ピッケル回収式懸垂下降

札幌@小野寺です。

 先日の氷雪訓練から

【ピッケル回収式懸垂下降】

雪壁などでピッケルを支点に懸垂降下した後、それらを回収するという技術である 。『岳人』には紹介されていたものの、どういう状況で有効なのか、簡単にその技術 が使えるかということであった。

 急な斜面で数パーティに分かれ訓練を行なった。雪の状態は新雪でパウダースノーに 近かったが、踏み固めれば少し固まるという程度。訓練の結果、立てた方のピッケル の位置、深さ、立てる角度、それに雪の堅さが重要であることが解った。

 まずピッケルの位置はアンカーピッケルの横より前(降下する方)が倒れにくくて良 い。深さは雪から出ている部分が、アンカーピッケルを埋めている深さより長くなけ ればならない。

 図ではL1をL2より長くする。立てた角度は堅い雪の場合倒れやす くするために下降する方にやや傾ける。新雪の場合支点のアンカーピッケルが引き上 がってからピッケルが倒れないと駄目なので、反対側にやや倒して刺しほぼ同時に回 収する形となった。雪が柔らかいと懸垂する方に傾けて立てても、アンカーピッケル を引き上げる前に立てたピッケルが倒れてしまいアンカーピッケルが溝の中に引っか かって回収不能になった。

 新雪の時は懸垂前にしっかり踏み固めてT字に溝を穿って 、アンカーピッケルに雪を被せてはいけない。すぐ引き上がらないため。 結論はこの技術も雪質や斜度によって使い分けなくてはならないだろう。いろんな状 況化で訓練する必要がある。特にパウダースノーの時など立てる方のピッケルのセッ トが難しく、あまり適した技術と言えないのではないか?これからまだまだ研究の余 地がある。

 *L1.L2は岳人の解説図からです。以上の文は当会の伊藤が作成


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