二十一世紀の登山や山岳環境を考えるイベント「エコ・アルプス21」の一環で十
日、松本市のJR松本駅前の「播隆祭」会場と北アルプス・槍ケ岳を衛星通信で結
び、槍岳山荘前にいる田部井淳子さんら国内外の登山家と、駅前にいる有賀正市長ら
がメッセージを交換した。
晴れ渡った空に映える槍の頂を背に、田部井さんは「槍ケ岳に向かう登山道にはごみ
がほとんど無く、大変満足して登れた」と語った。同山荘を経営する穂苅康治さんは
山岳環境に負荷をかけない試みとして「小屋では、とぎ水が出ない無洗米や、油を使
わない料理を心掛けている」と紹介。ニュージーランドの登山家、ラッセル・ブライ
スさんも「フランスなどに比べても、環境問題にいろいろ配慮している」と印象を
語った。
これに対し有賀市長は「山岳観光の発展と山岳環境の保全の両立は難しい課題」と応
じ、五月に松本市で開いた全国山岳トイレシンポジウムで採択された宣言などを紹介
した。
メッセージ交換は、信大病院(松本市)の遠隔診療システムを活用して実現。槍ケ岳
を開山したと伝えられる播隆上人の遺徳をしのぶ播隆祭の会場にはテレビモニター二
台を置き、メッセージのやり取り、田部井さんらの一行が歌う様子などを百人余が見
守った。インターネットでも発信された。
槍の穂先をバックに歌う田部井淳子さん(前列右端)ら。この様子は衛星回線で松本
駅前の「播隆祭」会場へ送られた(槍岳山荘・穂苅康治さん撮影)(7月11日 信濃
毎日新聞)
ACHP編集部
★ お知らせへ戻る ★ INDEXへ戻る