一ノ倉沢/二ノ沢/右壁

日程
2002年3月10日(日)
メンバー
(G登攀クラブ)鈴木、(チーム84)寺田、(雲表倶楽部)本間
記録
(G登攀クラブ)鈴木
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


   G登攀クラブの鈴木です。
9、10日で一ノ倉へ入っていました。すみません、長文です。
 蒼氷の西尾さん、ハチヨンの寺田さん、雲表の本間さん、私、とい
う顔ぶれで東京を出発。
   マチガ沢を越えたところで先頭のパーティ(ぶなの会の三浦さん
達だったのでしょうか?)、に追いつきテールリッジまでラッセル。所
により腰近くまで潜り、少々難儀する。
   テールリッジ上は、ブロックが乗っかっているような状態で非常に
恐ろしい。4人で協議の末、敗退することにする。あーあ・・・。
(この時二ノ沢を登っていた二人組は有持さん達だったんですね。)

   ユテルメで温泉に浸かってから私以外の3人は帰京。「このまま帰
るんではあまりにも切なすぎる」。で、私一人で再び指導センターへ。
 センターで晩飯を作りながら、「うーん、どこに行こう・・・」。と考えて
いたら、二ノ沢右壁へ入る予定の二人組がやってきた。一緒にお酒
を飲みながら話をしていたら、「よかったら一緒に来れば?」との願っ
てもいない申し出。「よろしくお願いいたします」、ということで翌日の
予定は棚ボタ的に決定。
 メンバーは滝口 康博さん(雲表)、高橋 早映さん(朋友山岳会)、
そしておまけの私。

 指導センターを10日の2時に出発。二ノ沢へと入ってゆくと、小規
模ながら新しいデブリがいくつも出ている。ラビーネンツークを拾いな
がら快適に下部ルンゼを登り、三俣らしきところから右俣に入る、の
だが、まだ真っ暗なのでどこから右壁に入るのか分からず、本谷右
俣中間稜のわきにバケツを掘り、明るくなるのを待つ。
   5時半、少し明るくなってきたので行動開始。雪壁を右トラバースし、
右壁への入り口を探す。一本ルンゼが落ちてきているのをパスし、も
う一本右の、結構立った氷瀑に滝口さん先頭で取り付く。80度近くは
あるが氷質はいい。下を見るとすごい高度感。ミスったら出合まで一
瞬で帰れそうだ。
 心地よい緊張感で氷瀑を越え、氷雪壁から草付、左にトラバースし
雪壁にでる(「草付にいかないで、左側の氷を登ればよかったな」と滝
口さん)。ここから茜色に染まり始めた雪壁を登ってゆくと、すぐ上に
滝沢リッジが。「ん?」、これで終わり? 滝沢リッジへのトラバースが極
悪だって聞いていたけど・・・。
 6時半(ごろ)、滝沢リッジに抜け出る。氷瀑からここまで、ロープスケ
ールにすると5〜6ピッチぐらいかな。
 滝沢リッジへ抜けるとすぐ、5mぐらいの垂壁が出てくる。これを滝口
さんが巧みなA0でリード。フォローの高橋さんと私は強引なA0。ロープ
を解いて雪壁を登ると再びリッジにでる。ここでJECCの吉川さん達の
先行パーティに追いついた。彼らのビバークサイトでしばしくつろぐ。「癒
されるね〜」と高橋さん。
 ここからは細いリッジがうねうねとドームに向かって伸びている。リッジ
上を先行パーティに続いてしばらく登り、ハイ松が出ていたところで再び
ロープを結ぶ。
   ふと左を見ると、「ん?」左の雪壁はトポで見た二ノ沢右壁の上部雪壁
そっくりだ。おまけに帯状ハングらしき段差まで見える。やっぱり間違えて
いたらしい。
 「山野井も前にあそこ(今回登ったルンゼ)を登ってきてたぞ。あいつも
間違えたんだな」と滝口さん。
 そこから2P、雪稜を滝口さんがリードし、ドームへと続く最後のリッジを
コンテで登るとドーム基部。ここのトラバースは相変わらずおっかない。
特に最後の30mはシェルントも開いており、慎重に進む。
 Aルンゼへの下降点に出ると、「ん?」、懸垂点になにやら見覚えのある
残置ビナが。ちょうど二年前、3スラを登った時、私が残置したカラビナで
はないですか! ちょっぴり嬉しい再会を喜び、Aルンゼへ下降。雪は何
とか落ち着いてくれているようだ。
 そこからラッセル40分、11時に稜線に飛び出す。快晴。殊の外楽しい
登攀だった。

 今回、滝口さんのような経験豊富で実力のあるクライマーと一緒に登れ
たのは、非常にいい経験になった。滝口さん、高橋さん、本当にありがとう
ございました。

 どなたか、二ノ沢右俣分岐付近で右壁から分かれて、滝沢リッジのP3
(多分)付近に突き上げるルンゼの名称、ご存じないでしょうか?

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