三浦雄一郎さん来春70歳・最高齢エベレスト登頂へ

中高年よ大志を抱け 三浦雄一郎さん来春70歳・最高齢エベレスト登頂へ 敬三さ
ん来春99歳・モンブラン滑降へ 【写真】  2002/01/10 08:30

 世界七大陸最高峰からのスキー滑降を果たしている札幌在住のプロスキーヤー三浦
雄一郎さん(69)が来春、七十歳の世界最高齢でエベレスト登頂を目指す。同時期に
白寿(九十九歳)を迎える父親の敬三さん(97)も欧州・モンブラン氷河で、家族四
世代のスキー滑降を予定。目標達成に向け二人は札幌の手稲ハイランドで毎日、ス
キーに励んでおり、雄一郎さんは「私も高齢者の仲間。挑戦する姿を通じ多くの高齢
者を勇気付けたい。中高年よ大志を抱け」と、冒険心をたぎらせている。

雄一郎さんは来年三月下旬に札幌を出発。五月五―二十五日に登頂を目指す。登頂隊
には、雄一郎さんが一九七○年にエベレスト滑降を果たした際の仲間二人と二男で、
長野五輪のフリースタイルスキー・モーグル代表だった豪太さん(32)も加わる。

日本ヒマラヤ協会によると、エベレスト登頂の最高齢記録は、昨年五月の六十四歳の
米国人。

雄一郎さんは登頂に備え、昨年は低酸素室に泊まり込んで標高五千mの状態で身体状
況を調べた。今年は二月まで札幌でスキーに取り組み、三―五月にネパールの六千―
八千m級の登山をこなし、夏も世界各地で登山を続ける。

「六十歳を過ぎ余生をのんびりとも考えたが、九十歳を過ぎて元気に飛び回る父に刺
激された。危険に見舞われると生命力が燃える自分の原点を振り返りたくなった」と
挑戦の理由を語る。

一方、敬三さんは来年二月十五日に白寿を迎えた後、モンブラン氷河を滑る。六回目
の挑戦で、距離は十数キロの予定。息子の雄一郎さんと孫の雄太さん(35)、豪太さ
ん、ひ孫で雄太さんの長女理緒ちゃん(2)が同行する。

敬三さんは今も年間の三分の一を国内外でのスキーに費やし、夏は体操や徒歩と軽い
ジョギングが日課だ。「この年になっても体に悪いところはない。ひ孫たちと氷河ス
キーを楽しめるよう、これまで通りの生活を続ける」と自然体で淡々と話す。

雄一郎さんは「夢を持ち続けて体を動かすことが健康維持の秘けつ」と話しており、
今回の挑戦を終えたら、高齢者が自然と触れ合い、楽しく遊べる福祉村を道内につく
るという次の夢が待っている。

<写真:「中高年よ大志を抱け」と呼びかける三浦雄一郎さん(右)と白寿の家族4
世代スキーを目指す父親の敬三さん=札幌・手稲ハイランド>(1月10日 北海道新
聞)

ACHP編集部

★ お知らせへ戻る ★ INDEXへ戻る