鉾岳/四月の風〜カメレオン・比叡山/3峰左方カンテ

日程
2001年9月22日(土)〜23日(日)
メンバー
(福岡/FYK)蜂谷一彦、徳永悦子、福村浩子
記録
(福岡/FYK)蜂谷一彦
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


 蜂谷一彦@福岡(FYK)と申します。

 会の山行で「宮崎の岩」を楽しんできました。
 天気にも恵まれ、充実した2日間でした。

<場所> 宮崎県/雌鉾岳/「四月の風」〜「カメレオン」
 ならびに、比叡山/「3峰左方カンテ」
<日程> 2001年9月22日(土)〜23日(日)
<メンバー> (FYK)徳永悦子先輩、福村浩子先輩、蜂谷一彦(計3名)


9/22(土) 雌鉾岳・「四月の風」〜「カメレオン」 登攀
 当初の目論見では、この日に比叡山III峰「瀬音ゆかしき」ルートを
登り、翌日、同「左方カンテ」へと継続することによって、合計400m
の高距を登攀してみるのも面白いかな〜、などと考えていた。
 ところが、「瀬音ゆかしき」ルートは、最近は登る人も殆どいない
うえ、ブッシュが多くて快適なclimbingは期待できないらしい、との
情報があり、徳永先輩が、鉾の「4月の風」下部〜「カメレオン」上部
(=略して「四月のカメ」と呼ぶ?)は絶対オススメ!と仰有るので、
福村先輩に打診したところ、「異存はないだす」とのお返事。
 それで、この日は「四月のカメ」を登ることにした。

 「四月の風」も「カメレオン」も、ともに三ツ星クラスの好ルートで
あるが、両者の美味しい部分をつなぎあわせたのが、「4月のカメ」
な訳であり、グレードも高くて充実した内容となっている。
 僕は「カメレオン」はまだ登ったことがなく、魅力的ではあったが、
両先輩とも、リードを遠慮しておられる!
 果たして僕は、無事にリード出来るのだろうか。。。。。
 少々不安ではあったが、レディー達(?)の笑顔を拝見するうちに、
「ま〜なんとかなるやろ〜」と緊張もほぐれた。
 11時半すぎに、登山口到着。昼食後、身支度を整えて、テクテク
と歩き出す。40分程で取り付きへ。13時すぎ、登攀開始。

1P目: 25m VI+,A1 蜂谷リード
 取付からボルトにシュリンゲを掛けて2本分直上した後、小さなス
タンスを拾いながら、右にハンドトラバース。落ちると大きく振られる
ので、ガバ・ホールドにフックを掛けて、中間支点を補強する。
 尚、3人の場合には、後続への配慮として、1つの支点に2本の
ドローを掛けて、それぞれにロープを通すことが望ましい。(=2本
のロープを交互に掛けると、後続が落ちたときに相当振られるので。)

2P目: 35m VI,A0(VI+) 蜂谷リード
 ホールドの細かいスラブを登り、最後に左へトラバース。
 なかなか嫌らしいピッチである。

3P目: 40m IV− 福村さんリード
 簡単だがボルト1本だけのスラブを登って、左のブッシュへ入る。
 10m程進んだところで、「カメレオン」に合流。ヘビの抜け殻があ
った。

4P目: 25m V+ 徳永さんリード
 出だしはガバ穴を両手で掴んで、一気に立ち込む。その先のバンド
状を左に伝ってスラブを直上。ランナウトするので、トップは割とシビア
だと思う。

5P目: 40m VI,A0(VI+) 蜂谷リード
 細かくて微妙なスタンスのスラブが続き、「美しいトラバース」ルート
と交差してビレー点へ。

6P目: 40m VI−,A0(VI+) 蜂谷リード
 スラブを少し登って、立木からランニングを取ったあと、レイバックで
岩穴へと至る。途中の岩角にシュリンゲを掛けられるが、フレンズも
併用したほうが、より万全。岩穴から右上する部分は、とてもシビア
で緊張する。

7P目: 30m VI− 蜂谷リード
 スラブから段違いを越える。傾斜が強くなってきて、足がなかなか
決まらず、ずり落ちそうになるが、迂闊に足を滑らせば、長距離のフ
ォール、即ち、「大根下ろし」状態になることを意味する。
 う〜、落・ぢ・だ・ぐ・な゛・い゛!
 実は、この「カメレオン」は、当会のM永・T崎両先輩によって開拓
されたルートである。若手の僕達が、先輩方の切り開いたルートを
登り継ぎ、そしてそれを乗り越えて行ってこそ、会の歴史が次代へ
と綴られていくのだ。

 「FYKノ興廃ハ、コノ一登ニアリ。各員一層奮起セヨ」
 そんな訳のわからないフレーズが、なぜか、頭の中に鳴り響いて
いた。とにかく、僕は、落ちるわけにはいかない。
 こんなところで、落ちるわけにはイカンのだ。

 進退窮まりそうになったとき、福村先輩が密かに教えてくれた魔法
の呪文を思い出した。すなわち、

 「エンジン全開、オナラ・ターボ、Pu〜!」

 この呪文の効果はテキメン(=ホントか?)で、「乗る」と信じて気合
いを入れて前進すると、無事にクリアすることができた。

8P目: 40m VI,A1(VII−) 蜂谷リード
 最終ピッチも大変シビアだった。出だしはA1、その後VI級のスラブ。
 傾斜も強く、ホールドの乏しさに耐えての登攀。

 終了点に到着したのは18時前だった。無事に抜けることができて
良かったな〜。3人揃ったところで握手を交わす。さぁ、日が暮れるゾ。
急いで下山だ。登山道に到着してヘッデン点灯。19時過ぎ、駐車場
に戻る。皆、口々に空腹を訴える。那須商店にてお肉やお酒、その他
を買い込み、比叡山の駐車場へ移動する。さぁ〜テント張って焼き肉
パーティだぜぃ〜、と思ったら、なんと、筑紫野のH瀬さん御夫妻や、
竜岩のFree-climbing教室で知り合いになったK嶋さん達が、宴会
の真っ最中だった!!思いがけない遭遇に、一同喜んだ。
 炭火焼きではなくてガスコンロ、網ではなくてコッフェル、というのが
チョット残念ではあったが、充分すぎる程、美味しい焼き肉だった。
 それに、ビールも最高に旨かったなぁ〜。 !(^^)!

 尚、この日の幕営にあたっては、
  (1)オナラOK
  (2)イビキ、歯ぎしり、寝言もOK
  (3)共用コッフェルぺろりんは不可
 という厳格な規律(?)が言い渡され、3人で川の字になって寝た。


9/23(日) 比叡山・3峰「左方カンテ」登攀
 6時すぎに起床。テント撤収後、だご汁を食べて、3峰へ向かう。
 8時15分、登攀開始。

1P目: 30m III 福村さんリード
 3回目となる左方カンテ。ホールドの豊富なバンド状を右上する。

2P目: 40m V 蜂谷リード
 以前にも書いたとおり、中間支点がとても悪いピッチ。
 ハングの切れ目の部分にあるボルトにクリップするまでは、墜落
は許されず、緊張する。

3P目: 40m IV 徳永さんリード
 スラブに入ったクラックに沿って、ボルトの打たれた小テラスへ。

4P目: 30m IV 福村さんリード
 スラブを登って右側のクラックを伝い、松ノ木テラスへ。福村さんは、
なぜか、「レイバックは苦手やけん」と言って、左の方へ逃げていた。
(=そっちの方が、余計に難しい気がするが。。。。。)

5P目: 15m IV 蜂谷リード
 ここは、短いけど、手強いピッチだった。
 僕がたどったラインは、大まかなフェースを登って、草付きに乗り
込んでから左にトラバースするもので、残置支点は古いハーケンが
1本だけしかなかった。
 スカイフックや草付きにシュリンゲを巻き付けて、プロテクションを
補強したが、なんとも頼りなく、ここも絶対に落ちてはならない場所
だった。
 草付きに乗らず、下の方から左側へ回り込んで直上するのが、
正規のラインだったのかも知れない。

6P目: 30m IV 蜂谷リード
 最終ピッチも、IVだと思ってナメてかかるは、慎んだ方がいい。
 途中の残置支点は、折れ曲がった古いハーケンが1本あるのみ。
 基本的には、NP主体のルートである。
 外傾したバンド状に乗り上がり、左にトラバース。左足を思い切
って飛ばし、コーナーのクラックへとつなぐ。
 カムやナッツを慎重に決めながら、コーナーを直上すると、終了
点に出る。13時到着。思いのほか、時間がかかってしまった。
 「プロテクションの悪さ」という点で、前日の「四月のカメ」よりも
難しく感じた。

 踏み跡をたどって、無事に車まで戻り、3人で「お疲れさま〜」と
握手を交わす。両女史から、「ハッチー君は、難しい部分をクリア
できて、余計に充実してたでしょう?」と聴かれたので、つい、
「いえいえ、僕は、お二人の笑顔によって、最高に充実してます」
などと、心にもないことを言ってしまった。バキっ (^◇^) \(--#

 福村先輩、徳永先輩、どうもありがとうございました。
 お疲れさまでした。 !(^.^)/~~~

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