盛夏にスキー特訓 新潟の中高生選手、涸沢雪渓で

標高約二千三百メートルにある北アルプス涸沢カールの雪渓で、新潟県スキー連盟の
アルペン競技強化選手に指定された中学、高校生の男女二十七人が、特訓に汗を流し
ている。穂高連峰をバックに滑る姿を、登山者たちはうらやましそうに見つめている
が、選手たちはでこぼこの雪面にてこずっている。

同連盟の涸沢でのスキー特訓は、夏場の体力づくりやスキーの基本技術の確認を目的
に、毎夏実施している。今年は七月三十日から一週間の予定。用具一式はヘリで空輸
し、一行は歩いて上高地から涸沢に入った。

実際の特訓は、二日目からスタート。雪渓の上の石を拾って“ゲレンデ整備”を終え
た後、カール下部から約二百メートルの雪面を、スキー板を担いで何度も登っては滑
り降り、基本姿勢や体重移動を確認。どの選手もバランスを取るのに気を使っている
ようだった。

同連盟関係者は「スキーだけではなく、不便な山小屋での集団生活で、自分を鍛え直
してほしい」と期待。同県中条町の高校三年生、吉村良平君(18)は「雄大な自然
は素晴らしいが、はっきり言って、練習はきつい。最終日が待ち遠しい」と、汗びっ
しょりで話していた。(8月3日 信濃毎日新聞)

ACHP編集部

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