有持です。
土曜日は、午前中は雨がぱらついていたため一ノ倉沢での登攀は中止して、日曜
日のみ、ARIメンバーで南稜、中央稜、変形チムニー、南稜フランケダイレクトを登っ
てきました。
私は、南稜フランケダイレクトを登ったのですが、登攀が終了して取付のテラスで
休んでいると、いきなり、ブーンという音が・・・・。落石だと思い、反射的に逃げました。
テラスには4名いたのですが、仲間の数p横に頭ぐらいの大きな石が落下しまし
た。上部を見てみると、大学生らしき4名ほどのパーティが、南稜フランケダイレクト
1Pの終了点まで、南稜から懸垂下降しているところでした。
そのパーティは、あれほど大きな石を落として起きながら、「ラクー!!」の一言も
言いませんでした。あと数pずれてあの石が直撃していたら、確実に死んでいたでし
ょう。
あんなに大きな石ならば、落としたのが分からないはずがありません。ブチ切れた
私は、思わず怒鳴りつけてしまいました。(^^;;; そのパーティは何も言わず無言でし
たが・・・・・。
落石を落とすのは、意図的にやるのではないのでしょうがないですが、しかし、落
とした時には、確実にデカイ声で、「ラクー!!」の一言は言ってもらいたいもので
す。これはクライマーの常識だと思います。
有持さん、こんにちは。黒澤と@猫の森、です。土日は仕事で、オフミに参加でき
ませんでした…群馬からお客さんが来てくれたモンですから… _(^^;_
> あんなに大きな石ならば、落としたのが分からないはずがありません。ブチ切れた
> 私は、思わず怒鳴りつけてしまいました。(^^;;; そのパーティは何も言わず無言でし
> たが・・・・・。
事故にならなくて良かったですね…僕も、昨シーズンの冬、大同心嶺で「墓石大」
のやつをくらいました… (^^;
最初は、ヘリのプロペラ音みたいに聞こえたんですよ…そんくらい超特大のヤツで
した…雲稜ルートの取り付き付近で、上が庇状になっていたところだったんで、事な
きを得ましたが、10mもないところへ爆発音とともに落ち、裏同心ルンゼへ迫撃弾の
ごとく飛散して行きました…大同心基部へ上がるのが、あと5分遅れていたら、間違
いなく直撃コースだったと思います…教訓:「おまけの右ルンゼはやばい!Y字の基
部の方から回り込みましょう」 (^^;
> 落石を落とすのは、意図的にやるのではないのでしょうがないですが、しかし、落
> とした時には、確実にデカイ声で、「ラクー!!」の一言は言ってもらいたいもので
> す。これはクライマーの常識だと思います。
僕の場合、右フェースルートにパーティーがいたので、そこからの人為落石かとも
思いましたが、何のコールもなかったので「自然落石だったのかな」と思ってしまい
ました。人が良いんですかね…ほれ、去年だったか一昨年、長岡さんがNさんに怒ら
れて困ったとかいう話があったじゃないですか…あのとき、Nさんだって、長岡さん
が落とすところを見ていたわけじゃなかったですよね… (^^;
ところでこの件、以前ニフティでも話題になったんですが、どうも余裕のない人や、
経験の浅い人は「ラク!」と叫べないみたいなんです。教えた人の教育にもよるんで
しょうが…自分が石を落としたことすら分からないようですよ… (^^;
また、コールを間違って(勝手に)解釈している人がいるように思えます。落石の
コールは「他人が落としたときにはかけなくとも良いと勘違いしている人」がいるよ
うです。コールをかけると自分の責任にされるとでも思ってるんでしょうね… (^^;
あと、落とした本人の人格の問題ですが、某殺人事件容疑者のように「何でも人の
せいにする(=石を落としたのは自分のせいじゃない)」というように、一種の性格
異常みたいな人もクライマーの中に混じっているのも経験上事実かと思います…状況
から察するに、有持さんの一件も「心神耗弱犯」の仕業では… (^^;
有持さんのご意見(お怒り)は、良識ある正常な神経の持ち主には聞いて(理解し
て)もらえると思いますが、どうも一部の「危ない人」がクライマーの中に混じって
いるのも事実のように思えます… (^^;
ともあれ「(自分が)石を落とした落とさないに関わらず」落石を見たり、音を聞
いたときには大声で注意を喚起しましょう。自分たちが落とした石にも気が付かない
ような無神経な人は、他のパーティーが落とした石にも気が付かずに死んでいきます
よ、「裁くは天」です…
有持さん、黒澤と@猫の森さん、こんにちは。川名@森羅です。
落石の話題でひとつ。
2年前の夏の剣で、私たちが八峰4峰Aフェースの基部で登擧準備をしている
時、下の長次郎雪渓のど真ん中でのんびり下を向いて休んでいるパーティがい
ました。ちょうど霧が晴れてきて薄日が差し、のんびりしていい気分なんだろ
うなぁと思いながら見ていると、雪渓上部からゴロンゴロンとたまに空中に飛
び跳ねながら人間より大きな落石が沢山の小石をお供に転がって来ました。
私たちにはまったく関係ない場所ですが、「ああ……このまま行けば彼らに直
撃コースだな……」と思った瞬間、私は「落〜ク!」と大声で叫んでいました。
ところが彼らは自分たちには関係ないと思ったのか、何事もないようにそのま
ま下を見てのんびり休んでいます。その間にもゴロゴロと近づいて行くので、
今度は「落!落!落!落!落!落!」何度も大声でコールしたら、やっと気づ
いたのかこちらを見ています。それで思いっきり大きな動作で彼らの上の方を
身体全体で指さしたら後ろを振り向いてくれて、間一髪よけられました。彼ら
と落石の距離は、振り向いた時でホンの数メートル。ホントに間一髪でした。
たとえ遠くでも、「落ク!」のコールが聞こえたら、まず自分の上を見る。
ちょっと臆病な位にビクビクしている事。
それが山屋の危険回避だと思います。
アニマル島田です。
アルパインクライマーとしてはシーズンオフなためヒマネタでレスします。
わたしが新人のころ滝谷の4尾根で洗面器大の落石にぶちあたったことがありま
す。
ツルムのガリーへトラバース中で上部にいた中国人パーティーの人為落石でし
た。
左右にものすごい音とともに跳ねながら落ちてきたのですが、直前でイレギュラ
ーバウンドしたので、対応できなかった。 もちろん恐怖で身が竦んだのと微妙
なバランスだったので身動きできなかったというのもあります。
とっさに壁にへばりついてしまいましたが、そのために無防備な後頭部と左肩に
直撃弾をうけて失神しました。
パートナーによると30分くらい呼んでも返事がなかったので死んだと思ったそ
うです。
それ以来落下物には非常に敏感になり、落石やブロックが飛んでくると睨み付け
て最後の瞬間まで目を離さないようになりました。ボクシングや剣道でいうとこ
ろの「見切り」のように寸前でかわすのが最善ですね。
アルパインクライミングにおける危険回避というのはこういう危機的な経験を積
んでいくと身についてくるような気がします。 危険察知能力やカンみたいなも
のですが。 人の後をくっついているだけでは養われませんのでリードしなきゃ
だめですが。
これから混み合う夏山シーズンですね。最近のクラシックルートはものすごい渋
滞だそうで、こういう事故は増えるでしょう。みなさんどうぞお気をつけて。
Takara Kadoya
私は、去年ソロで25mも墜落しました。落ちながらはっきりと登ったクラックが見
え、ほんの数秒の出来事なのに、ずいぶんといろいろなことを考えたり、回りの様子
を確認していました。
落石については、まず頭上に注意していることが大切ですが、いつも上ばかり見てい
られるとは限りませんので、音にはいつも注意をしています。音が聞こえてから上を
見ていると間に合わないので、音が聞こえた瞬間に岩陰に隠れたり、ザックを被った
りしています。ほとんど反射的にですが・・・。これで今まで助かってきています。
でも、よくメットに石がコンッとあたりますが、これがでかかったら・・・と思うと
ぞっとします。
有持さんこんにちは、増田@YCCです。
オフミは残念ながら仕事で行けませんでした。
また冬にでも企画してくださいね。
え〜っ落石ネタで一席。
私が遭遇した最大の落石はヨセミテはエルキャピタンのゾディアックルートで
のものです。
3ピッチ目をこなし、テラスでパートナーを迎えた直後「バガーン」という大
きな音が轟き、「雷かな?」と思って上を見たら巨大な黒い塊がUFOのように
フラフラ空を漂って(いるように見えた)だんだん大きくなって来るではあり
ませんか。
推定テニスコート大のフレークが真上から降って来たんです。
周りには自動車大の岩が数十個一斉に落ちてきました。
このときはヘルメットも被っておらず(被っていてもどうしようもないんです
が)、パートナーと顔を見合わせながら思わず心の中で「こいつはともかく私
だけでも助かりますように」と祈ってしまいました。
このときたまたまYCCの仲間2名(別パーティで)が下山途中で上にいたので
すが、「ホールバッグを引きずる音を10倍にした様な大きな音がしたので、
何事かと縁まで寄って見たが土煙で何も見えなかった」と後で話していまし
た。
音は全く記憶にないのですが目の前を通りすぎるときの空気の圧迫感と太陽が
さえぎられて一瞬暗く陰り、空気がひんやりとしたことは今でも鮮明に覚えて
います。
最後はその朝アプローチに使ったガリーの中央に落ち、土煙は道路を越えて
マーセド川まで達しました。
本当にやばかったのはその後で、大量の小石が我々の周りに降って来ました。
私は要領よく手元にあったブランコを掴んで頭の上に。
一番良い防壁をとられてしまったパートナーは恨めしそうな顔をしながら手近
にあったロープバッグを盾にしましたが、ブランコに立て続けに当る落石に生
きた心地がしませんでしたし、一個、胸をかすめた小石のおかげでT-シャツ
が裂けました(今だったらお腹に当っていた?)。
このときとっさに「ラ〜〜クッ」ト叫んでから「あっここはアメリカだった、
なんて叫べばいいんだろ」と思うまもなく周り中から「ラ〜〜クッ」という声
が。
むむっ?皆日本語で叫んでる?と思いきや実は「Rock!」と叫んでいるのに気
付きました。
ははは、ちゃんと通じたぜ!
すっかりビビッた我々は一目散に懸垂し、ハングした取りつきに隠れながら
ノーズの取りつきまで逃げてやっと一安心しました。
その後エルキャピタンには行っていませんが、リターンマッチの機会は今でも
狙っています(残念ながらその時のパートナーは何年か前冬の五竜で亡くなっ
てしまい、もう一緒に行くことはできません)。
返り討ちに遭わなきゃいいけど。
初めて日和田に行った新宿労山の塩野です。
先日メーリングを初めて出させて頂いて必要な道具のアドバイスを皆様から頂きまし
た。
その時ヘルメットの事を自分の必要事項に入れて無かったので『ヘルメットは買わな
いの?』と言うアドバイスが有りました。
ヘルメットは冬・春山で使っているのが有ったので購入事項には入れて無かったので
すが『必ず持って行かなければいけないな』と思い必ず持って行こうと思いました。
今回一緒に日和田に行った人いわく『整備されたゲレンデで落石なんか無いからヘル
メットはいらないかも』と言われ持って行くのはよそうかとも思いました。
しかし初めてだし準備しておいても問題はないと判断して使う事にしました。
それが正解でした。
落石は無かったのですがエイトカン、カラビナが落ちて来たんです。
それでも『ラク〜ッ!!』のかけ声は有りませんでした。
自分は石を落としていないにしろ小さくても金属のかたまりを誤って落としたら『ラ
ク〜ッ!!』の一言があっても良いのではと思いました。
幸い直撃はしませんでしたけどエイトカンなんか目の前で岩に当たり背中の後ろに飛
んで行きました。。。『ほっ!』
仮に直撃したとしても死には至らないとは思いますが腹が立ちました。
あと、後で思ったのですがエイトカンは(マニアルどうり使っていたのなら)落さな
いのでは???
ゲレンデみたいに人がいる所ならともかくへたをしたら下降出来なくなったりもする
と思うのですが。。。
有持さん場合みたいに大きな落石では無かったのですが自分としては初めての天然岩
で唯一嫌な思いをしました。
山屋だけでは無いと思いますがルールや常識が通用しない人が沢山
(訂正、一部かな?)
居ます。
そんな人のまいた種のまきぞいには成りたく無いももです。
塩野さん、こんにちは。黒澤と@猫の森、です。
> 今回一緒に日和田に行った人いわく『整備されたゲレンデで落石なんか無いからヘル
> メットはいらないかも』と言われ持って行くのはよそうかとも思いました。
> しかし初めてだし準備しておいても問題はないと判断して使う事にしました。
> それが正解でした。
混雑時のゲレンデでは、エイト環カラビナは言うに及ばず、冬前ともなればピッケ
ルやアイゼンまで降ってくることがあります。
以前、連れていったお客さんが、ヌンチャクを落として、取り付きにいたクライマー
の脳天を直撃したことがありました。4〜5mの高さから、上手い具合に急所へ直撃
でしたから、ヘルメットを被っていなければ無事では済まなかったと思います。
ただ、ヘルメットで防げるのは、本当に小さなモノだけで、それも速度の遅いモノ
だけです。パチンコ玉大の落石が、ヘルメットを貫通したなんて事故事例もあるよう
ですから…
(1)モノが落ちてくるコースに入らない
(2)危険地帯では迅速に行動する
…石に当たって痛いのは自分。落としたヤツに百万回罵詈雑言を浴びせても、自分の
命は戻ってこない。壁にはマナーが悪いヤツも、発狂してるヤツもいるかもしれませ
ん、先行パーティーが善良な人だとは思わないことでしょう。当たらないことが最大
の防御なのです。
有持です。
みなさん、こんばんは。
やはりみなさんも結構、落石で危ない経験をされているんですね。増田さんが遭遇
したテニスコート大と言うのはすごいですね・・・・・・・・。(T_T)
たいていの場合は落とした相手が分からない場合が多いですが、今回は落としたパ
ーティが分かっているので、もし死亡事故などになっていたら賠償問題なんかはどうな
るんでしょうかね〜??
貝瀬@岩峯です。
オフミは行くつもりでしたが仕事で行けず残念でした。
日曜はいい天気だったのに・・・トホホ (T_T)y-~~
> 有持です。
>
> たいていの場合は落とした相手が分からない場合が多いですが、今回は落としたパ
> ーティが分かっているので、もし死亡事故などになっていたら賠償問題なんかはどうな
> るんでしょうかね〜??
おそらく争われるとなると、民法第709条の不法行為(故意又は過失により他人に損害を
与えた場合の賠償責任)になるでしょう。
ただ、人為落石を受けるようなリスクを伴うことを承知のうえでクライミングしているとみな
され、相当の減額は避けられない気がします。
また、709条は訴えた側に挙証責任があり、相手方が落石を起こしたことを証明しなくては
ならず、相手が「自分じゃなく自然落石だ」といった場合、それを覆す証拠を挙示する必要
があります。
そもそも通常のクライミング中に落石を起こしたことが、果たして「過失」とまで言えるのかと
なるとなかなか難しい問題ですねぇ。
クライマーの立場で言ったら、落としたことについて他のパーティに警告しなかったことが
故意又は過失とされるのが自然のような気がしますが。
人為落石についての判例はともかく、山岳保険の支払いの事例なんかはあるとは思います。
有持様
村岡@新潟です。
山形の件もあったことですし、私なりに落石に関して考えていることを文章にしまし
た。
ただ、その内容は少し過激なことを書いています。いきなりACMLに流すのはまずかろ
うと思い
有持さんの、個人宛にメール致します。
> 落石だけはどこで遭遇するか分かりませんので、やはり運なんで
> しょうか??
>
落石は運かどうか?
私もクライミングを始めて10年以上(結構やってるなー,年数だけは)になります
が、この命題にはいつも頭を悩まします。
私自身は幸い大きな落石に当たったことはないですが、身の回りには落石に当たって
怪我を負った人間はいます。また、谷川の凹状で頭に落石がヒットし顔面が血塗れに
なっている人を見たことがあります。いずれも明らかに人為落石で、怪我を負った人
にはなんと言って良いのか言葉は見つかりません。が、今回は人為落石についてでな
く自然落石について話しをしていきます。
私は防災工事関係の仕事に従事していている関係で、落石や岩盤崩壊という現象につ
いて、いい方は可笑しいかもしれませんが、日頃から慣れ親しんでいます(最近は都
市地盤ばかりですが)。実際に岩盤崩壊が起きた現場に張りついて観測させられたこ
ともあります。
そこで感じたことですが、確かにどうしようもない落石(自然落石)というのは存在
します。
岩盤にはたくさんの割れ目が見られます。一見硬く見える岩でも、その背後にはク
ラックが発達しているかもしれません。そんなクラックに水が入りこめば、
@クラックに沿って風化作用が進行
Aクラックが徐々に開き、剥離し易くなる
B岩盤全体が脆くなっていく
C崩壊・落石の発生
となるわけです(実際はもっと複雑な過程をたどりますが)。
もし、この時にあたってしまったら運が悪かった、というしかないでしょう。
だいたい、そのような時は規模が大きく(最近の例では一の倉の4ルンゼ)、どうに
もなりません。運を天に任せましょう!?
しかし、諦めてしまうのは早計です。
そうなる前に前兆現象が見られることが有るのです。
@細かい落石が頻発する
A岩盤から音がする
Bクラック中の木の根がピ−ンと張った状態になる
Cクラックからの湧水量が増える
(昇順にヤバさの度合が上がっていきます)
もしルートを登っている時に、こんな現象に遭遇したら危険が身に迫っていると自覚
し、早急にその場から退避しましょう。
また、フリーのゲレンデでも油断は禁物です。昨日は剥がれなかったガバホールドが
今日は取れてしまう、ということも往々にしてあることです。
とにかく岩場というものは何時か崩壊するもの、どんなところでも落石は発生しう
る、と心の片隅において行動しましょう。
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