日程 |
2002年3月2日(土) |
メンバー |
(大阪ぽっぽ会)宮本 |
記録 |
(大阪ぽっぽ会)宮本 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
皆さんこばんわ。
大阪労山 ぽっぽ会の宮本です。
甲斐駒アイスクライミングの報告をおおくりします遅くて長くてすみません。
3月に入って2日間も春雨にみまわれると2000m以下の氷瀑は全滅とも思われるが、
この週末は冬型となるらしい。シーズン最後のチャンスと一人で戸台へ向かった。目
的は七丈ノ滝沢氷瀑(日本最大級?)の単独登攀。恐ろしくて夜も眠れぬ思いである
が大峰、八ヶ岳と同じことがここでできないとも思えない。
3月2日冷え込みは期待程でなく、七丈の滝沢F1は氷無く、大氷瀑上部中央は穴が
あき、近づいてみると滝の流水に弾丸のような落石落氷に愕然、急いで逃げた。 左
に目をやれば象の鼻氷瀑?を登攀中の2人パーティーがあり、この氷を登るとは鉄の
魂と感心。その後入山者無く、本谷左側の氷瀑は日光を受け全滅と言ってよく。本谷
をつめ五丈の滝F1、F2につき当たる。フリーで越せなくもないが池ポチャは致命的な
のでビレーをとって登り、回収のためまたおりてリュックをしょって登り返すと結構
しんどい。F2の薄氷に肝を冷やして駒津沢、奥駒津沢にいたるが4級氷瀑では甲斐
駒まで来た甲斐も無く、ビバーク地を探しながら更に奥を詰めるとそこに目にしたの
は北向きの大岩壁(標高2100m)に未だ蒼々と直立する60mの無名滝?だっ
た。上部幅7〜8m下部14〜15mで正味垂直の60mは実に圧巻である。大同心大滝
でも垂直部はせいぜい15m
にすぎない。 七丈であきらめただけに、この滝が目に入ったときは歓喜に震えた。
駒津沢下の岩小屋にビバーク。寝袋もビールもスナックもアタックザックに入らない
ので持つのをやめた。一人ひもじい夜、寒くてポリタンに熱湯を入れポケットへ、−
4、−5℃?の朝3:30起き6:00の登攀開始。期待したほどの冷え込みでもないのだ
が、水のしたたりは止みチンチンのいい氷である。V字スレッドとスクリューで支点
を作り、ソロエイドをつけて各支点にはハーフヒッチで9mmシングルを通しながら
の登攀。落下の衝撃吸収のため縫い目破断式のシュリンゲ(エアーボイジャー?)を
取り付けたが借り物なので落ちれない。50mピッチの撤退のための6mmロープ(予
備)を後にぶら下げ、ビレー側のロープは次の支点までの距離をたるませ、フリー側
のロープも登高するほどに落ちて前進できなくなってしまうため5〜10mを自分の
体へつり上げておく必要があり時折その重なるロープが足に触れては邪魔になりとて
も快適な登攀とはいいがたい。小心者の単独登攀は肩に力が入りすぎ消耗著しく、加
えて手間のかかる支点工作に登り返し(コマーリング)と忙しく、セカンドをビレー
しているような適当な休憩時間がない。じっと休むと気が焦る。こんなときパート
ナーのありがたさが身にしみる。 20m余りでスクリュー(14本)を使いきり、
ピッチを切る。5時間かかって完登を確信した最終3ピッチ目、氷が割れやすく疲れ
た腕が痙攣をはじめ、あと7〜8mを残し完全パンプとなり撤退。クライムダウンに
はあぶら汗をかき、氷柱端部に穴をあけロープを通して(6o側にはビナ1枚余分にか
まして)50m 1ピッチぎりぎりで12:00撤退完了。腕の痙攣から開放されると、あ
と30分休んでいれば完登だったのにとくやみながら今年も短い氷のシーズンが終わっ
た。行きは休憩無しで飛ばしたものの帰りの運転は休んでも休んでもすぐ眠くなる第
2の核心だった。
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