「信州の高山帯は今」松本で研究者らシンポジウム

県内の高山の植物、地質などの研究者でつくる長野県高山生態系保全研究会(会長・
土田勝義信大農学部教授)は二十九日、初のシンポジウム「山を知り山を守る―信州
の高山帯は今」を松本市内で開いた。研究者や自然愛好家ら五十人余が参加し、高山
の現状報告に耳を傾けた。

土田会長が「高山帯が多く貴重な自然がある長野の特徴は県民の誇りだが、最近さま
ざまな気になる現象が起きている。自然との共生の道を探りたい」とあいさつ。研究
者が高山帯のハイマツ枯れなどの報告をした。

北アルプス・乗鞍岳の車道沿線の植物について調べた県自然保護研究所技師の尾関雅
章さんは、開通後の七二年と九七年の調査を比較し「低地性植物の発見種数は、九七
年にはすべての地点で増えており、七二年には見つからなかった高い地域まで分布し
ている」と、車道開通が生態系を乱している実態を報告した。(9月30日 信濃毎日
新聞)

ACHP編集部

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