ライチョウの親子=富山県の北アルプス・立山連峰で
北アルプス・立山(富山県)に生息する国の特別天然記念物ライチョウの血液中か
ら、原虫の一種「ロイコチトゾーン」が見つかった。国内のライチョウからは初めて
という。感染経路や病原性の有無は分かっていないが、ニワトリが発病すると死ぬ例
もあり、研究者らは影響を心配している。
民間のライチョウ研究組織「富山ライチョウ研究会」と、日大生物資源科学部野生動
物学研究室、岐阜大農学部の合同調査で分かった。
立山のライチョウから皮膚病が見つかったため、追跡調査の一環として今年4月、立
山・室堂平(2450メートル)で外見上健康だった5羽の翼下静脈から血液を採取
した。そのうち、4羽からロイコチトゾーンが見つかった。
日大の村田浩一助教授によると、ライチョウと同じキジ目に属するニワトリがロイコ
チトゾーンに感染、発病すると、元気をなくしたり、貧血になったりして死に至る
ケースが多い。幼鳥の致死率が高いため、家畜の届け出伝染病に指定されている。
国内には約3000羽のライチョウがいるとされ、うち立山・室堂平は約300羽と
国内最大の生息地。村田助教授は「5羽中4羽はかなりの高率で、驚いている。他の
生息地にいるライチョウも感染している可能性がある」と懸念を表明。「ヒナや老
鳥、病気などで免疫力が低下した時に感染すると、発病も否定できない。ライチョウ
はデータ自体が少ないため、定期的な調査が必要だ」と指摘している。
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ロイコチトゾーン
原虫の一種。通常の大きさは約0.1ミリ。血液中に寄生し、ヌカカやブヨなどの昆
虫が媒介して広める。感染、発病すると貧血などの症状を起こす。(7月17日
asahi.com 07:20)
ACHP編集部
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