立山・室堂でライチョウ皮膚病問題の現地調査

立山・室堂(二、四五〇メートル)で昨秋、国の特別天然記念物・ライチョウの雄の
成鳥二羽に皮膚病が見つかった問題で、富山雷鳥研究会(熊木信男会長)と岐阜大、
日本大の病理学研究者のチームが二十一日、立山に入山し、室堂で現地調査を行っ
た。雄二羽と
雌一羽の生息を確認、雌を捕獲して調べたが皮膚病にはかかっていなかった。調査は
二十二日も行う。

今回の調査では十人が現地入り。立山・黒部アルペンルートの全線営業が始まった二
十日の好天とは打って変わって悪天候となった。調査チームは午後から、横殴りの雪
が吹き付ける中で生息地を調べて歩いた。その後、天候がさらに悪化したため、三羽
の生息を確認したところでこの日の調査を打ち切った。

生態調査をしていた同研究会メンバーが昨年十一月、翼の付け根の羽毛が抜け、皮膚
のただれたライチョウを発見した。解剖の結果、病状がひどかった部分からブドウ球
菌の一種が見つかったが、皮膚病の原因かどうか分かっておらず、伝染病の可能性も
ある。調査では、健康な状態のライチョウの羽などに付着している菌を採取し、皮膚
病のライチョウが持っていた菌と比較する。

山岳環境研究所(長野県大町市)の北原正宣主任研究員は「皮膚病が広がっていない
ようで胸をなで下ろしているが、安心せずに細菌や寄生虫などあらゆる可能性を調べ
ていきたい」と話していた。(4月24日 北日本新聞)

ACHP編集部


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