立山ロープウェイのメーンロープを交換へ |
後輪も曲げられるトレーラーに、ケーブルドラムが移しかえられる 立山黒部アルペンルートの大観峰(標高2316メートル)―黒部平(同1828 メートル)間を結ぶ、「立山ロープウェイ」(全長一・七キロ)のメーンロープが、 一九七〇年の開業以来初めて取り換えられることになり、新しいロープが二十一日、 特殊なトレーラーを使って、室堂(同2450メートル)に運ばれた。ロープはしば らく室堂に保管され、来年一月から取り換え作業が始まる。 同ロープウエーのゴンドラは二本のメーンロープにぶら下がる構造で、上下合わせて 四本が取り換えられる。中央にピアノ線が入った鉄製で、直径五十四ミリ、表面にさ びない加工が施されており、一本あたり千八百メートル、重さは三十トンに達する。 ロープは、一本ずつケーブルドラムに巻き付けられ、茨城県土浦市から大型トレー ラーで、アルペンルート入り口の桂台料金所(立山町)に到着。曲がりくねった道路 を通行できるよう、ここで、後輪も曲げることができる特殊なトレーラーに移し替 え、一本ずつ室堂まで運びあげられた。作業員らは、降りしきる雨の中、クレーンを 使って、慎重に作業を行っていた。 メーンロープの取り換えは、三月下旬まで約三か月間にわたる。同ロープウエーは途 中に支柱がないため、作業も大がかりとなり、作業員は約一か月もの間、大観峰に泊 まり込み、極寒の世界で作業を進める。 経営する立山黒部貫光によると、総工費は約五億円。ゴンドラは一九八八年に、ゴン ドラを動かすロープやバランスをとるロープは昨年度に取り換えられており、メーン ロープの交換を終えれば、設備の一新が完了する。 (10月22日 yomiuri on-line 富 山) ACHP編集部