日程 |
2001年8月24日(金)〜26日(日) |
メンバー |
(NBR)横山、他7名 |
記録 |
(NBR)横山 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
北鎌尾根
2001年8月24日(金)〜26日(日)
メンバー 横山他7名(NBR)
タイム
24日 中房温泉6:00〜合戦小屋8:30 50〜燕山荘9:45
晴れ 10:30〜大天井ヒュッテ13:00
25日 大天井ヒュッテ4:00〜貧乏沢入口4:20〜天丈沢出合
晴れ 6:17〜北鎌沢出合6:33 55〜二俣7:20〜北鎌沢の
コル9:20 40〜天狗の腰掛け10:42〜独標のコル
11:45〜P11 12:42〜P15 14:55〜北鎌平
15:25〜槍ヶ岳山頂16:40 17:00〜槍ヶ岳山荘
17:20
26日 槍ヶ岳山荘6:00〜槍沢ヒュッテ8:20〜横尾9:40〜
曇りのち小雨 上高地12:10
念願だった北鎌に行けるチャンスが4年振りに巡って来た。4年前はまだクライミングを始めていなかった
のでとても参加出来ないと思い涙を飲んだ。今回は昨年前穂の北尾根を一緒に登ったメンバーが4人も含ま
れていたので安心して出発できた。
24日 前夜7時と8時のあずさで新宿を出発、穂高駅でステーションビバークする。翌朝ワゴンタクシー
で一路中房温泉へ。合戦小屋ではもちろんスイカを食べて満足。特に急ぐ必要もないのでのんびり歩いて1
3時に
大天井ヒュッテ着。着いた早々生ビール、バーボン、ワインで乾杯。
明日の天気も良さそうでほっとする。
一年振りの小屋泊まりはふとん一枚に一人で快適だった。
25日 3時過ぎに起き、食堂で朝食の弁当を半分食べてからヘッデンを
点けて4時に出発。貧乏沢入口は標識がちゃんとあり判り易い。少し登り返すと踏み跡があり、ハイマツを
掴みながらしばらく下ると右岸から貧乏沢が合流する。1時間下った所で朝食を摂るため休憩。概ね左岸側
を下って行くと2時間弱で天丈沢に着いた。しばらく右岸沿いに行き、適当な所で左岸に渡り15分程で赤
布が目印の北鎌沢出合に到着。
ここで昨夜大天井ヒュッテに泊まったという4人パーティに出会う。
さてここから下った分だけ登り返さなくてはいけないと思うとうんざりだが仕方がない。左俣で水を2.5
Lを汲み北鎌沢のコル目指して出発する。背後からお日様が当たり暑くてたまらない。先日の台風の影響か
途中から水も現れてきたのでタオルを濡らして首に巻く。結構な急斜面が続く。Mさんが疲れ気味で遅れだ
したのでゆっくり登る。自分は先週重荷でチンネに行って来たのでやけに調子が良い。途中で先程の4人パ
ーティを抜く。稜線が見えてからも中々コルに着かなくて最後はガレた急斜面を慎重に登り右側に踏み跡を
見つけしばらく登ると北鎌沢のコルに出た。
ここでやっと行程の半分くらい来た事になる。Mさんがため息ばかりついているので引き返すならここしか
ないと言うが返事がない。
大休止後ハーネス、メットを着けてハイマツ帯の急斜面を木を掴みながら登り始めるが兎に角暑くて汗が滴
り落ちてくるのでメットはすぐ脱いでしまった。頻繁に水を取りながら進みP8は知らないうちに通り過ぎ
P9の天狗の腰掛けに着いた。ここから見る独標は結構大きくて迫力がある。
千丈沢側には赤茶けた硫黄尾根が見えるが、大槍、小槍はまだここからは見えない。
小ピークのアップダウンを繰り返し独標のコルに着いた時、少し遅れながら歩いていたMさんが突然座り込
んでしまいもうこれ以上歩けないので一人ここでビバークすると言っていると後続から連絡が入る。
兎も角コルまで来て貰い、絶対一人でビバークさせる訳にはいかない事、ここまで来たら槍まで抜けた方が
早い事を言い聞かせ、荷物を分担し、ビタミン剤を飲ませ、バンテリンを足に塗りしばらく休んだ後出発し
た。30分に一回は休み、牛歩で進む。
ここから先北鎌平までがこのコースの核心だ。我がパーティは全て巻き道で行くことにし、ルートファイン
ディングに神経を集中させる。リーダーがトップで行き3番目の自分と最後尾のSLとでルートをチェック
した。
独標は基部の崩れている斜面を千丈沢側からトラバースして巻く。突き当たった所で岩を抱えるように回り
込む個所があり若干悪いので慎重に。独標を巻いている途中で昨日北鎌沢出合で天張ったというパーティと
出会う、ルートファインディングに苦労している様で後を付いて行きますと言われる。巻きも終わり近くで
突然道が途切れ懸垂用の残置ピンが3本ある個所に出た。10m位懸垂して登り返す様だが登り返しが悪く
感じたので30m程引き返し、ケルンの積んであるルンゼを登り上部に出た。
そこには北鎌沢出合で会ったパーティの一人がロープを出して座っていたので話をするとどうもガイドらし
い。お客3人を置いて先に来てしまったらしく、ずっと待っているとの事。我々は北鎌沢のコルで会った後
は一度も見ていないと知らせる。
独標から北鎌平まで全て千丈沢側を巻いて通過した。不明瞭な個所はなるべく下りすぎず、簡単なルートを
探して稜線直下まで登り返すという感じだった。
要所要所にはケルンがあるがやはりこの辺りが一番の核心だったと思う。
ピークを過ぎる毎に大槍と小槍が段々目前に迫って来て、凄い威圧感に圧倒される。
結局ロープは一度も使用せず北鎌平に到着した。ここからは稜線通しに岩稜を進みケルンのある槍基部に辿
り着いた。いよいよ残すは大槍の登りのみとなった。ここまでで行動時間は12時間を経過していた。
大槍は左側の稜線沿いにしばらく登り、右側に斜上すると残置シュリンゲのあるチムニーが現れる、人数が
多いのでパスして更に右側から各自好きなルートで登る事とする。やっとクライミングらしくなり、嬉々と
して一手一手確実なホールドを探して登る。人の声が聞こえてきてひょっこり祠の横に飛び出した。やった
ー頂上だ、先に着いたSLとガッチリ握手をした。次々に登ってくるメンバーと握手を交わして登頂の喜び
を分かち合った。山頂着16時40分、行動時間12時間40分長い長い1日が終わりを遂げた。
記念撮影をして今日登ってきた北鎌尾根を振り返るともうガスの中だった。
後は小屋でのおいしいお酒が待っているのであった。
結局25日出会ったパーティの中で一番に山頂に着いた様だ。
後を付いて来たパーティは山頂着が18時だったと聞いた。一人がバテたが足並みが揃っていたら11時間
を切るタイムだったかも知れない。
北鎌尾根は相当困難なルートと考えていたが、自分には以外にも簡単に感じられ拍子抜けの感があった。し
かし天候の見極めとルートファインディングのセンス、体力勝負のルートだと言う事には間違いない。
機会があれば単独か少人数で再びトライしたい。
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