屏風岩/雲綾

日程
2000年9月15日(金)〜9月17日(日)
メンバー
(獨標登高会)寺田正之、西片裕
記録
(獨標登高会)寺田正之
写真
なし
ルート図
なし

<山 行 記 録>


3連休を利用して屏風〜前穂東壁への継続を計画したが、両名の体調不良と天候の悪
化が予想されたので雲稜のみとなってしまった。今更ですが初心者の方のご参考にな
れば幸いです。

○9月14日(木)
八王子(23・00)−松本(1・00)−沢渡(2・00)

いつもどおり八王子ICI前集合。中央道も流れていて2:00には沢渡の村営駐車場着。
車中で仮眠。

○9月15日(金)−晴れ−

タイム・起床(4・20)−沢渡発(5・50)−上高地(6・25)−横尾(9・48〜13・30)−
1ルンゼ押し出し末端の河原(14・10)−就寝(19・00)

タクシーは4名の相乗りで一人1100円。上高地より歩き出すも西片は前々夜仕事で徹
夜、寺田はまたしても食中りでゲロゲロ状態。横尾に到着した時点で継続を断念。昼
寝を決め込む。横尾谷の徒渉は大雨の影響も有りズボンを脱いで腿まで浸かる。冷た
い!河原でまたしても昼寝。夕食後早早に就寝。

○9月16日(土)−曇後雨−

タイム・起床(4・10)−出発(5・30)−T4尾根取り付き(6・20〜40)−T4・雲稜ルー
ト取り付き(7・50〜8・15)−扇岩テラス(10・05〜55)−登攀終了(13・30)−T4尾
根取り付き(15・45〜16・05)−幕場(17・00〜50)−横尾(18・10〜30)−上高地
(21・10)−就寝(22・30)

昨日より体調は良いが1ルンゼの押し出しを詰める足取りは重い。T4尾根は1パーティ
待って寺田のリード。1段登ってレイバックの体制になったところ、なんとスリップ
!1・5メートルほどのグランドフォール。これで目が覚めた。気を取り直し登り直す。2
ピッチ目は西片のリード。

雲稜ルートは同ルート下降としたので、ザックや食料、ハンマーまデポする。とって
もゲレンデな気分だ。先行が抜けるのを待って寺田のリード。簡単な凹角を登り1
ピッチ目の途中でピッチを切る。続くピッチは西片のリード。凹角内のハングを人工
で越える。フリーでフォローしたが結構悪くカラビナを掴む。ピナクルテラスが終了
点。次は寺田のリード。ガイドに有るように出だしの一手が悪く思わずカラビナを掴
む。後は岩も堅く残置も多いので快適なフリーで右上して小ピナクルへ。

扇テラスには5人程いて定員オーバー。先行の3人パーティが抜けるのを待ってピッチ
を切る。西片のリードで簡単な階段状を扇岩テラスへ。ここで1時間ほど順番待ち。
待っている間に何度も雨が降ったり止んだり。撤退の甘い誘惑を振り切り、何として
でも登ることにする。西片のリードで取り付くが、初登の苦労を思うすべもなくあっ
さりと登る。終了点の手前でしばらく待たされる。ルート図上の4ピッチ目は寺田の
リード。人工2手でバンドに。そこから右にトラバースだが、最後に切れ落ちたとこ
ろを跨ぐように渡るところが久々に緊張させられた。5ピッチ目は東壁ルンゼ内を西
片のリード。岩が濡れていていやらしい。6ピッチ目は寺田のリード。ルンゼ右寄り
のディエードル沿いに行く。途中フィンガージャムが決って楽しい。残り1ピッチを
残しここから懸垂で取り付きに戻る。

帰路の徒渉は昨日より幾分水量が減っていて膝までの徒渉。横尾でお茶を沸かし大休
止。時折激しさを増す雨の中、ヘッドランプを頼りに上高地までの残業。残業手当は
自販機のビール。ターミナルの軒下のさらに階段の下の極めて快適なビバークサイト
にツェルトを垂らす。夜半は大雨の音で目を覚ますほど。ここまで戻って本当に良
かった。

○9月17日(日)−雨−

タイム・起床(5・00)−出発(6・00)−沢渡村営駐車場(6・30〜40)−沢渡温泉(6・
50〜8・00)−八王子解散(12・00)

朝一のバスが到着したので起床。タクシーで沢渡へ戻り、温泉で汗を流す。休憩室の
テレビでは、やわらチャンの金メダルのインタビューをやっていた。帰路は大雨で中
央道甲府昭和〜一宮御坂間が通行止め。八王子に戻ったのは昼だった。

思ったより体調が悪く西片には心配かけたが、何とか雲稜だけでも登れて良かった。
往路に見た奥又白の美しさにリベンジを誓ったのは言うまでもない。

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