この夏、北アで中高年の事故多発

死亡3、不明1、重傷14

北アルプスを中心とした県内の夏山で、中高年の山岳遭難が多発している。七月一日
からの夏山期間中、十四人が重傷を負い、三人が死亡、一人が行方不明となったが、
すべて四十歳以上で、六十歳以上が大半を占めた。登山届を出さずに入山するなど準
備不足も目立つという。県警山岳警備隊は、注意点を列記したパンフレット約千枚を
配り、注意を呼び掛けている。

県警山岳警備隊によると、今年七月一日から八月十四日までに、重傷者、死亡者、行
方不明者の合計は十八人。昨年七月一日から八月十四日までの十四人を超え、平均年
齢も昨年同期の四十九・九歳から、今年は六十・一歳と、大幅に“高齢化”してい
る。

女性の遭難者も目立ち、十八人中十一人に達している。登山道で足を滑らせて転落
し、足などを骨折するケースがほとんど。入山者が多い、立山、剣岳周辺での事故が
目立っている。

遭難者の高齢化について県警山岳警備隊は、「中高年の登山者自体が圧倒的に増えて
おり、その分、事故に遭う確率も高くなっている」と指摘。「登山届を出していない
人がほとんど。自分の技術や体力をよく考えて用意周到に計画を練り、慎重に行動し
て欲しい」と話す。

また、余裕のない日程や、単独での入山が大きな事故につながることもある。同警備
隊は「立山・室堂でバスを降りてから一時間程度休憩した方が、心臓に負担を掛けな
くて良い」「単独行は、重傷を負っても、助けも呼べず、死ぬ危険もある。せめて無
線などの通信手段は持参して」とアドバイスしている。

【登山をするうえでの注意】(県警パンフレットから)

▽入山前にトレーニングを行い、自分の体力、技術に応じた山を選ぶ▽遭難した場合
に早期救助を受けられるよう、警察に登山計画書を提出する▽道に迷ったら引き返す
▽救助を待つ時は視界の開けた場所や雪渓の上、広い谷の中に移動する▽雨や濃霧な
どの悪天候時は無理な行動を慎む (8月15日 Yomiuri On-Line 富山版)

ACHP編集部

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