「いいやまブナの森倶楽部(くらぶ)」(会長・井出孫六氏)は31日、飯山市の鍋
倉山(1289メートル)山ろくに残された里山の自然を保護する指針「なべくら憲
章」の今年度中の策定をめざすことを決めた。林野庁の巨木100選に選ばれたブナ
の老木「森太郎」などを見ようと観光客が増えるなど、環境への影響が心配されてい
た。
鍋倉山山ろく一帯はブナの原生林が広がる一方で集落が近いため、人が入りやすい里
山の環境とされている。通称「巨木の谷」と呼ばれる一角には、樹齢300〜500
年以上とされる老木「森太郎」「森姫」が見つかり、森太郎は昨年、林野庁から「巨
木100選」に指定された。また、冬場はスノーモービルで雪原を走る人たちが増
え、入山者の増加が問題になっていた。
「いいやまブナの森倶楽部」は、「森太郎」「森姫」などブナ林の保護、育成のため
に昨年3月に設立された。地元の人たちや小山邦武市長らが名を連ね、「人と森との
共存」をテーマに遊歩道の整備や座談会を開いている。座談会でも入山者増が取り上
げられ、「自然保護に関する共通の理念をまとめ、その上で議論したらどうか」と話
になっていたという。
井出氏は「この恵まれた自然とどのように向き合っていくのかが緊急の課題」と話し
ている。(4/2 asahi.com長野版)
ACHP編集部
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