荒れる岩殿山。東側斜面の山道を倒木がふさいでいる
大月市の岩殿山(637メートル)の森を再生させようと、市民らが「大月岩殿森つ
くり会」(河西悦子代表)を設立し、活動を始めた。大月市のシンボルとも言える山
林の活性化を、環境づくりの一つのモデルと位置づけ、子供たちの環境学習の場にも
したいという。
「大月岩殿森つくり会」は、桂川・相模川流域協議会のメンバーら7人で立ち上げ
た。神奈川県側で活動しているNPO法人「緑のダム北相模森つくり会」に参加して
きた河西代表が、山林が87%を占める大月でも何かできないかと、仲間を募った。
「川の環境保全に取り組んできて、きれいな水を生む森林の輝きの大切さを痛感し
た」と河西代表は話す。
4月から毎月第4日曜日を活動日にし、岩殿山東斜面の民有林でゴミ収集や下草刈り
などの作業をしている。下流域のグループとの交流会や、子供たちと一緒に汗を流す
環境学習も計画している。
だが、岩殿山の荒れ様は、ほかの市内の山同様に尋常ではない。麓(ふもと)の人の
話によれば、マツクイムシの被害がひどいうえ、森を守るための人手が無いまま、手
の施しようがなくなったという。また、国道や中央道に近いため、収集家や業者に珍
しい山野草が根こそぎ抜き取られる被害もあるという。
同会は「森林ボランティア程度で何ができる、という指摘もあるだろうが、市民の活
力が森を支える可能性を実際に見てきた。岩殿山をフィールドに活動の輪を広げるこ
とによって、市民の環境意識の向上にもつなげたい」としている。
森林保護を目指す国際組織「森林管理協議会」(FSC、本部・メキシコ)が優良活
動に取り組む森林に与える国際認証の取得も視野に入れている。
同会ではメンバーを募っている。問い合わせは河西代表(電話0554・22・61
74)まで。 (5/28 asahi.com 山梨)
ACHP編集部
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