＜山　行　記　録＞

アニマル島田です。
土曜日に一の倉に行ってきました。

２時間の仮眠のあと４時起床。４時４５分出発。 ６時に一の倉沢出合い。もう
すでに１０人以上テールリッジに
取付いている。雪はよく締まっていて、新雪はわずかであった。しかしところど
ころ岩盤との間がぬれざらめ状態のところがあり、春の底雪崩がちかいことを知
る。テールリッジを登っていると烏帽子スラブから雪崩。南稜テラスのちょっと
下が崩落したようだ。南稜に向っていたパーティーの重みで下の弱層が切れたの
かもしれない。当人達はそのことに気づかないみたいで、中央稜付近のパーティ
ーがさかんに注意を促していた。１パーティーは引き返したが、先頭のパーティ
ーはシュルンドから雪壁を越えて取付いてしまった。 さらに新しい亀裂が入っ
ていた。
さて取り付こうと思ったら、すでに２パーティーが登っている。急な雪壁にバケ
ツを掘ってボーと待つ事にする。
比較的しまっているが、シュルンドが隠れているのでいやなところだ。 今日の
一の倉は快晴で気持ちがいい。南稜、変形チムニー、中央カンテ、中央稜に１パ
ーティーずつ取り付いていた。そして大氷柱のソロ!!!
にぎやかだなあ。

８時５０分登攀開始。
最初の３ピッチは３級程度で易しいが、ピンが少なくてランナウトする。
１ピッチ目 アニマルリード。 ピンが２本しか発見できず、苦し紛れにナッツと
スリングビレイでプロテクションを取る。前半はすこしてこずるが、後半の草付
きは傾斜が緩く易しい。

２ピッチ目 名屋リード。左の雪壁は傾斜が強いが、ダブルアックスなら快適そ
う。名屋は岩場を選ぶ。リッペを乗り越すと４０度から５０度くらいの雪壁。
新保さんに右へ行くなといわれていたが、先行のトレースを追ってしまった。

３ピッチ目 アニマルリード
左の凹角にはいるためいったんクライムダウン。 正規のビレイポイントを発
見。 このままルンゼをダブルアックスで登る。ところどころ岩にあたるのでヒ
ヤヒヤする。かなりランナウトし、耐えられなくなったのでスラブに逃げる。本
当はミックスをこのまま行ったほうがいいのだが、しかし雪が苦手なアニマルは
細かいスラブをじりじり登る。新調したシャルレのアイゼンは岩に食いつきが良
く調子がいい。

凹状の下まで来ると落石のプレゼントをもらった。 ヘルメットに直撃したの
で、注意するが先行は気がついていないようだった。その後も次々と弾丸が降り
注ぎとても核心部につっこむ勇気がでなかった。 ４ピッチ目の途中であきらめ
て降りる事にした。

１２時登攀中止。出合に２時。 湯桧曽で風呂はいったら、猛烈に眠くなり（風
呂場で居眠りをしてしまった。）土合の駅で酒飲んで寝た。 翌朝の土合はくも
りだったが、風もなくおだやかだった。７時半帰路につく。

日曜日に二つ玉低気圧がやってくるというので、ビバークをしないつもりだっ
た。 完登は最初からムリ目だったのだが、核心部くらいは登りたかった。 凹状
は冬ももろく、浮いている岩がかなりあった。やはりこのルートは先行がいる場
合は取り付かないほうが賢明だろう。またピンは腐っているので、緊張した。叩
き直そうとしたら２本くらい折れた。

他の状況。全体の雪の状況は比較的良好です。 滝沢下部は完璧に埋まっている
ので、昨年と同じくらいの積雪があると思われます。滝沢リッジの取り付きも割
れていません。南稜に行かれる方、前述のように取り付きの手前が危険です。い
つ崩壊してもおかしくないのでよく見極めてから行って下さい。

アニマル島田 
霧峰山岳会。