◆大雪山遭難:愛知県内の女性4人で登山 1人下山せず 新得署
11日午後4時半ごろ、北海道大雪山系トムラウシ山(2141メートル)から下山
した男性登山者から「女性4人のパーティーが下山できないでいる」と新得署に届け
出があった。同署で調べたところ、新得町の国民宿舎「東大雪荘」に同日夜、宿泊す
る予定だった愛知県内の女性4人が、到着していないことが分かった。このうち2人
は12日午前6時ごろ自力で下山。同10時10分にもう1人が下山してきたところ
を救助隊に発見された。道警などが、東海市荒尾町赤羽の葛西あき子さん(59)の
行方を捜している。
大雪山付近は11日、台風6号の影響で風雨が強まり、大荒れの天候だった。一行
は、名古屋市の「ふわく山の会」に所属する50、60代の女性ばかりで、登山計画
書を提出していなかった。11日にトムラウシに登り、12日に下山する予定だっ
た。[毎日新聞7月12日]
◆愛知の女性登山者2人を救助 北海道・大雪山系
11日午後4時30分ごろ、北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)か
ら下山した登山者から「途中で出会った女性4人のパーティーが強風で動けなくなっ
ていた」との情報が北海道警新得署に寄せられた。
同署によると、パーティーは、愛知県の「ふわく山の会」の女性メンバー4人。2人
は12日早朝、自力で下山。同署員や道警の山岳救助隊らが同日、救助に向かい、午
前10時過ぎに顔面にけがをした愛知県東海市荒尾町、無職女性(59)と、体力を
消耗し動けなくなっている同市加木屋町、無職女性(53)を登山道で保護した。け
がをした女性は下山途中で転倒したという。
4人は9日に入山、11日夕までに下山予定だったが、台風6号の強風と雨でトムラ
ウシ山南側のキャンプ地で下山が困難になったらしい。(7月12日 asahi.com 13:29)
◆トムラウシ遭難 愛知県の葛西さんら2人が死亡 3人救助、4人下山
【新得、美瑛】大雪山系トムラウシ山(2141メートル)での2件の遭難事故で、意識
不明の重体だった愛知県東海市の無職葛西あき子さん(59)は13日午後、遺体で収容
された。福岡県のパーティーは、8人のうち、山頂付近で見つかった同県古賀市薦野
(こもの)、主婦島居和子さん(58)も道警ヘリに収容されたが、死亡が確認され
た。自力で下山していた福岡のパーティーの4人は同日午後、上川管内美瑛町天人峡
に到着した。
旭川東署によると、島居さんは、山頂付近の岩陰でシュラフにくるまって横たわって
いた。両ひざに打撲があるが、ほかに目立った外傷はなく、十四日にも司法解剖して
死因を調べる。
また、新得署によると、葛西さんの死因は低体温による脳梗塞(こうそく)と見られ
る。十勝地方山岳遭難防止対策協議会などによって中腹の前トム平まで担架で運ばれ
た葛西さんは、陸上自衛隊のヘリに収容され、十勝管内新得町内の町農道離着陸場
(農道空港)に着陸。同管内清水町内の病院に運ばれたが、既に死亡していた。
一方、福岡のパーティーで自力下山した四人は、自営業荒巻正記さん(53)=同県久
留米市宮ノ陣町八丁島=、無職山海広子さん(58)=同県小郡市小郡=、無職鹿毛祥
子さん(60)=同県粕屋野町長者原=、整骨院助手井上こずゑさん(54)=同県中間
市浄花町=。四人ともけがはなく、旭岳温泉に宿泊した。
同日午前、山頂北側のヒサゴ沼避難小屋からヘリで救出された三人は、パーティーの
リーダーの登山ガイド冨永修さん(46)=福岡市東区香椎二=、会社員横大路幸子さ
ん(58)=同市南区長丘四=、無職神崎良吉さん(69)=福岡県宗像市日の里三=と
分かった。三人は十勝管内新得町内の病院に運ばれたが、けがはなかった。
旭川東署は救出された三人と、自力下山した四人から、遭難当時の事情を聴いてい
る。(7月15日 北海道新聞)
◆遭難トムラウシ福岡パーティー、ガイドは「経験豊富」
大雪山国立公園のトムラウシ山(2141メートル)で、福岡県の登山客1人が凍死
した事故で、登山計画はパーティーのリーダーで登山ガイド業の男性(46)が企画
したことが、15日までに分かった。旭川東署は、登山計画に無理がなかったかな
ど、男性ガイドや参加者から事情を聞いている。
ツアーに参加した女性によると、女性は以前、福岡県内の登山サークルを通じて男性
ガイドと知り合い、今回は男性ガイドから誘われて友人と参加した。別の5人とはツ
アーで初めて会ったという。7人は、男性ガイドに料金を支払って参加し、飛行機や
宿泊先は旅行会社を通じて手配した。女性は「男性ガイドとは何度も登山しており、
安心だった」と話している。
登山を始めた11日、雨が小降りで天候がやや回復し、別な複数の登山パーティーが
登山を開始したことから、8人も登山を決定。男性ガイドは「川が増水していたら戻
ります」などと天候悪化の際は下山する旨を告げていたという。途中まで順調に進ん
だが、死亡した同県古賀市の主婦島居和子さん(58)が山頂付近で体調不良を訴
え、動けなくなったという。
男性ガイドは学生時代から南米の最高峰アコンカグア山に登るなど、登山経験が豊富
で、登山スクールを開いて中高年の登山指導などを行っている。男性が専属ガイドを
務めている福岡県内の登山サークル関係者は「男性ガイドは昨年もトムラウシ山に
登っており、北海道の山はよく知っているはず。まさか、こんな事故になるとは」と
驚いた様子で話していた。(7月15日 yomiuri on-line 北海道)
ACHP編集部
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