今月下旬に山開きが予定されている中津川市の恵那山(2191メートル)で、登山
道の黒井沢ルートの開通が来年以降にずれ込むことになった。登山口に至る恵那山林
道(黒井沢林道)が一昨年の豪雨で寸断され、復旧工事が続いているためだが、同市
商工観光課は当初、今月にも再開通するとしていた。確認ミスが原因で、市民の問い
合わせに平謝りだ。
恵那山林道の中津川市川上地区から黒井沢登山口までは約9・7キロ。00年9月の
恵南豪雨で、土石流などが発生したため、直後から通行止めになっていた。
林道入り口の川上地区からの約4・1キロは市道との併用部分。同市は国土交通省か
らの補助を受けて約2億2千万円で、昨春から併用区間の復旧工事を行い、このほど
作業を終えた。この先から登山口までは、林野庁の担当で今後1年間、引き続き復旧
工事が行われることになっている。
ところが、林道入り口に据え付けられた工事用看板は、工期を「01年4月6日〜0
2年3月31日」と表示されていたため、市商工観光課も「4月開通」と答えてい
た。
しかし、「工事が続いている」との市民の指摘で、林道を管轄する市用地管理課に確
認すると、林野庁の工事が控えていることが判明。市商工観光課は「誤解を与え、申
し訳ない」と早とちりだったことを認めている。
一方、市用地管理課は「復旧工事は当初から2年計画だった。工期を示す看板表示
は、市としての工事期間だった」と説明したものの、「商工観光課に引き続き工事が
あることを連絡していなかった」として、表示を林野庁の工事期間に書き換え、依然
として通行止めが続いていることを知らせるようにしたという。
市用地管理課は「林野庁の工事が終わっても、市として林道の安全が確認できるまで
は、通行止めの解除は難しい」としており、具体的な再開通時期は、まだ見通しが
立っていないという。
年間約1万人が入山すると言われる恵那山には、四つの登山ルートがある。黒井沢
ルートは比較的起伏が少ないため、家族連れなどに人気があった。ほかは、長野県側
からの広河原ルート(通行止め中)、中津川市の神坂峠ルート、熟練者向けの前の宮
ルート。現在、初心者向けコースは神坂峠ルートだけで、山開きも峠近くの富士見台
高原の神坂小屋で29日に予定されている。 (4/19 asahi.com 岐阜版)
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