:30)→穂高平小屋(14:20〜30)→新穂高温泉(15:00)

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