全国から登山者続々 立山通信部から

春山シーズンが本格化し、晴天続きの北アルプスで、立山や剣岳などを目指す登山客
が全国から続々と入山している。剣岳を一望できる剣御前小屋では二十九日、ベテラ
ン登山者が疲れた体を休めながら、りりしくそびえる剣岳に見とれていた。記念撮影
するツアー客も多く見られた。

剣岳周辺は危険な個所が多く、五月十五日までに入山する登山者は、県の条例で登山
届を提出しなければならない。県警山岳警備隊によると、二十四日現在で百十八パー
ティー、四百四十五人が出した。二十九日までさらに約四十パーティー増えている。

十四年前から立山を訪れている東京都八王子市、会社員、上杉謙二さん(41)は友
人二人と二十八日に入山。雷鳥平と剣沢の両キャンプ場を経て三十日にも剣岳登頂を
目指す。「立山はベースキャンプが充実している」と魅力を話し、剣御前小屋では雪
上に座り、いつまでも剣岳を眺めていた。

千葉県松戸市、会社役員、恩田晴義さん(53)は二十七日から登山ツアーに参加
し、二十九日に千葉県松戸市の自宅に戻る予定を組んでいた。春の立山は二度目だ
が、剣岳を見るのは初めて。「天候に恵まれ、りりしい姿を見られてうれしい」と満
足そうだった。

上市署室堂派出所に詰める山岳警備隊の金山康成分隊長は、陽気が続き、登山者に油
断が生じるのを懸念し「山の厳しい環境に対応できる備えを忘れないでほしい」と呼
び掛けている。(4月30日 北日本新聞)

ACHP編集部

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