「乗鞍」マイカー通年規制 来年度から県道14キロ

北アルプス・乗鞍岳に至る県道乗鞍岳線(南安曇郡安曇村)の「第四回乗鞍岳自動車
利用適正化協議会」は三十日午前、松本市内で開き、二〇〇三年度から、同村の三本
滝地籍から県境までの約十四キロ区間について、通年でマイカーを全面規制する方針
を決めた。岐阜県も同日、同線に通じる乗鞍スカイラインについて同様の規制方針を
発表。県境をまたぐ日本で最も高所の車道は、来年度からマイカー通行禁止となる。

実際に規制される開通期間と時間は、原則七月一日―十月三十一日の午前六時―午後
六時と決定。この間、路線バス、観光バス、タクシーなどの乗り入れは許可すること
も承認した。観光客はこれらに乗り換えて入山することになる。

協議会で、事務局の県は「環境保全の意識がさらに高まっており、岐阜県と歩調を合
わせることが大切と判断した」と、マイカー通年規制方針の理由を説明。参加した地
元の代表者からは、大型バスがすれ違える待避所の早期設置や、実施方法をめぐって
岐阜県側との調整をただす意見が出たが、特に強い反対意見はなかった。

一方、岐阜県側は同日、乗鞍スカイラインについて、無料化となる来年度から、開通
期間の五月十五日―十月三十一日をすべてマイカー規制し、環境保全対策の財源とし
て、乗鞍環境保全税(仮称)の導入を検討する方針を発表。規制方法を三年ごとに見
直すとした。

長野県側は、岐阜県側のマイカー規制の動きを受け、昨年五月から本格的に議論を開
始。県は、観光シーズンに限って部分規制し、年々期間を延ばして全面規制に移行す
る考えも示していた。一方、乗鞍高原の観光関係者など一部住民には「全期間規制は
営業に影響する可能性がある」と心配する声も出ていた。(4月30日 信濃毎日新
聞)

ACHP編集部

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