喪われた岩壁/第2次RCCの青春群像 |
獨標登高会の寺田です。 懐かしい本が書店に並んでいたので紹介します。 タイトルは『喪われた岩壁 第2次RCCの青春群像』。初めて読んだのは今から15年ほ ど前。当時は山渓より刊行されていました。奥山章を初めとする、近代ロッククライ ミングの礎を築いた先人達の列伝です。特に冒頭の松濤明の話しに、感銘を受けまし た。私くらいの年代ですと、この本の影響でクライミングを始めたという人は多いの ではないでしょうか。友人に貸したまま音沙汰が無くなり、山渓でも絶版になってい ました。当時は新書版だったかな?表紙はアブミでハングを越えるクライマーのイラ ストだったと思います。中公文庫として新装された今回は文庫サイズで、表紙は冬の 一の倉のカラー写真で今一趣に欠けます。巻末の解説は池田常道さんの書き下ろしで す。これからアルパインを始める若い人に是非読んで欲しい一冊です。雨の休日はト レーニングでなく、読書登山もいいでしょう。 なお著者の佐瀬稔さんは、昨年五月に他界されたとのことです。 中央公論新社 中公文庫 (さ 39 4)6月18日発行 定価838円(税別)