雪のパノラマ広がる アルペンルート弥陀ケ原

十日運行を再開した立山・黒部アルペンルートの立山−弥陀ケ原間。シーズン到来を
待ちわびていた観光客が初日から多く訪れ、高さ四メートル以上の雪の壁や一面に広
がる雪原に見入った。富山市内で十一日から行われる第十五回全国同友会セミナーの
出席者も、弥陀ケ原周辺を訪れ、立山の大自然の魅力にふれた。

弥陀ケ原付近では青空が広がり、大日連山など山々が日差しを浴びて輝いた。兵庫県
伊丹市のパート、永野ヤス子さん(55)は「立山に来るのは二度目だが、この季節
に来たのは初めて。鹿児島生まれで、こんなにスケールの大きな雪景色は見たことが
ない」と広がるパノラマに見入った。

山スキーやかんじき歩行の愛好者も、大勢訪れた。歩くスキーの体験ツアーに参加し
ていた横浜市泉区、パート、佐藤利さん(51)は「初めての挑戦だが、以前から楽
しみにしていた。自然を肌で体感したい」と話し、雪原に滑り出した。

弥陀ケ原の積雪は、昨年の運行再開時より二メートル少ない四・五メートル。

富山大学雪氷学研究室の学生らは、入山者が増え雪が解ける前にデータを集めるため
運行再開初日に現地入りし、穴を掘って雪を採取した。理工学研究科大学院生の遠山
和大さん(27)は「雪が少ないだけでなく、下の方でも解け始めている」と言い、
雪を分析し、気温などの気象要素と融雪の関係を調べる。

山小屋で働く人たちにとっても、この日が「入山日」。雷鳥荘に勤める男性(50)
は「五月の連休に、客を迎えられるよう小屋開きの作業を進めたい」と話し、生活用
具を車両に積み込んだ。

室堂周辺の「雪の大谷」(二、四〇〇メートル)では暖冬にもかかわらず、積雪は一
五メートル以上。二十日の全線営業開始に向けた除雪作業が追い込みに入っており、
ブルドーザーが慌ただしく雪を運んだ。(4月11日 北日本新聞)

ACHP編集部

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