一方、昨年のように雪の多い年ですと、私も12月の上旬に行きましたが、これ また有持さんのおっしゃったとおり、指導センターからラッセルでした。 昨年のような状況は初めてであり、例年ですと、正月前は、出合いまでラッセル があるということはあまり無いように思います。
ただ年が明けて1月の下旬から 2月一杯は、かなり雪の量も増えて、天候も悪い日が多くなりますから、場合に よると、指導センターのちょっと先まで行って敗退なんてこともあります(実際 に何度かありました)。
テールリッジの末端までは、例年ですと、12月の中旬くらいまでは夏道どおり ですが、今年は昨年の大雪で、雪の残量が多いみたいですから、わりと早い時期 から沢どおしに行けるかもしれません。
中央稜の基部までテールリッジを回り込んで衝立スラブを登れるのは、本当に雪 が安定しているときに限った方がいいと思います。雪崩の危険ということもあり ますが、テールリッジが不安定なときには、衝立スラブも結構不安定で、クラス トした雪を踏み抜いたらその下がベルグラになっていたこともありましたので、 安全を期するのであれば、ロープをつけて、テールリッジを忠実に登った方が、 そこそこランニングもとれて、いいかもしれません。テールリジをなめては行け ません。
南稜とかを登るのに、烏帽子奥壁の基部を回り込むときにも注意が必要です。基 部は烏帽子スラブに向かって急雪壁になっていますから、降雪直後など雪が不安 定なときには、かなり怖いです。また、トレースがないときにはラッセルが必要 になってきますので、変チの下あたりを通過するときには、大氷柱に注意しなが ら、スピーディーに通り抜けたほうがいいです。天気の良い日など、絶えず氷が 降ってきますので・・・。
ルートを登って、稜線を回らずに下降するのであれば、迷わずに忠実にテールリ ッジを下るべきです。もっとも、テールリッジでも吹雪かれてホワイトアウトに なってしまうと、立ちすくんでしまいますが・・・。
谷川というのは、ようは谷底ですから、ルートに取っついているときはいいので すが、取り付きまでのアプローチの登下降中は絶えず雪崩の危険に曝されている のだと十分認識して、スピーディーに行動する(行動できる)ことが必要です。