日程 |
2001年7月29日(日)〜30日(月) |
メンバー |
(名古屋山岳会)堀場、有冨 |
記録 |
(名古屋山岳会)堀場 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
みなさま、こんばんは。
堀場@名古屋山岳会です。
7月29〜30日で塚田=小暮ルートを登ってきました。
少し前の記録になりますが報告したいと思います。
丸山東壁南東壁塚田=小暮ルート
2001年7月29〜30日
メンバー 堀場、有冨
タイム (29日) 取付13:20−ビバーク(6P目途中のテラス)20:20
(30日) スタート5:30−南東壁ルンゼのコル8:10−終了点10:00
−取付12:40
午前中は正月の遭難事故の追悼山行を内蔵助谷で行い、昼過ぎから取り付くことに
なった。
取付へは雪渓がまだ残る1ルンゼを登っていく。日本のクラシックルート@
山と渓谷社の記述に従い、ダイレクトルート・登研ルートの取付付近から左へ斜上し
ていくが途中で詰まってしまい、1ルンゼまでラッペルする。結局、そのラッペルで
ほぼ元の場所に戻ってしまい、かなり時間をロスをしてしまった。仕切り直してさら
に1ルンゼを詰めていく。小さな岩の段差を越え、さらに大きな岩の段差をV級程度
のクライミングで越すと大きなテラス(と言うよりも広場)に出る。ここが取付で残
置のピトン(ボルトだったかな?)があり、上部を見上げるとあまりハッキリとはし
ていない凹角が逆くの字になっているように見える。周りにはそれといった凹角は見
当たらないので、すぐに分かると思う。
取付の広場に必要のないものとザックを1つデポし、有冨リードで早速1P目を登
り始める。20mほどロープを伸ばしたところでピッチを切る。2P目は堀場リー
ド。凹角からカンテに出て登っていく。振り子トラバースという記述もあったが、全
くその必要はなかった。1・2P目通して岩が大変脆く、浮石も多い。3P目は有冨
リード。最初の5mほどをフリーで登り、あとはほぼラダーを辿る人工登攀。リング
のないボルトがそのほとんどではあるが、所々にリングボルトやピトンがあるのでラ
ンニングビレイには困らない。リヴェットハンガーが威力を発揮する。4P目は堀場
リード。内容は3P目と同じくラダーの人工登攀。45mロープほぼいっぱいで大ハ
ング帯下の小さなバンド状テラスに着いた。このテラスには大ハング帯に巣を持つ鳥
たちからのフンが付いていて、あまり気持ちの良いテラスではなかった。このテラス
は日本の岩場(下)@白山書房にある5P目のビレイポイントと思われるが3・4P
目とも無理なくロープを伸ばせるのでリンクした方が得である。南東壁は午前中はま
ともに日が当たり暑いが、午後からは陰になり水の使用量も少なくて済む。5P目は
有冨リード。テラスから大ハング帯の下を左へ回り込んでいく。このピッチ、アング
ルの中間サイズを1ヶ所使用した。ビレイポイントは枯れ木のあるレッジ。この頃に
なると辺りは薄暗くなりつつあった。6P目は堀場リード。レッジから左へトラバー
スし凹角を人工登攀と木登りでテラスへ着く。ピッチの途中であるが有冨の体力・腕
力も気になるし、暗くなってきたし、何とか2人横になって眠れそうなので、このテ
ラスでビバークすることにする。しかし、このテラスはアリが多く、その夜は悩まさ
れてしまった。
翌朝は明るくなってからのスタート。7P目を有冨リードで登りだす。またしても
人工登攀と木登りで緩傾斜帯にでる。さらに緩傾斜帯を登りピッチを切る。ここに
ザックをデポし、2人とも空身になって終了点を目指す。8P目は堀場リード。10
mほど登ってから左のブッシュ帯へトラバース。途中でスタカットからコンティニュ
アスに切り替える。ブッシュ帯を抜けたところでビレイポイントを作る。9P目も堀
場リード。頭上のかぶり気味のフェースをフリーで登り、南東壁ルンゼの草付を登
る。途中で左のスラブへ移り、そのままチョックストーンを高巻く。さらに草付を
ロープいっぱいまで登るとビレイポイントに着く。10P目は有冨リード。さらに草
付帯を登り南東壁ルンゼのコルに着く。11P目は堀場リード。人口登攀から浮石の
斜面を登り、三角岩の下の潅木でビレイする。12P目は有冨リード。三角岩に登
り、そこから人工登攀と木登りで樹林帯へと入っていき、ルート終了となる。
終了点で残りの水をすべて飲み干し、下降を開始する。ラッペル1P目は終了点の
潅木を支点に11P目途中のラッペルポイントまで40mほど降りる。続いてのピッ
チは南東壁ルンゼのコルには降りず、9P目のビレイポイントまで降りる。次のラッ
ペルはほぼ45mいっぱいで緩傾斜帯まで降りれる。そこから、またコンティニュア
スでブッシュ帯をトラバースした。しかし、何故か往路よりかなり上部のブッシュ帯
をトラバースしてしまい、ザックをデポしたビレイポイントまでラッペルする。そし
て緩傾斜帯の下端までラッペルし、そこから35mほど真下にラッペルする。(塚田
=小暮ルートの6P目のトラバース部分からさらに下降し、おそらく動物ランド
(?)と思われるビレイポイントまでラッペルする。)次のラッペルは、そのビレイ
ポイントから真下に降りたハングの下にあるラッペルポイントまで降りる。(この
ラッペルポイントは上からはハングに隠れて確認できないが、以前、動物ランドを敗
退した時に確認していたもので、動物ランドのラインからは左に外れている。)そこ
から1ルンゼまでは、さらに1Pのラッペルで降り立つことができる。そして1ルン
ゼを45mいっぱいラッペルして取付である広場に降り立つ。終了点から9Pのラッ
ペルと1Pのトラバースで取付まで降りることができた。ラッペルポイントにかかっ
ていた残置スリングのほとんどは使いものになる代物ではなく、このルートを登るク
ライマーの少なさを感じる。
そして1ルンゼと内蔵助谷との合流点の川原で水遊びと昼寝をしてから下山した。
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