衝立岩/ミヤマルート

ARIアルパインクラブ/有持真人、原岳広


<山行日> 2000年6月17日(土)<記録> 有持真人、原岳広



有持@ARIです。

 土曜日は、久しぶりに谷川を登ってきましたので、簡単ですが報告します。

<日程>   2000年6月17日(土)
<ルート>  衝立岩/ミヤマルート
<メンバー>  ARI/有持、原
       衝立岩/雲綾第2ルート
        ARI/大野、藤原
       烏帽子沢奥壁/変形チムニー
        ARI/雨宮、遠山、中山
<記録/ミヤマルート>

 一ノ倉沢出会(04:00)〜ミヤマ取付(04:40/05:20)〜 帯状ハング下(13:00)〜北稜下降〜一ノ倉沢出会(15:30)

 谷川岳は、5月の下旬から計画をしていたが、週末 になると天気が悪くなり、中止かエリア変更ばかりで 行く事さえできなかった。

 金曜日の夜の天気予報では、土曜日は晴れ、日曜日 が雨と言う予報になっていたので、迷わずに出発する。  久しぶりの良い天気予報だったので、一ノ倉沢出会 の駐車場は満杯かなと思っていたが、意外と車が少な い。

 舗装してある駐車場は工事のため半分しか使えなく なっている。

 取り付きで順番待ちをするのも嫌なので、1時間ほ ど仮眠をして、04:00に出発。

 雪渓が出会まで残っているのであっという間にテー ルリッジに着いた。

1p(有持)40m W・草付き

2p(原) 30m W・草付き

 1p、2pはほとんどランニングが取れないので、 濡れているとチョット悪い。

3p(有持)30m X・A1

 ダイレクトカンテの取り付きからフリー混じりの人 工で直上する。

 どなりのダイレクトカンテを、オバサン2名を連れ たガイドと思われるパーティが登っている。私もガイ ドで何回か登った事があるが、お客が2名もいると結 構大変そうだ。

4p(原) 35m A2

 ここから三日月ハングの下までの3ピッチは、トレ ーニングとして原にリードをしてもらう事にする。

 このピッチはA2となっているが、A1+ぐらいで ある。途中のフレークがグラグラしていてちょっと悪 い。

5p(原) 40m W・A2

 ここで雲稜第2を登っている大野、藤原パーティに 追いついた。大野がハングをリードしている横を原が ザイルを延ばして行く。

 もう少しでハングを抜けるという所で、いきなり衝 撃。上を見ると原が宙づりになっている。残置ハーケ ンが折れて8mほど墜落したようだ。

 ケガもなかったので登りかえして、バカブー1本を 打ち直し、ビレーポイントへ。

6p(原) 20m W・A1

 単調な人工だが、テラスの下部が少し悪い。

7p(有持) 25m W・A1

 ここのビレーポイントは古くてチップが見えるよう なボルトばかりなので、リングボルトを3本打ち足し て補強しておいた。ボルトは根本までしっかりと打ち 込んである。

 三日月ハングは残置支点のないボロボロの岩だが、 だましだましバカブーを2本打って進むと残置ボルト に届いた。このころから雨が降り出し、原がフォロー で登り出す頃には本降りになってきた。

 雨の中、バカブーの回収が上手くいかず、結局2本 とも残置してしまったので、再登した人は遠慮なく回 収して下さい。

 帯状ハングの下部まで来て、後3ピッチだが、もう ずぶ濡れだし、この雨の中を登る気にもならないので 北稜へトラバースして下降する事にした。まあ、核心 部は越えているので十分だろう。

 雲稜第2の大野、藤原は帯状ハングを越えて終了点 間近で雨に降られた様だが無事に完登したみたいだ。

 無線では変形チムニーパーティは南稜を下降中との 事。我々も雨の中を北稜を下降した。

 天気予報では、18:00までは雨の確率が0%だ ったのに12:00ぐらいには雨が降りだし始め、1 3:00頃には本降りになり、結局、完登出来なかっ た。天気予報も結構いいかげんだ。

 ミヤマは人工のムーブは難しくはないが、残置支点 がだいぶ老朽化しているのでハーケン、ボルト、そして 3mmの細引きは多めに持参したほうがいいだろう。

 そして、ブヨが多いので虫よけスプレーも忘れずに・・・・・。



原@ARIです。


すでに有持さんからupされましたが、簡単に補足いたします。


> <日程>   2000年6月17日(土)
> <ルート>  衝立岩/ミヤマルート
> <メンバー>  ARI/有持、原
>        衝立岩/雲綾第2ルート
>         ARI/大野、藤原
>        烏帽子沢奥壁/変形チムニー
>         ARI/雨宮、遠山、中山

> 4p(原) 35m A2
>
>  ここから三日月ハングの下までの3ピッチは、トレ
> ーニングとして原にリードをしてもらう事にする。
>
>  このピッチはA2となっているが、A1+ぐらいで
> ある。途中のフレークがグラグラしていてちょっと悪
> い。

フレークがぐらぐらしているところは丁度フリーになるところですので要注意です。ガバ
だと思ってつかむと間違いなく剥がれると思います。ここはランニングも全然とれないの
で、キャメJr.0,75があるとちょっと安心です。

> 5p(原) 40m W・A2
>
>  ここで雲稜第2を登っている大野、藤原パーティに
> 追いついた。大野がハングをリードしている横を原が
> ザイルを延ばして行く。
>
>  もう少しでハングを抜けるという所で、いきなり衝
> 撃。上を見ると原が宙づりになっている。残置ハーケ
> ンが折れて8mほど墜落したようだ。
>
>  ケガもなかったので登りかえして、バカブー1本を
> 打ち直し、ビレーポイントへB

ビレイポイント直下の3段くらいのハングの抜け口の腐ったハーケンが折れました
(^^;;;
登り返した時は、ここにバカブーを一本打ち込みました。丁度良いリスが横に走っている
のですぐに分かります。しかし、その下はリングの飛んだボルトで3mmシュリンゲに乗
らなければならないため、打ち込み動作は慎重に。ランニングも取れません。また、この
バカブーは回収してしまったのでありません。行く方は持参した方が良いと思います。

> 6p(原) 20m W・A1
>
>  単調な人工だが、テラスの下部が少し悪い。

テラスの下のフリーは高度感があって怖いですが、思い切ってアブミから離れればなんて
事はないと思います。登ってみればWです。でも、ランニングのハーケン/ボルトは全て
ボロボロなので、落ちたらどこまで抜けるか分かりません。
三日月ハングの下のビレイポイントは、スタンスはしっかりしていて快適です。

> 7p(有持) 25m W・A1

>  三日月ハングは残置支点のないボロボロの岩だが、
> だましだましバカブーを3本打って進むと残置ボルト
> に届いた。このころから雨が降り出し、原がフォロー
> で登り出す頃には本降りになってきた。
>
>  雨の中、バカブーの回収が上手くいかず、結局3本
> とも残置してしまったので、再登した人は遠慮なく回
> 収して下さい。

三日月ハングは本当にボロボロでした。
打ち込んだバカブーは二本でしたよね。>有持さん
二本目から既存のリングボルトまではかなり遠いです。
二本のハーケンをクリーニングし損ねてとても残念で、それから大変申し訳ないと思いま
す。今度行く方は抜いて下さい。
でも、行ってみるとわかるけど、次のハーケン/ボルトに乗ると、前のハーケンが抜きに
くく(というか、きちんとハンマーが振れない位置関係にある。)、本気で抜くとしたら
ユマーリングしないとならないと思います。多分、ユマーリングでもかなり振られますが
。

ミヤマは全体的にボルト、ハーケンとも8割方腐っていました。かかっているシュリンゲ
も今にも切れそうなものばかりですので、大胆な巻き込み動作は避けた方が良いかもしれ
ません。3mmをたくさん持っていくと役にたちます。

以上、何ら御参考まで。

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