大型連休中の二十九日、県内で登山者の滑落事故が二件あり、富山市の男性(65)
が死亡、神奈川県の女性(54)が重傷を負った。大山町の鍬崎山と上平村の大笠山
で、ともに下山途中に足を滑らせたとみられる。城端町ではパラグライダーで飛行し
ていた福光町の男性(47)が墜落し足を骨折。行楽中の事故が相次いだ。
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二十九日午後二時半ごろ、大山町の北アルプス・鍬崎山(二、〇八九・七メートル)
近くで、富山市秋吉、無職、大門一男さん(65)が尾根から二百メートル滑落し、
県警ヘリで県立中央病院に運ばれたが、約三時間四十分後に全身打撲で死亡した。
大沢野署の調べでは、大門さんは同日午前八時半ごろ、県内の登山グループ「山凱
会」のメンバー十二人とともに、らいちょうバレースキー場(大山町本宮)のゴンド
ラを使って入山。下山途中に一、七五六メートル地点の尾根の雪渓で足を滑らせ、有
峰側(和田川方向)の二百メートル下まで滑り落ちた。
仲間が同署に助けを求め、県警ヘリで午後三時五十分ごろに救助したが、大門さんは
同六時十分ごろに亡くなった。
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二十九日午後零時二十分ごろ、上平村桂の大笠山(一、八二二メートル)ふもと近く
で、神奈川県綾瀬市上土棚南、パート職員、竹ノ内美子さん(54)が登山道から約
百メートル滑落した。県消防防災ヘリで救助され、高岡市民病院へ運ばれたが、顔や
腕を強く打って重傷。
福光署の調べによると、竹ノ内さんは二十七日から一人で入山。泊まりがけで大笠山
の奥にある笈ケ岳に登り、下山途中だった。誤って足を滑らせたらしい。
竹ノ内さんが助けを求めているのを桂湖でカヌーをしていた人が気付き、管理事務所
を通じて一一九番した。
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二十九日午後二時ごろ、城端町の奥つくばね山上空付近をパラグライダーで飛行して
いた福光町荒町、会社員、小森修さん(47)が、近くの高清水山の中腹に墜落し、
木に引っかかった。県消防防災ヘリが救助し、高岡市民病院へ運んだが、右足の骨を
折り重傷。
福光署の調べでは、小森さんはパラグライダー歴十年以上。仲間約二十人と一緒に午
後一時ごろから飛んでいた。気流の乱れで失速した。(4月30日 北日本新聞)
ACHP編集部
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