一ノ沢/左稜

福岡(FYK)/蜂谷一彦、野村聡、福村浩子、寺田道子


<山行日> 2000年3月18日(土)〜19日(日)<記録> 蜂谷一彦



 蜂谷一彦@福岡(FYK)と申します。

 先日の連休に、一の倉沢・1の沢左稜に行ってきました。メンバーは、野村聡さん、 福村浩子さん、寺田道子さん、私、の男女2名ずつ。

 3/17(金)、二日市に20:00集合。野村氏所有のパジェロの屋根にザックをくくり つけて、20:30頃出発。ノムさんの愛車に『キャサリン2号』という名称を与えて、 長い長いドライブが始まった。太宰府ICより九州道〜中国道〜山陽道〜名神〜 中央道〜長野道〜上信越道〜関越道・水上ICと交代で運転をつづけた。関西 以東では、さすがに九州ナンバーを見かけることは無かった。

 高速代は片道約2万4千円。土合まで片道約1200q。指導センターについたの が昼前だったか。カモ鍋の食材やシュラフ等をデポして、とりあえず一の倉出合に 向かう。出合付近でビーコンの使い方を練習したあと、さてどうしましょうかと作戦会議。

 予報では、翌日午後から天気が崩れるという情報だったので、当初予定していた 1・2中間稜〜東尾根をあきらめ、かわりに「1の沢左稜」をあがって途中でビバー クしてみようかということになった。15時半頃、行動を開始。左稜にはトレースが 残っており、それを使わせていただいた。下部樹林帯を抜けてリッジに這い上がる 手前からロープを出す。振り返えると上越の山々の折り重なりが白くて美しく、また、 衝立岩の迫力にも圧倒されてしまう。灌木とスノーバーで支点をとりながら慎重 に行動、やがて日没となり、岩峰直下のコルまで進んで19時頃ツェルトを張る。

 ※ 衝立岩上部に2つの明かりが見えました。

 <[alpine-climbing:3431] 一ノ倉沢 衝立岩中央稜>で関西岩峰会・梁瀬様が報告され ていましたが、私達が見た明かりが、きっと梁瀬さん達だったのでしょうね。 初心者の私にとっては、衝立岩などは憧れの対象ですから、黒々とした衝立の 中で揺れている2つの光を見て、ああカッコイイなぁと尊敬の思いでした。

 我々4人のこの日の晩御飯は、「サトウの御飯」3袋と「みそ汁」2袋をまぜて、 「イカナゴ」をテキトーにまぶした超豪華メニュー?で、なかなか美味しかった。 ツェルトのなかで4人で身を寄せ合って寝たが、熟睡できたのはノムさんと寺田 さんの2人だけ。私も福村さんも寒くてほとんど寝れず、午前2時すぎに起き出し てコンロに火をつけてお湯を作ったりした。そのうち、ノムさんと寺田さんも目覚め、 3時すぎに朝御飯。メニューは昨晩に同じ。朝5時頃、行動再開。

 コルから灌木で支点をとりながら直上し、5〜6Pでてっぺんのリッジに出る。 なかなか素晴らしい高度感。右下を見下ろすと、「1の沢」上部の急な斜面につけ られた足跡が点々と続いている。あたたかな日差しを浴びると、猛烈な睡魔に襲 われる。せまいリッジを2Pほど進み、残置ビナのあった灌木にバックアップのシュ リンゲをセットして左手の斜面に懸垂下降。トレース伝いにルンゼをトラバースして シンセン尾根を下降し、マチガ沢側の雪庇を避けて、左手の傾斜の緩い樹林帯を テキトーに下り、一の倉出合に戻る。

 一の倉尾根を見上げると、側面の一部が日中に雪崩れたようで、地肌が黒く浮き 出ており、真下の一の倉沢のトレースはデブリで埋まっていた。 指導センターに16時頃到着、デポしていたカモ鍋&ビールで乾杯。胃袋に染み わたる旨さだった。結果的には、お天気は1日持ったわけで、充分チャンスがあっ たのに中途半端な山行で終わってしまった。でも、それなりに楽しむことが出来た し、有意義だったと思う。

 さて、今晩の寝床をどうするか。F・T両女史は『素泊まり\3,500の宿は高い。 指導センターかどこかの軒下でシュラフで寝よう。車の中でもヨカよ』と言い、ノム さんは『暖かいお布団で寝ようよ。明日の運転もあることだし。』と意見が分かれる。 私はどっちでもよかったが、とりあえず温泉につかりたい。

 最初、「湯テルメ」に行ったが車の行列で20分待ちとか言われ、やむなく水上の 温泉街を徘徊。ナントカ温泉館というのを見つけ、冷えた身体を解凍した。(入浴料 \600) 同館の女将さんにF・T両女史が値切り交渉して、結局、素泊まりコースを 採用することに。おかけで、暖かな布団に身体を横たえることができ、しっかりと 睡眠をとることができた。

 3/20(月)、7:30に同館を出る。出発間際に宿のオバちゃんが、小さなリンゴを 4つ寄こしてくれた。その親切に一同感動。水上では雪が降っていたが、上信越道 に入る頃には、すっかり晴れ間が広がってきた。

 来た道を延々と戻って、21時頃に関門橋にさしかかり、九州に再上陸するときは 車内で歓声と拍手が沸き起こった。 \(^o^)/

 往復2400q。登山の内容よりも、ドライブの方がハードだったかな。ノムさんが 大半の距離を運転してくれたものの、帰宅したときは私もヘトヘトの状態だった。 今日は疲れが抜けきらず、グロッキーな状態。

 野村さん、福村さん、寺田さん、そして親愛なる「キャサリン2号」、大変おつかれ さまでした。ありがとうございました。

 追記: 遅くなりましたが、谷川に逝った吉尾さんの御冥福をお祈りします。合掌。


★ エリア別山行記録へ戻る ★ INDEXへ戻る