日常を忘れ 壁に張りつく 東京・国分寺 |
様々な思いを抱え、約10メートルの壁を登る=国分寺市のクライミングジム「ラン ナウト」で 室内にそそり立つ高さ約10メートルの壁を、腰にロープをつけた男女がへばりつく ように登っていく。外は猛暑でも、ここは大型扇風機のさわやかな風が吹く。 JR西国分寺駅近くのクライミングジム「ランナウト」。元々は岩山を登るロックク ライミングの練習用だが、これだけを楽しむ人が増えた。オープン2カ月で会員は3 歳〜60代まで600人になった。 中山太一さん(27)は「中年太りは嫌だが、スポーツジムの筋トレも疲れる。遊び ながら鍛えよう」と通い始めた。レースカーなどの部品を削るのが仕事。100分の 1ミリの誤差で納品できず、胃が痛むこともある。壁を登りきった達成感が何とも言 えない。 壁に約800のカラフルな出っ張りがある。「ホールド」と呼ばれ、手や足をかける ものだ。 清水智子さん(22)は美大の4年生。工芸学科で金属オブジェをつくっている。 「制作を続けるか、就職するか」。悶々(もんもん)としていたときに、友だちに誘 われて取り付かれた。それでも足を踏み外して落下することがある。 「まだ怖い。でも、登っているときはみんな忘れられる」 (8月7日 ASAHI.COM 08:26) ACHP編集部