コップ状岩壁を登って感じたこと

鹿野@グループ山想です。

先週一の倉のコップに行って来たのですが、その時感じた事など、、、、

最近の一の倉と言えば南稜から中央稜の間のいくつかのルートに多くの人が群
がるように集中して大混雑し、真のアルパインを楽しむにはほど遠いゲレンデ
化した状態ですが、衝立を挟んだコップは訪れる人も少なく、草つきや濡れて
苔むした岩登りなど中々の手強さで我々を迎えてくれ、ビレーも自己申告で叩
き込む等真のアルパインクライミングがまだまだ楽しめるようです。
懸垂中左岩壁からのでかい自然崩落に肝も十分冷やせましたし、なんと言って
も周りに自分たちのパーティしかいないという爽快感は貴重なものですね。
2年ぶりのコップでしたが状況は全く同じながら緑ルートに下がっていた1本
の真赤なシュリンゲを見て、きっとシュリンゲの持ち主も僕らと同じようなも
のを求めてここにやって来たのかなあと考え嬉しくなってしまいました。

確かに、一の倉ゲレンデと称される南稜から中央稜は別にして、コップ周辺や
二の沢、滝沢、中央壁、三ルンゼ、このあたりはまだまだ真のアルパインの魅
力的なルートがありますし、重箱の隅をつつくようですがまだ新ルートの可能
性もあります。
それと昔に開拓されてその後忘れ去られたよいルートもありますし、それらは
真のアルパインクライマーによって今後上られる事を期待します。

なぜ南稜から中央稜の間の、しかもほんの数ルート、南稜、変チ、中央カン
テ、凹状、中央稜、中でも特に南稜、中央稜に人が集中し大混雑するのはなぜ
だろうか?
それは多くの人が登るため浮石も比較的少なく、コケやヌルも少ない、ピンも
完備されており、下降も楽、ルートファインディングも必要ないくらい簡単、
万一何かあっても回りには常に人がいる等々、このあたりが理由になっている
のでしょうか?
中でも一番人気の秘密はピンの完備なのかと思うのは僕だけかなあ?  もし
そうだとしたら寂しいね。

一の倉は広くまだまだ魅力的なルートがありますが、ピンが無いからとかフリ
ー化したからという理由で素晴らしいルートが登られないとしたら甚だ勿体無
いことであり、このACMLを始めとするクライマー諸氏が一般のクライマー
でも登れるようにルートを整備したらどうでしょうか。
それともそのような場所は自分たちだけのために残しておきたいかなあ?
ピンが無いだのフリー化しただの言っても結局誰も登らず忘れ去られるルート
にしてしまう事のほうが勿体無い気もする。  だけど僕らのサンクチュアリ
ーとして残しておきたい気もする、、、、、、、、

余談ですが、当日知り合いのプロガイドさんがお客さんを連れて行った中央稜
で落石にあい、メットに穴が明いたそうです。  本人は脳震盪だけで済んだ
んですが。
これは明らかに混雑ルートの人為的な落石でですね。 自然を読むより人の動
きを読む事が大事ですかね!!

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