発達した低気圧が日本海と日本南岸を通過した影響で、県内も四日朝から雪や雨とな
り、一時強く降った。雪崩や土砂崩落が起きる場所があったほか、スリップ事故が発
生するなど交通機関も乱れた。長野地方気象台によると、五日は冬型の気圧配置が強
まり、北部山沿いや中部の安曇、南部の木曽地方などで大雪になる見込みで、注意を
呼びかけている。
<上信越道通行止め わきの斜面土砂崩落>
四日午後零時半ころ、下水内郡豊田村永江の上信越道上り線熊坂トンネル近くで、わ
きの斜面が崩落、上下線とも土砂に埋まった。下り線を走っていた北海道余市町、運
転手細川清志さん(46)の大型トラックが土砂に流されたが無事だった。
県警高速隊の調べだと、約四千立方メートルの土砂が長さ約五十メートル、幅約二十
メートル、高さ約四メートルにわたり道路をふさいだ。前夜から雨模様で、雪解けも
進んでいたことから地盤が緩んでいたとみられ、原因を調べている。崩落個所は同線
建設に伴い山の斜面を切り崩したのり面で、コンクリートなどで固めていなかった。
細川さんは「数十メートル手前で右側の斜面がパッと割れるのが見え、急ブレーキを
かけた。間一髪でした」と話していた。
上信越道は、上りが信濃町―豊田飯山、下りは信州中野―信濃町間が通行止めになっ
ており、日本道路公団はう回路として国道18号の利用を呼びかけている。
<安曇村で雪崩、タクシーのむ 自力脱出、4台も間一髪>
四日午前十時ころ、南安曇郡安曇村乗鞍高原の乗鞍スーパー林道で雪崩が発生した。
通行中の松本タクシー(松本市)の大型タクシーが押し流され約二十メートルがけ下
に転落、観光バスなど四台の車体が一部雪に埋まった。いずれも自力で現場を離れた
が、タクシーの運転手男性(55)が左手に軽いけがをした。
雪崩は、乗鞍側料金所から同村白骨に向かって約三キロ付近の近接した二カ所で発
生。タクシーが巻き込まれた現場は長さ約十五メートル、高さ約六メートルにわたり
崩れた跡があった。
タクシーの運転手は「『ドンッ』という音とともに雪がぶつかり、驚いた」。乗用車
の地元男性(72)は「(車外に出たら)音もなく雪が流れ、次の瞬間、胸まで雪に
埋まった。恐ろしかった」と振り返っていた。
同林道の冬期の管理は村が担当、不定期で巡回をしている。雪崩の危険がある場合は
通行止めにしている。村は「雪が朝六時ころから降り始め、予想以上に早く積もっ
た。雪崩を予測するのは難しかった」としている。(3月5日 信濃毎日新聞)
ACHP編集部
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