笛吹川/東沢/乙女の沢

獨標登高会/西片、奈良、雑賀、寺田


<山行日> 2000年1月16日(日)<記録> 寺田正之



 コースタイム:6:00起床〜7:25雁坂トンネル駐車場発〜9:43乙女の沢出合〜10: 30登攀開始〜14:05大滝上〜16:10乙女の沢出合〜16:25出合発〜18:05駐車場着

 手近なアイスということで乙女の沢の山行を計画した。この暖冬で氷結状況は懸念 されたが、登れれば儲け物、だめなら温泉と軽い気持ちで出かけた。

 現地に着いてみると冷え込みはたいしたことはない。昨年訪れた時は駐車場はクラ イマーで溢れていたのに、今回は我々のみである。こんな陽気では、わざわざ偵察で も訪れる物好きはいないだろう。

 アプローチは汗ばむほどだ。本流にはほとんど氷はない。吊り橋を渡り、西沢との 二股を過ぎ入渓する。河原に積雪は有るものの氷はまったくない。昨年は良く凍って いた清兵衛沢に氷のこの字も無く、水がじゃぶじゃぶ流れていた。上流に行くに従い 本流上に氷が現れてきたが、流れを埋めるほどではなく、何度も徒渉を強いられた。

 乙女の滝に到着すると、果たして氷は有った。と言ってもジャージャー水が流れて いて氷結状況は最悪。全面氷結ならどこでもルートは取れるが、この状況では向かっ て右の氷結のましなところをだましだまし登るしかない。奈良のリードで取り付く。 下を水流が流れ、所々穴が空いている。スクリューは根元まで入らない。注意しない とピックやツァッケが岩を打つ。

 滝上のナメはすべて雪に埋もれていた。チムニー状の小滝は岩にベルグラが張り付 いた状態で、水が流れている。倒木や氷をホールドにしたり、ピックを岩に引っかけ 通過。しかしこれより先氷結状況は良く、3段40メートルの滝上までノーロープで登る。8 0メートルの大滝は向かって左は水分を含んだザクザク状態。右は割とよく凍っている。 滝の左右では、顕著に色が異なっていて興味深い。奈良・西片、雑賀・寺田でアンザ イレンし、2パーティ平行に同時にリード。途中でピッチを区切り、つるべで登る。 上部の傾斜が落ちるところは雪に埋もれていた。

 下山は巻き道を下り、乙女の滝のみ懸垂下降。

 今回当初より期待していなかったが、上部の状況が良くそれなりに楽しめました。 バーチカル部分は無いが、大滝はスケール的に登り応えが有ります。斜度はそれほど 無いのですが、途中でピッチを切りビレイポイントを作ったり、基本的な技術の練習 に最適だと思います。これから冷え込みが続けば、もう少しは発達するのではないで しょうか。新しい踏み後が有ったので、前日に他パーティが入山したのでしょう。こ の日は我々だけの貸し切りで、静かな山行を楽しむことが出来ました。

 乙女の滝の下降は右岸のスリングの残置された木から50メートル2本で可能です。45メートル 2本ではギリギリでしょう。右岸のヤブを歩いても下降できます。携帯は圏外です。

 帰路は笛吹きの湯(¥500)で汗を流し、その先のラーメン屋で夕食(プレハブの店 構えで、店名は多分中村屋だったかな?)ねぎ味噌ラーメン中辛(¥650)と手作り ギョーザ(¥500)がお勧めです。

 正月、成人の日と休みが続いたせいか高速もガラガラでした。


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