日程
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2002年3月10日(日)
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メンバー
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(クライミング上だクラブ )石田、木内、(東大スキー山岳部)新井、関根
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記録
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(クライミング上だクラブ )石田
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写真
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★ 石田 ★ 関根
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ルート図
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なし
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<山 行 記 録>
念願の谷川岳マチガ沢を滑ってきました。
日程:平成14年3月10日
メンバー:
木内(クライミング上だクラブ:山岳同人 一同心)、石田(クライミング上だクラブ
:山岳同人 一同心) 新井(東大スキー山岳部)、関根(東大スキー山岳部)
コースタイム:
8:00 天神平
11:00 トマ耳
11:45 トマ耳より滑降
12:30 マチガ沢出合
斜面概況:
トマ耳〜東南稜取り付き:45度前後
東南稜取り付き〜3の沢下部の斜面:35〜40度前後
3の沢下部〜1の沢下部の斜面:30〜35度前後
1の沢下部〜マチガ沢出合:30〜20度前後
天候:晴れ
気温:約0度?
風:そよ風〜やや強めの南風
概況:
・8日までに降った新雪はマチガ本谷で、約30〜40cm。日当たり、日陰両方にて
シ ャベルシアーテストによる弱層チェックを行う。9日に有持さん、藤川さんPがオ
キ耳 より滑降し、表層雪崩に遭遇したとのこと、当時結合していなかったと思わ
れる層 は、シャベルテストの結果、肩の力ではがれるくらいのせん断強度になっ
ていた。 9日昼に気温が上がり、一晩すごして冷えて結合が良くなったと思いま
す。層の中に 霜ザラメ雪など、ヤバい積雪は認められなかった。
・国境稜線の雪屁は僕が何度か見た中じゃ小さい方だと思いました。最大で高
さ5m くらいだったと思いました。
・10日も下界で20度ちかくまで上がり、山頂も日射をうけて雪屁などそれなりに
落 ちるかと思われたが、ハデに落ちた形跡はなかった。東尾根のナイフリッジ
の雪屁も まだ落ちてなく、通過にけっこうヒヤヒヤした。
したがって、本谷のデブリはキメが こまかく、どでかいデブリで覆い尽くされてる
という感じではなかった。
・マチガ1の沢〜4の沢からは北面のためまだほとんどデブリが出ていなかった。
・シンセン岩峰 からマチガ沢への崩落は激しく、どでかいデブリで覆われていた。
・昼すぎからスノーシャワーが出はじめたので当時は雪はそれなりに緩んでいた様子。
・シュルントは空いてなかった。
・日の当たらない北面は重めのパウダー。日のあたる斜面はザラメ雪。
報告:
9日夕方、外気温は高い状態で赤城高原ですら 15度。雪は少し緩みすぎかな?
? シュルント開いてないかな???などと考えながら谷川到着。
夜はすっかり飲みすぎ、トイレに1時間篭ったあと、二日酔いの状態で朝を迎える。
7時半にロープウェイに乗り、8時天神平出発。
最近山慣れ???したつもりで、天神尾根とバカにしてた僕が甘かった。
この冬、富 士山の雪訓以来まともに山歩きをしていないのと二日酔いがモロに応
える。トレース がしっかりしていて、坪足でも全然潜らないのに、歩き慣れてない
せいで天狗岩手前 からアイゼンをつけて登る。きつい。ヤベー。他3名を散々待た
せてバテバテのうち に3時間もかかり、どうにかトマ耳に到着。
こんな自分が情けない(汗
こんなんじゃ東尾根なんか絶対無理だ(笑
1時間半で登れるように体力と足腰作り直しておきます(笑
トマ耳からマチガを俯瞰すると、オキ耳から5本くらいスキー滑降のトラックが。
ファンスキーのトラックもあり、有持さん、藤川さんPのトレースと思われる。
トレースから想像するととても気持ち良さそうだったのが伝わってくる。
途中に破断面が顔をだし、表層雪崩のデブリがシュプールを覆い尽くす。
他には4の沢へのエントリーのシュプールも数本確認できた。
木内、新井、関根、僕の4人でどこからドロップするか検討をする。
すると、トマ耳 のすぐ脇、オキ耳よりのところがちょうど雪屁が切れて、エントリーし
やすい地形になっ ている。
出だしの斜度は見た目は60度くらいありそうに見えるが、実際は45度+といった
ところ。
木内さんはアバラ骨の具合が気になるとのことで、木内さんはガレ沢のコルから
のエ ントリーに変更。
新井、石田、関根の順でトマ耳よりドロップする。
新井さん、最初のドロップ。
トマ耳には十数名のギャラリーがおり、喝采を浴びる。 ところが新井さん、出だしの
斜度をものともせず、バーチカルに攻める。当然、すご いスピードで滑降し、喝采の
中、大転倒。板も外れ、もんどりを打ちながら要の滝方 面へ吸い込まれ消えていっ
た。喝采が一瞬のうちに心配の声に変わる。
そして石田と関根さんドロップ。堅実にジャンプターン+深回りで高度を下げ、トマ
耳とオキ耳の間のリッジ下にエスケープ。スラフはさほど出なかった。
下部で新井さんを発見。ツェルトにくるんで出合まで搬送か?!と思ったが、元気そ
うにはしゃぐ彼を見て思わず笑いがでてしまう。
東南稜取り付きで一旦止まり、冬の東南稜を眺めながら、秋の山行を思い出してると
1P目凹角からスノーシャワーが。あまり長居しない方が良いとすぐ滑降。
本谷はデブリがそこそこ出てるのと日射を受けてるので、すぐ4の沢方面へトラバー
ス。こちらは北面ということもあり、重めながらなかなかのパウダー。
同様に3の沢右俣、左俣、2の沢、1の沢と左岸よりにトラバースしながらパウダーを
狙うようにして滑降。
ちょうどその時、上だクラブ尾崎さんから電話。「石田、やりましたよー!!!」と第
一声。尾崎さんの「おめでとう」の声がありがたかったです!
そしてマチガ沢出合。1の沢を降りてきた木内さんと合流し、充実感と達成感のうち
に4人、五体満足で旧道を下山。
マチガ沢はとても楽しいルートですし、毎年滑りたいルートのひとつと思いました。
しかし、雪質はやはりシビアに見ないといけないルートと思いました。
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