一ノ倉尾根

静岡山岳会/松永、伊藤


<山行日> 2000年3月10日(金)〜11日(土)<記録> 松永



 今回は会の月例山行で谷川岳集中、その一ルートとして登攀。

 10日、やや寝過ごして6時指導センターを出発。 登山計画書を拝見すると、本日の幽ノ沢・一ノ倉沢は盛況の様子。 出合に着くと、テールリッジ上にはすでに人が列を作っている。烏帽子奥壁には大氷 柱が見える。

 天気は曇りベースながら今日一日は持ちそうな気配である。

 我々より一足先に2人パーティが先行、トレースを追うように尾根上へ。 雪は新雪が積もっており、足首から膝くらいまで。 第一岩峰からアンザイレンをする。懸垂岩上部までの雪質は柔らか目であまり気持ち のいいものではなかった。

 懸垂岩の人工部分は問題ないものの、人工からフリーの部分とその上の凹角部分はア イゼン・手袋ではちょっとてこずる。(氷ばかりで岩をやってないから当然 か...。)

 一ノ倉沢方面を見ると、東尾根・中間リッジ・滝沢リッジ・烏帽子奥壁・衝立岩と主 なルートには人影が見える。一度二ノ沢から大きな雪崩が出る。

 幽ノ沢3ルンゼにトラバースする手前のリッジ上で時間切れとなってしまい、先行し ていた宇都宮のパーティと同じ場所でビバーク。風が次第に強まり、予想通り天候は 悪化に向かう。

 11日、明るくなると同時に出発。天気は悪く吹雪。稜線まではクラストしており短 時間で登れた。しかし辿り着いた国境稜線は、ホワイトアウトに近く視界があまり利 かない。トレースも不明瞭で現在地の確認が出来ないまま本峰を目指す。左側の雪庇 の縁を辿りながら肩の小屋に何とか着くことができた。

 下山は西黒尾根を降りるつもりが、取り付きがはっきりわからず天神尾根に転進。別 世界のようなスキー場へと降りた。

 同じ会の東尾根・中間リッジ各パーティは、雪の状態が悪く途中で引き返しており、 今年は状態がまだベストとは言えないようです。


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