日向山/濁川流域/ヤチキ沢

岳樺クラブ/杉山(単独)


<山行日> 2000年2月27日(日)<記録> 杉山



1 概要

日向山の北面のヤチキ沢は標高差700m、山頂近くまで続く 長い沢である。単独で登ってみることにした。

<天気> 晴れ

<山域>南アルプス前衛 日向山北面

<25000地図>長坂上条

<参考>日本登山大系南アルプス(白水社)

<時間>

 7時韮崎出発 7時40分濁川林道ゲート前駐車〜8時標高900mヤチキ沢出会〜 9時F1(12m4級―)9時40分F2(15m4級+)〜11時標高1600m稜線〜 11時15分下降開始〜13時林道〜13時20分車戻り〜14時帰宅

3 詳細

3週連続で濁川林道に車を乗り入れる。昨夜の雪がうっすらと積もり、 冷え込みも厳しい。ヤチキ沢に踏み込むと、いきなり氷のナメ滝が連続している。 傾斜は緩いのでどんどん行く。

 標高1200m付近で左に10mの氷瀑があるが本流は右である。 しばらく行くと左側に12m(4級―)の滝が現れるが、これが本流らしい。 ここではF1と呼ぶことにする。ロープは出さずにフリーで登る。

 9時40分標高1300m付近で15m(4級)の滝が現れる。 これをF2と呼ぶ。上部がバーチカルに近い。

1 0mまでフリーで登り、左の窪みでスクリューを2本うちアンカーとする。 ロープを出して一気に登る。グランドフォールの恐れがないので安心である。 登りきって潅木にビレーをとり、懸垂でスクリューを回収に降りる。

 スクリューを回収後シャントで確保して登る。蹴り込んだら滝に穴が開き、 内部の空洞に足が落ちそうになり、あせる。この滝が今日の核心部だった。

 氷のナメをどんどん登っていくと、30mほどの3級のナメ滝が現れる。 これをF3と呼ぶことにした。フリーで楽勝である。 この付近で標高1400m。

 ここから先はコケの生えた急斜面を上がる。汗びっしょりになり、 標高差200mを登ると日のあたる明るい笹の稜線に出た。 山頂(標高1660m)はすぐだがここで昼食とする。 紅茶とタバコで一息いれて、11時15分に下降開始。

 途中、2回の懸垂でF2の上まで下降。3回目を下ろうとして、 右足のアイゼンがないことに気が付く。沢の雪は膝まであり、 どこかでアイゼンが外れたまま、下ってしまったらしい。 これはえらいことになった。シャルレのモノポイント2万円がパーにな る。。。。

 というわけで、懸垂で下降した個所をバイルと左のアイゼンだけで登り、 100mくらいもどると、奇跡的に雪の中から、少し顔を出していた。 ほっと一息。 こいつが外れたのはこれで3回目。気にいったアイゼンだが、 足からすっぽ抜けるという問題がある。 4回の懸垂と飽きるほど長い氷のナメ滝をクライムダウンして、 13時に林道に下った。

4 感想

 今日はアイスクライミングというよりもアイスハイキングと呼ぶのがふさわしい。 ヤチキ沢は最後まで踏跡皆無で、枝沢のどれが本流か不明です。


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