「超人」のピッケル?発見 |
「超人」と呼ばれたオーストリアのヘルマン・ブールが初登頂したヒマラヤのナンガ パルバット(パキスタン、8125メートル)に残したと見られるピッケルが見つかった 。7月に登頂した日本勤労者山岳連盟隊が、このほど持ち帰った。
ヒマラヤは参勤、地球温暖化の影響と思われる氷河の後退などが目立ち、今年5月、 世界最高峰エベレストで行方不明になったジョージ・マロリー(英)の痛いが75年ぶ りに発見されるなど、先人の遺品が相次いで見つかっている。
ブールは20年以上も時代を先駆けた伝説の登山家として知られる。1953年、ドイツ・ オーストリア合同のナンガパルバット登山隊に参加し、当時としては驚異的な単独無 酸素で初登頂後、未踏の7千メートル峰で遭難死した。ナンガパルバットは1895年の 初挑戦から、ブールの初登頂まで31人の死者を出し「魔の山」と呼ばれた難峰。
ブー ルは「ピッケルを頂上に残し、ストックを頼りに下山した」と著書に書いている。 ピッケルは7月に登頂した池田壮彦さん(52)が頂上直下約10メートルの岩陰で見つ けた。今季は雪が少なく、山頂から300メートル下まで岩が露出していた。
ピッケル には登はん隊長の名前が刻印され、ブールの著書にある写真に酷似していた。
(9月5日 朝日新聞 朝刊)
ACHP編集部