滝沢下部ダイレクト〜第三スラブ〜ドーム横須賀ルート
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日程 |
2000年10月22日(日)〜23日(月) |
メンバー |
(新潟クライミングクラブ)安藤、その他 |
記録 |
(新潟クライミングクラブ)安藤 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
安藤@NCCです。
一週間前の記録ですが、谷川岳に登ってきました。
ルート:一の倉沢下部ダイレクト〜滝沢第三スラブ〜ドーム横須賀ルート〜天神尾根
日時:10月22,23日
10月21日
本来ならば、この日に取り付く予定であったが、雨天のため中止。でもちょっとく
らい遊びに行こうということで、微風快晴を目指す。と、取り付きまでいったものの、
ジャージャー水が流れているのであっさりとパス。途中、ヒョングリの滝を登ったり
してきたので、結構お腹一杯状態。せっかく来たので、南稜を3ピッチだけ登って帰っ
てくる。山岳部一年組コンビは、気合いが入っている。そんな天気の中、中央カンテ
を登に行った(懸垂岩の基部でビバーク)。
10月22日 出合(5:30)〜下部ダイレクト取り付き(8:00)〜Y字河原(11:
00)〜ビバーク地(17:30)
珍しく、前日は飲み過ぎないようにした。まだ暗いというのに、出合はもの凄い人
だかりと車の数。テールリッジにはへっ電がチラチラしていた。一体何時に出たんだ?
テールリッジ末端ではすっかり明るくなり、快調に南稜テラスを目指すが、若いく
せに時間がかかる。中央稜、中央カンテ、変チには順番待ちの列ができている。3ル
ンゼ、2ルンゼも大盛況だ。南稜テラスからは、本谷バンドに向けて、ザイルを2ピッ
チ出す。それにしても、本谷バンドに乗っている蛇紋岩の土砂は何時までも無くなり
ませんね。本谷スラブの下降は意外と楽で、上から落石でもない限り、危ないところ
はない。
下部ダイレクト
1P 取り付きを間違えて、正規ルートより本谷バンド側を登ってしまう。わずかに
残置はあるが、きわどいフェース登りとなってしまう。
2P 濡れているせいだと思うが、これが非常に悪い。軽いテストに抜けるハーケン、
折れるハーケン続出。ナイフブレードを一本残置してしまう。非常に悪いとは書いた
が、岩は堅くてピトンの効きは良い。キャメロット1と0.75が使える。水の通り道で
あるため、ピトン類は腐りやすいみたいだ。
3P 濡れていて、ニュルニュルのスラブ。残置ボルトが豊富。
4P〜7P(第一バンドまで)簡単なスラブ登り。終了点は比較的しっかりとしてい
る。
第3スラブ(第一バンドより上)
1P 簡単なスラブ登り。ここから「高速道路じゃ!」と、意気込んでピッチを上げ
ようと思っていたら、雲がモクモク、烏帽子奥壁が見えなくなって来るではないか。
そのうち雨がざぁ〜・・・高速道路が雨天のために50キロ規制。
2P 意外と残置は豊富。どんどん水量が増えてくる。
3P 終了点の直前が、滑りやすい岩質(細粒な流紋岩)だが、残置が豊富で効きも
良い。終了点のテラスは広くて快適。雲の中で視界は20m位。高度感まるで無し。
4P スラブを右上するが、スタンスが細かくて悪い(乾いていればいいのかも?)
残置は多いが、「ここでほしい!」と言うところで無い。所々でエイリアンが使える。
5,6P 簡単なスラブ
7P 左側のルートを採る。水量が多くて登りにくかった。エイリアン、キャメ1と
2が使える。核心部は終了点まぎわで、非常に細粒な安山岩質の岩脈でツルツル。
8P〜草付き帯に入るコル(80m位)
コルの直前がざれ場で緊張する。さらにその直前のスラブも支点がとれずに気持ち
悪い。
ここからドーム基部までの草付き帯が本ルートの核心であろう。笹は無く、ただの
草が延々と続く。草付き帯をモクモクと登っているときに、約5分間だけ雲が引き紅
葉の一の倉がすばらしかった。遠くには雲の上に笠ヶ岳とか白毛門とか知らない山の
ピークがポコポコとびだしている。
ドーム基部手前70m位の所でビバーク。ツェルト内ですでに「来週どこ行く?」
「マニフェストももう一回いかないとなぁ」「なんで酒忘れたかな?」と、ラーメン
食いながら話がはずむ。
10月23日 ビバーク地(6:30)〜ドーム基部(7:20)〜ドームの頭(10:00)
〜国境稜線(11:10)〜天神平(13:00)
朝起きてもやっぱり雨の中。行くしかないからなぁ〜と、露岩混じりの草付きをザ
イル3ピッチ登りドーム基部へ。「ドームは蛇紋岩」この事実に我々は少々びびって
しまう。が、しかし、いざ登ってみるとそれほど悪くはなかった。
1P 明瞭な凹角とクラックをほぼ直上し、かぶり気味のクラックを越えてバンド上
に出る。クラックにはキャメロット、エイリアンがよく効く。終了点間際のスラブが
悪い。残置は多いが効きは甘くて、何本かは簡単に引っこ抜けた。
2P 雨の中でも楽しいフリーが楽しめたのが救い。
3P 残置はほとんどないが、浮き石も少なく安定して登れる。
ドーム頭までコンテで行く。頭からコンテと何度かアプザイレンして、国境稜線ま
で抜けるが、視界がめちゃめちゃ悪くて時間がかかる。強い風と雨の中、オキの耳、
トマの耳には沢山の人、肩の小屋では豪勢なランチタイムを楽しんでいる。木の枝で
ラーメンを食っている俺達は、彼らにどの様に映っていたのであろうか?
今日は月曜日である。当然お互い用事もある。急いで天神尾根を降りてリッチにロー
プーウェイで下山。次に登るのは3月かな?
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