日程 |
2001年8月12日(日)〜16日(木) |
メンバー |
(新潟稜友会)小川、三木 |
記録 |
(新潟稜友会)須藤 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
須藤@新潟稜友会です
お盆の山行で屏風のエイドルートの報告が出たのでUPします。
屏風岩
小川、三木
8月12日(日) 曇り時々雨 アプローチ、偵察
13日(月) 晴(夕立) 東壁 スペースマウンテン
14日(火) 晴のち雨 半日休養、荷揚げ、T2泊
15日(水) 晴(夕立) 東壁 トリプルジョーカー
16日(木) 晴 下山
夏合宿は屏風岩、と何ヵ月も前から二人で決めていたものの、秋の予定が気がかり
で、入山当日になっても「どんな所に行きたいか」といった非常に漠然とした事しか
決まっていなかった。それならば、という事で、トポを全てコピーして、横尾のテン
場でルートを選ぼうという次第になった。横尾にて泊まり場を確保したところで、小
川さんが右岩壁を偵察に行ったものの、激しい夕立で断念。アプローチの分かる東壁
のルートに決定した。
13日、3時頃から準備をして、明るくなる前に横尾を出発。それでもT4尾根の
取り付きには十人ほど人がいる。ここで雲稜ルートに行く須藤・設楽パーティーと別
れ、東壁ルンゼの取り付きへ。少しでも待ち時間を短く、という目論見だったが、こ
ちらにも先行が2パーティーいて、あまり速くはなかった。下部スラブ帯の1ピッチ
目、トップは三木。まだ頭のスイッチが入っていなかったので、小川さんに二‐三度
コンテで登ってもらい、2ピッチ分70メートルを登ってしまった。先行していた関
西の3人には悪い事をしました、ごめんなさい。その後は、待ち時間をそのおじさ
ん、あんちゃん、おネーちゃんの3人とおしゃべりをして、近い将来壊れるであろう
ボルトを使ってスラブを抜け、T3に到着した。ここからが本番。
1ピッチ目、小川。東壁ルンゼの2パーティーをうまくかわし、フリーで抜ける。
スペースマウンテンには先行者無し。
2ピッチ目、三木。フレークを右上してスカイフック、クラックの土を掻き出して
ナッツを決め、小ハング下に打たれたボルトにクリップ。ボルトを使わなければ、掛
かりの悪いスカイフックかラープ、もしくはランナウト覚悟のフリーなのだろう。ハ
ング上も残置物が豊富。
3ピッチ目、小川。ビレイしていると土がぼろぼろと落ちてくる。毎度の事である
が、今日もクリーニングクライミングである。テラスにて東壁ルンゼのクライマーと
合流。
4ピッチ目、三木。右手5メートルほどの松の潅木を目指し、クライムダウンする
が、どうもルートが見えない。松を過ぎてもぼろぼろの岩で、飛べば東稜ルートに手
が届きそうだ。戻って適当にブッシュと雑草の詰まったクラックを右上。気分はサル
かモグラである。最後に東稜のビレイポイント(?)に出た。下には東稜のクライ
マーがいる。彼等もルートがよく分からないらしい。
5ピッチ目、小川。いつのまにか東稜ルートに合流。
6ピッチ目、三木。岩稜の途中でスペースマウンテンが終わってしまうため、適当
なテラスまで登る。アンカーはほとんどハーケンだが、頑張ればフリーも可能だろ
う。私は軟弱に半分人工。
残照で1ルンゼを下り、星明かりで横尾まで。到着は8時。
14日。さすがに早起きは出来ず、右岩壁に行く須藤・設楽パーティーを見送り、
その後横尾に着いた新潟山岳会の阿部信一さんと立ち話をした後、昼前に出発。天気
は快晴でバテ気味。昨日出逢った関西の3人が1ルンゼ出合で撤収をしていたので、
少し立ち話をして、1ルンゼを日陰を求めつつ詰めた。
T4尾根を登ったところで雲行きが怪しくなり、やがて雨粒が落ちてきた。泊まり
場をT2に定め、ツェルトを張ったところでバケツをひっくり返したような雨になっ
た。酒を飲み始めて、ふとテラス脇の木の枝を見ると、昨日落とした手ぬぐいが引っ
かかっているではないか。半分酔っぱらった足取りで木登りをして、回収に成功。山
のゴミは持ち帰りましょう。
15日、目覚めると月明かりが美しい。日の出と同時に登り始める。T4では昨日
まで新しいエイドルートを作っていた3人組が小屋掛けの下で寝ている。脇で荷物を
選別し、草付きバンドをトラバース。途中から1ピッチロープを出した。
1ピッチ目、三木。どうやら登り易いルートよりも、おもしろいルートを探してし
まったらしい。間違ってパラノイアのラインを取ってしまった。単に寝ぼけていただ
けか。しばらく草付きを登ると、ワイドクラックになり、しめたと思ったのも束の
間、浮き石の積み重なった草付きになった。プロテクションは取れない、足場は草葉
の陰で、しかも信用できない。いつもの事とは言え、気持ちは良くない。後から1
パーティー登ってきたが、1ルンゼめがけて音高く落石の雨を降らせていた。
2ピッチ目、小川。少し草付きを登り、おもしろいフリークライミング。クラック
の入り口に生えている立ち木でビレイ。すぐ上にリングボルトが一つ。
3ピッチ目、三木。フレンズの掛け替え。手持ちをほとんど全て使い左上するハン
グを乗り越して、テラスへ。
4ピッチ目、小川。バンドをトラバース。ビレイポイントが狭かった。
5ピッチ目、前のピッチが短かったので小川。5.9くらいのクラック。私も空身
でフォロー。
6ピッチ目、三木。ボルトラダー、2メートルくらい上がって小ハングの上を左に
トラバース。トラバースの箇所で、ボルトの下にコパーヘッドが2つ、必死になって
叩き込まれていたのが印象的だった。一手二手、落ちそうなフレークを掴んで狭いビ
レイ点へ。
7ピッチ目、小川。直上するボルトに頼らず、ハングを左へ。ハンギングビレイ。
東稜を登った須藤・設楽パーティーがT4を下っていくのが見える。この後の行動に
ついて連絡をし、登攀続行。
8ピッチ目、このルートの核心部のため、小川リード。キャメロット4.5をバッ
クロープで渡す。新しいバカブーの残置があったが、疲れていて回収しなかった。一
坪テラスにはい上がり、ハンギング生活を終える。
9ピッチ目、私が疲れきっていたので、小川さんにリードを譲る。残置ピトンの連
打。ハングを乗り越した岩角を終了点とする。
7ピッチ目あたりから夕立が来た。でも、ハング帯に突入したので濡れる事はな
かった。一坪テラス、アルムテラス経由でマニアックの出発点に懸垂下降。一坪テラ
スからは小川さんがクリフハンガーよろしく岩壁を横に走ったようだ。お疲れさまで
した。
横尾には9時到着。3日間、良く遊びました。須藤さん、設楽さん、夜遅くまで
待っていて戴いて、ありがとうございました。
(三木雅之)
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