剣尾根上半・左稜線・八つ峰上半・C剣稜・源次郎尾根・同成城大
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日程 |
2000年7月29日(土)〜8月2日(水) |
メンバー |
(JECC)廣川、竹田、(風来坊)大野、須藤、樋渡、浦久保 |
記録 |
(JECC)廣川健太郎 |
写真 |
なし |
ルート図 |
なし |
<山 行 記 録>
廣川です。
2週連続で剣岳に行ってきました。天候に恵まれ、皆、真っ黒になりました。
しかし、昔は3日目、4日目とどんどん体調が良くなったものですが、最近で
は、登り、足の重さが取れないことも多いですねえ。
年を取ったということでしょうか。トホホ。
(20台の浦久保君をのぞく4名共通)
熊の岩は大分雪がとけてきていて、現状4張りは地面の上に幕営可能。
また、左股側に少し回りこんだ位置の大型が幕営可能な場所も地面がでています。
お盆あたり、更にとけるでしょうから、6〜7張りは、まあ大丈夫でしょう。
メンバー 大野、須藤、樋渡、浦久保(風来坊),廣川(JECC)
日時・行動
7月29日(土) 扇沢、今日は6時半の始発に乗り、室堂は8時15分着。
BCは先週と同じ、長次郎雪渓途中の熊の岩。
ロープ、炊事具等をデポしてあるので、前回より1日行程
が長いが荷物は若干軽い。
荷も軽いので、入山後1本登ろうと計画していたが、
皆疲れ気味で、BC設営後、15時過ぎから早速宴会・・。
30日(日) a大野、廣川(R4から剣尾根上部の予定が、上部のみに)
b須藤、樋渡、浦久保(長次郎左股〜本峰〜別山尾根〜BC)
廣川は先週は剣尾根下半を登ったが、今回はR4から上半を
大野氏と登る・・・。
先週に続いてボロボロの池の谷上部のガレ場を下し、左俣の
雪渓を降りていく。ところが、R4の位置はわかるのだが、
ラインが読めず、取付きがシュルンドで厄介な状況。特に、2P目
の取り付きのビレーポイントとその先の人工のラインが読めない。
1時間近く、あーでもない、こーでもないと悩んだが、凍った時期
にまた登りに来ましょうということで取りやめ。
結局、左股を登り返し、のんびり休んでから、R2、コルB経由で
剣尾根上半を登ることにした。
上半、1P目、リッジに絡んで登り、稜上に上がったところでハイ松
でビレー。40m2〜3級。2P目、リッジ左のバンドから凹角、
CSを越え、開放感のあるスタンスで残置ピトンでビレー。40m、
3級。3P目、見た感じは高度感のある見掛け倒しのリッジを忠実に
登ると安定したリッジになる。25m、2級。
結局、アンザイレンの必要を感じたのはここまでで、以降、コンテで
登る。途中フラットソールをつっかけ履きしていた大野さんがバラン
スを崩しかけ、ヒヤッとした一瞬もあったが、容易であった。
剣尾根の頭にあがるところで2〜3級程度の登りがあったのと、長次郎
の頭とのコルに下りるところでロープをセットしてゴボウでおりた位。
コルBから長次郎頭まで1時間45分、BCに昼過ぎに着いてしまい、
ビール買出兼の縦走組より早く行動終了してしまった。
31日(月) a大野、須藤(チンネ左稜線)
b廣川、樋渡、浦久保(八つ峰上半縦走+Y峰Cフェースご案内)
私、今日は、本チャン?は登ったことがないらしい樋渡、浦久保両名のご
案内の大役である。
X・Yの雪渓はシュルンドが大きく、Aフェース基部から回りこんでいく。
BCの雪解けの中から現れた昨年から放置されていたと思しき若干よれた
メインロープを持っていき、X・Yのコルから1P、下降用にフィックス
しながら登る。
更に、念のため、もう1Pロープを出して確保。後は容易な踏み跡を辿る。
Dフェースの頭を越え、Y・Zコルまでの間、2度小さく懸垂下降する。
Z峰から三の窓側の踏み跡を辿り、適当なところから尾根に戻ろうと思って
いたら、結局Z・[のコルまで巻いてしまった。
[峰は急な階段状、凹角を登り、最後の部分は念のためロープを付ける。
[峰を越え、小さく懸垂をすると、八つ峰の頭まで丁度1P、背後に空間が
広がる快適なピッチとだが、易しいのであって言う間に登り終わる。
二人とも快適そうに登ってくる。
三の窓の頭との間をクライムダウンもできるが、池の谷乗越側に懸垂で下降。
長次郎右股を下り、Cフェースへと向かうが、両名が急な雪渓の下りに時間
を食い、取り付きで大分待たされた。
Cフェースは、当初あまり登られていないRCCを登ろうと思っていたが、
急峻な雪壁とシュルンドで取りつけず、ポピュラーな剣稜会を登る。
ここは内容は省略。何度も登っているが、易しいけど景色、高度感が抜群で
快適なルート。
X・Yのコルへはフィックスに助けられ、楽に降りることができた。
大野、須藤組は取りつきを迷ったとのこと。
本日もBC帰着は15時と早く、宴会、暗くなる前に就寝。
1日(火) a大野、廣川(源治朗尾根T峰成城ルート)
b須藤、浦久保(源治朗尾根〜本峰)
樋渡さんは明日の下山に備え休養。
最初は中央ルンゼから継続を考えていたが、入山時、剣沢の警備隊の方から
中央バンドに雪渓が大きく残っているから中央ルンゼは水流がありますよ、
と言われたことに素直に従い、ロープやガチャを濡らしては、下山の荷も重
いだろうしとか、色々と考え、中央ルンゼは割愛することに。
b隊と一緒に源治朗下部をアプローチするが、これが結構悪い。
T峰上部へのトラバースは途中のハイマツ帯が急で閉口する。
大野さんも私も昔登っているルートなのだが、何しろ、20年くらい前なの
で取り付きが分からずうろうろする。
取り付きは中央バンドから沢状に絡んで左側の草付きを登った一段上、取付き
左側は小さな洞穴状となっている。
1P目、大野さんトップで、やや急だがおおまかな草付きまじりの凹角を登り、
ビレーポイントのテラスで残置を見逃し、右上する急なフェースを登り、ハイ
マツテラスまで45m強で一気に登ってしまい、1P短くなった。
雨がポツポツと時折降っている。天候の先行きがやや不安。
2P目(通常3P目)、凹角左の細かい、W標準のフェースを快適に登る。
トポでは30mとなっているが、20mほどで右手の安定したテラスまで。
3P目(通常4P目)、核心部である。大野さんが1,2Pを一気に登ったた
め、私にはお鉢は回ってこなかった。潅木でランナーをとった後、しょっぱな
が4〜5mランナウトする。ピンが抜けているのだろうか?。
せまいバンドをトラバースし、クラックに移るが、ここも支点が抜けているの
か大野さんはカムを数ポイント使う。
クラックからフェースを登り、更に左上する草付きクラックに移るところで
支点が見えず、結局ダイレクトのボルトラダーを5ポイント上がってから振り子
で正規ラインに戻る。40m強、結構悪いピッチだった。
4P目(通常5P目)、白山書房の日本の岩場ではX、左のクラックからフェ
ースを右上となっている。昔のトポではW、A1.雨粒がやや気になるのを口実
にアブミに数ポイント乗るが、古くて効きが今一つなので途中からA0とする。
ラダーが終わってから、傾斜の緩いフェースが右上しており、10mほど登れば
潅木帯に入れるが、支点がみあたらない、念のため右側のフレーク状のクラック
にカムをかませる。しばらく登ると、草の中に1本ピトンを見付けて一安心。
潅木帯に一旦入って、ここを抜けたところで35mでビレー。
まともなラインはここまでだが、続く5P目(通常6P目)、左側の草付きとの
コンタクトラインを登るが、要所は3級程度はあった。40m強。
6P目(通常は7P目)、脆い凹角をバックアンドフットでのぼり、左のフェー
スから草付きを登っていくと30mほどで踏み跡に合流し終了。
大野さんが1,2Pを一気に登ったおかげで、廣川は楽でなおかつ短いピッチが
あたった。
登攀は10時45分開始で14時終了。3P目(通常4P目)のカム使用ポイン
トとダイレクトからの振り子など、このピッチで時間を食った。
余分なガチャをしまい、源治朗尾根を1峰、2峰と縦走し、2峰を懸垂下降、
熊の岩へと雪渓を拾ってトラバース、Bc到着は15時半位。
行程終了のおつかれさん宴会を外でやっていると夕刻雨が降りだし、夜半の降り
は結構激しかった。
2日(水) a大野、須藤、樋渡、浦久保(梯子谷乗越経由黒部ダムへ下山)
b廣川(本峰経由早月尾根、馬場島へ下山)
廣川は、無雪期の早月尾根は未体験だったので、単身早月尾根を下り、糸魚川
から大糸線経由で戻り、大町で皆と再合流の予定とする。
5時過ぎBCを撤収し出発、6時半、山頂着。朝早いせいか、夏の剣の頂上で
誰もいない。20分ほど、写真をあれこれ撮ったのち下山開始。
早月小屋8時20分〜35分、ここで携帯でタクシーの予約を頼む。
1600m地点、9時40分〜50分。靴の中、指先が大分だるく痛くなって
くるのに耐え、スピートをあげ、10時45分、早月尾根登山口着。
夏の早月尾根は、上部は険しいものの鎖などがあり特に問題はないが、早月小屋
から下が、岩のスタンスの外傾しているところ、しつこい位の木の根などが続き、
前日の雨も手伝ってか、降りにくい(スピートをあげにくい)道であった。
途中、91歳、剣岳の登りおさめに来たという単独のお爺さんにあった。別山尾
根では登りおさめにならないという立派なお話であったが、下りの道、足元が悪
いので少し心配である。
11時半、予約のタクシーに乗り、12時16分の特急で上市から新魚津で降り
るべきところを電鉄魚津で降りてしまい、タクシー1メータでJR魚津へ、
5分待ち合わせで12時53分直江津良きに乗換え、後は糸魚川、南小谷と順調
に接続、15時半頃、大町に到着。扇沢組と再合流した。
以上
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