大武川支流/一ノ沢大滝

JECC/廣川、雲表/長嶋、三浦


<山行日> 2000年1月16日(土)<記録> 廣川健太郎



 予報では16日の日曜の天気が悪そうだったので15日 土)、二回目の一の沢大滝に行ってきました。

 メンバーは、雲表のホゲ氏、三浦さんとJECCの廣川。 時間に余裕のあるホゲ氏と三浦氏がホゲ車で先行、一人で おいかける。 待合せ場所の理解に行違いがあったが、夜遅く人面橋の先、 右岸の小さなテン場に合流。

 前半部、高巻き、下降の際のポイントを少々詳しく書いて ますので、適当に飛ばして呼んで下さい。 なお、一の沢は、同下降するのであれば大滝左岸の懸垂に ダブルロープが必要です(V字スレッドでも交えれば別と して)。

15日(土)、5時45分起床。7時出発。

 二の沢へは林道を数百m.二股までは釣りだか、狩猟の踏 跡が所々付いている。 右岸、左岸と何度も渡り返すが、二股までの難しいポイン トは二箇所。最初のは周囲が高いゴルジュ内、左奥で飛沫 をあげている滝。とても登れないと左岸から大きくまいた が、実は右奥の岩のコーナーにワーヤーが張ってあった。 ボロボロだったが、懸垂用の支点もあった。

 二つ目は大分二股に近い地点で大チョックストーンにはば まれ、やはり左側に滝があるが、氷結甘し。右側が凹角に なっているが、抜け口が少々悪い。登りは途中から左に抜 けたが、凹角通しに右に出た地点にここも懸垂用のボロイ 支点があった。二股まで約2時間。

 二股に入って、大岩の間を抜け、左に曲がり、一段陰うつ ナゴルジュに上がり入っていくと、すぐに大CS滝。全く 凍っておらず、ゴルジュ入口手前の登り易そうな地点まで 戻り、アイゼン、ハーネス、メットを付けて高巻開始。 やや左上するように、距離にして100m程度登ると小尾 根状に出てCS滝が眼下左に見える。

 少し開けたあたりから、草付きの斜面をトラバースし、C S滝を過ぎたあたりから、下り気味におりて低い位置を目 指す。15m程の懸垂で谷に戻る。

 ここは登り返す場合は、左岸側の小沢出合い近辺から。張 りだした稜状の岩と潅木、草付きがうまく混ざっている所。 傾斜があるのでクライムダウンはあまり勧められない。 更にしばらくいくと、本流通れず、左岸CSのかかった棚 の凹角を登らされる。以前来た時はは大きく高巻いた記憶 がある。

 ここを越えると下の大滝だが、真ん中半分に水流がジャー ブジャーブ。下もきちんと繋がっていない。右岸側の小ガ リーから大きく高巻いて、2つ先のガリー状をクライムダ ウン。

 ここから上は、まずまず凍ったところがでてきて、簡単な アイスクライミングを楽しみつつ登る。 やがて前方左手に尾根、右側に壁状の斜面があらわれ、谷 の傾斜が強まってくると、左手に大滝が立派な姿を現した。 一応、きちんと凍っている。

 11時45分、大滝下着。大分奥深くまで、やってきたが、 長坂の町が尾根越しに望まれ、携帯が通じる。 廣川はカジタベントのピック、ネジが緩んできてしまい、 レンチを探すがが忘れてきており、誰も合うものを持って なかったので、これ以上緩まないよう、ヘッドをテーピン グしてグルグル巻きにする。二本の内の一本がこんな調子 なのでトップは辞退。

 三浦氏は久しぶりのアウトドアでのクライミング、年末は 扁桃腺だかの手術をしたばかりということもあり、これま たトップを辞退。 なんと、このメンツで2人トップを辞退するという予想外? の事態により、大滝はホゲ氏がオールリードすることに。 12時15分頃、登攀開始。同下降なので荷物は取付きに 置いていく。

 1P目、凹角右の60〜70度の安定した易しい氷を40m。 昔は一段登ったところに倒木があってビレーを取れたが、 今はない。スクリューでビレー。

 2P目、緩い滑状を左岸側を目指して20m右上すると、 ボルト2本のビレー点。

 3P目が核心部。前回来た時は氷のうろ、というか、うろこ というか、氷塊がへんな形でできていて登りつらかったが、 今回は均一に滑らかに凍っており、登るのは易しそう。でも 気温が高くてビショビショ、濡れの少ないラインは右側にし かとれない。70〜75度程度が続き、一部80度位か?。 前回よりもはるかに易しく感じた。 45m強登ってちょっと傾斜の落ちたところでスクリューで ビレー。

 4P目、右側を直上しても良いが、ホゲ氏は左のカンテ状に 回り込むみ、なかが空洞の板氷に不気味な音を響かせながら 登っていく。すぐに傾斜が落ち、ロープがガンガン伸びる。 50m目一杯で雪溜りまで、スクリューでビレー。

 5P目、そのままセカンド、サードが10数m氷を上がり、 左岸側草付きに上がり、潅木でビレーして終了。 15時ちょっと前だった。

 大滝上の直バク、前回、溝渕さん、長尾(山野井)さんと来 た時に初登した中滝は非常に良く凍っており、良い状態。 ホゲ氏は大滝の傾斜に今一つ手応えがなかったせいか、ブー スカ言っていたが、中滝には気を引かれたようで未練タップリ。 日帰りなんだから、帰れなくなるよと言って登攀をあきらめて もらう。

 大滝の下降は左岸。急な樹林を20〜30mクライムダウン。 懸垂は1回目はブッシュの中を25m。2回目が中途半端で バンド状下部の大木まで10m。ここはダブルにした方が良い かも。

 その先がダブルで45m。細いレッジ状に生えた潅木まで。 更に20mで2P目終了点のボルト支点。 最後は50mダブルできっちり取付点まで降りられた。 飯を食べ、身繕いをして、16時過ぎ下降を開始するが、上 の大滝を巻く登りかえし地点に迷ったりで、部分的に手間取る が、結局登りよりも時間がかかり、たしか21時半位に林道に 戻った。

 日曜は結局天気がもってしまい、これだったら、中滝も登って 二の沢を降りるか、境界の支尾根を降りればよかったとも思っ たが、まあ、長いアプローチ、下りをこなして日帰りができた のでまあ良しという感じでしょう。

 雪はあって5cm、ほとんどないに等しい状態でした。 次回はガンガンに冷えてバリっと凍った時に、下の大滝、大滝、 中滝を直登し、更にわらじの宮内さん、遠藤さんも初登時には 沢の最上部までつめていないので源頭部まで行ってみたい。 PS 現在、無職の長島ホゲ氏、無職の間はナガヒマと呼んで もよいとのこと。


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