ドロミテ/トレ・チメ・ディ・ラヴァレド/チマ・グランデ北壁コミチルート
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日程 |
2000年8月11日〜20日 |
メンバー |
(ルーデンス アルパインクラブ)菅修三、池野明子、(北斗岳友会)上平真由美 |
記録 |
((ルーデンス アルパインクラブ)池野明子 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
ルーデンス アルパインクラブの池野明子です。
8月にドロミテのチマ・グランデを登ってきました。以下はその記録です。
所属山岳会:ルーデンスアルパインクラブ/北斗岳友会
メンバー :菅 修三、池野明子(ルーデンス)上平真由美(北斗岳友会)
山行日 :2000年8月11日〜20日、 登攀日は8月14日
ルート :ドロミテ/トレ・チメ・ディ・ラヴァレド/
チマ・グランデ北壁コミチルート
グレード :Z−(?)
入山場所 :オーロンツォ小屋
アプローチ:オーロンツォ小屋までは車で。小屋からはハイキング道を
ラヴァレド小屋方面へ進み、チマ・ピッコリシマの基部へと
向う。そこからはほぼ水平な踏みあとを辿ると、コミチの
取り付きに至る。オーロンツォ小屋から約1時間。
午前4時前、オーロンツォ小屋を出発。5時前、ルート取り付きに到着。
登攀準備をしていると後続パーティーが続々やって来る。私たちは3人パー
ティーなので数パーティーに先行してもらう。
アプローチのピッチ:80m U
壁と大岩の間のクラックを登りテラスへ。簡単だがノーザイルで緊張する。
1P目:30m W、 菅 リード
短いクラックを登り、幅の広いテラスを左へトラバース。
2P目:25m Z−(A1・X)、 菅 リード
クラックを少し直上し、左トラバース。4ポイントの人工で越える。その後
はランナウト気味のフリー。
3P目:30m Y+(X・A1)、 菅 リード
ピンが少なく、ほぼフリーのピッチ。
4P目:35m Y+(X+・A1)、 菅 リード
ピンが少なく、ほぼフリーのピッチ。
5P目:30m Y(A0・X)、 菅 リード
傾斜が少し落ちたクラックのようなジェードルのような所を登る。前がつ
かえ、後ろのパーティーとは2ピッチほど離れたので、トップを交替する。
6P目:30m Z−(A1・X+)、 池野 リード
少し右トラバースした後、直上。ビレイ点で前のパーティーとロープが絡
んでしまい手間取る。
7P目:25m Z−(A0・X+)、 池野 リード
ジェードルを直上し、頭を押さえられた所で右の壁へ出る。ハーケンが数
本打ってありピッチをきるが、ここは正しいビレイ点ではなかった。
8P目:15m Z−(A0・X+)、 池野 リード
本来の7ピッチ目の続きである。数m右へトラバースした後、ジェードル
を直上しテラスでビレイ。
9P目:35m Y−(X・A0)、 池野 リード
ジェードルを直上し、カンテを越え右トラバースし、またジェードルを直
上。ハングを右から回り込み、傾斜の落ちたクラック状を登り、広いバンド
状テラスでビレイ。
10P目:45m Y+ 、 池野 リード
テラスの左の簡単な凹角状を登る。途中1本しかハーケンを見つけられず
ビレイ点もはっきりしない。
11P目:45m V 、 池野 リード
さらに傾斜が落ちて、凹角状のような階段状のような所を登り広々とした
所に出るが、このピッチもビレイ点がはっきりしない。
12P目:15m W 、 菅 リード
トップを交替する。比較的簡単な岩を登り凹角の左のビレイ点でビレイ。
13P目:30m X− 、菅 リード
真上のクラックを登るが悪い。先にあるはずのニッチも見えず、ルートを
間違えたことがわかる。下降し、右のリッジを回り込み、正規のルートであ
る簡単なジェードルを登ってビレイ。
14P目:45m X−〜W+ 、 上平 リード
トップを交替する。少し登り頭を押さえられた所で右に出て凹角を直上し
ニッチに達する。小雨が降り始める。
15P目:30m W+ 、 上平 リード
ニッチの左の壁を登り、リッジを回り込み、高度感いっぱいの左トラバー
スをする。ロープが岩角に引っかかり流れず苦労した。
16P目:35m V 、 上平 リード
小雨も止み、凹角っぽいフェースを直上。
17P目:35m V 、 上平 リード
傾斜の落ちた脆いクラックを登り、リングバンドに達し、午後6時過ぎ
登攀終了。
下降:
リングバンドを南壁側にトラバースし、ノーマルルートを下降。25m×
2回、50m×1回の懸垂の後、クライミングダウン。ピナクル状を左にと
ってガリーに入る。ガリーを少し下った右手の小さなコル状に登り、25m
×2回の懸垂をし、右へ大トラバース。トラバースバンドの突端の手前で右
手にクライミングダウンし、ガリーに降り立ち更に下る。100mほど下る
とチマ・オベストとグランデのガリーに合流する。そこを下りハイキング道
に至る。午後9時、オーロンツォ小屋に帰着。
ぎりぎりのワンデイアッセントでしたが、この日7パーティーが取り付き、
下部で時間待ちしたこと、私達(私)の力量と3人パーティーだったこと、翌
日は晴れたものの その後天気が崩れ出し、3日後は夕方から大荒れになった
ことなどを考えると、好天に助けられての これ以上望めないほどの最良の結
果だったと思っています。
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